1794|井上雄彦「親鸞」屏風

井上雄彦「親鸞」屏風|渉成園

この休みは井上雄彦氏の「親鸞」屏風を観に、東本願寺の別邸・渉成園(しょうせいえん)まで。渉成園は10年以上前に一度行ったきりだけど、すごくいい場所。ちょうど天気も良く、散策しているだけで心が洗われる。

現存する方の屏風作品を観ることは、そうそうない。村上隆氏のような類でなく、何というか“王道の”屏風。この先もう二度と無いかも知れない。そう考えると、なんだか不思議な気持ちだった。

例えば僕が長谷川等伯の屏風を観て心を震わすように、何世代先の誰かがこの作品を観て感動する日が来るんだろうか、なんて事を考えた。親鸞聖人750回御遠忌の記念事業とは言え、その日は来る気がする。というか来て欲しい。世代を超えていろんな人の目に触れて欲しい。スラムダンクやバガボンドを全く知らない人が観たら、どう思うんだろう。

そもそも僕が今まで観てきた屏風は、当時どんな存在だったのか。献上するものか、こうして誰もが目にできるものだったのか、そんなことまで思い巡らせた。後者だったらいいな。「最後のマンガ展」もそうだったけど、自分という存在が今どこにあるか分からなくなるような、不思議な体験だった。やっぱ好きだ、井上さん。

Date: 14/11/05 Photo: iPhone 5