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rain

気温が0.1°上がるだけで、生態系は大きく変化する。そう聞いた。

今年の目標は「体温を上げる」。もっといえば「一年中健康でいられるカラダづくり」。カラダをあたためる・あたためない・冷やす・冷やさない、季節と状況に合わせた対処を、カラダの外と中、それぞれに分けて取り組んだ。もともと体温が低かったせいもあって、始めて2ヶ月で0.5°も上がった。地道な取り組みで確かな変化が見て取れるのは、自分にとって最高におもしろいこと。体内の生態系は、歴史的に変わった一年だと思う。変わったというか、変えた。

自分の近くにいてくれる人の、近くにいる人と関わる機会が増えた。旦那さんだったり、奥さんだったり、恋人だったり、お子さんだったり、友達だったり、家族だったり、親戚だったり。今まで築いてきたものが、さらに深みを増してくれた。これは、この上なく幸せなこと。「この上」にあるものを、本当に知らない。どんな事情であれ、その人にとって大切なものを、自分と共有してくれることに、喜びを感じずにいられない。

分かり合えないこと、孤独であること、誤解があること。それがコミュニケーションの大前提。それでも関わってくれる人がいて、同じ時間を楽しく過ごしてくれたり、頼りにしてくれたり、信じてくれたり、甘えさせてくれたり、それぞれの人生の中に交点がある毎日は、お世辞抜きでありがたいと思う。来年も続いてくれたらいいなと願う。

何をどうしても信じてもらえない人も、軽蔑にまで至る人も今年はできてしまったけれど、それはそれで仕方ない。関係性の枠組みが広がったのだから、反作用として受け入れざるを得ない。残念だけど、仕方のないこと。すべて自分にだけ都合のいいことは100点じゃない。そんな考えは他人から見れば0点かも知れない。何かを失ってでもやると決めたこと、それが自分にとっての100点。最後は自分で決めなきゃいけないんだよ。

「好き」とか「友達」とか、シンプルなものがどんどん複雑になったなあと思う。当たり前に使ってきたけど、いざとなると説明できない。時代が変われば定義も変わる。説明する必要自体ないものかも知れないけど、自分なりに考えてみて思い至ったのは、好きって、少なからず「自分のココロを満たしてくれる」こと。みんな、満たされたくて生きているから。満たしてくれるものには中毒性がある分、うまくつき合わなきゃね。仕事で満たされようとはしないのは、品質に影響するから。自分が何で満たされているかは、自覚している方がいい。

今年は自分に近いお仕事を、たくさんさせていただきました。日本酒にしても、政治にしても、自分の関心ごとが仕事になって、何かしら貢献ができるというのは、とても光栄なこと。おかげさまで、貴重な経験をたくさんさせていただきました。いろんな方に鍛えてもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。

10月に独立12周年を迎えて、自分はもうすぐ40代。仕事も暮らしも、次の段階へ進む備えができた2017年。しんどいこともやり残したこともまだまだたくさんありますが、やれることはすべてやり切ったと自信を持って言える一年でした。その反動で、いま緊張が解けに解けたポンコツ状態。どこまで行っても反動は付きまとうもの。それさえも楽しめるようになってきました。

一時期に比べて更新の頻度は減りましたが、それでもいつも読んでくださる皆さんには感謝しています。一年ありがとうございました。どうかよいお年をお迎えください。来年は5日からの営業です。

Date: 17/12/31 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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soap making

手づくり石けんのワークショップ「KAYOKO」のWebサイトをデザインしました。

今回のクライアントは別件で、一度は自分から縁を絶った方。もう二度とお会いする事はないと思っていたのに、それから半年後、共通の知人から今回の依頼をいただいた。信用するに足る方で、しかも間に入ってくださるという条件つきだったのと、「縁を絶った人とは二度と関わることはできないのか」という自分の度量に対して、ずっと葛藤していたこともあって、快く、とは言えないまでも、慎んでお受けすることに決めた。そういう経緯がある。

決めたからには受け身にならず、むしろ自分から向かっていく姿勢がいる。そういう取り組みを、今年はひとつひとつ、ずっとずっと繰り返してきた。集中を切らさず公開の日を迎えられたことも、防波堤になって下さったおかげで自分の葛藤と真っ向勝負できたことも、とても感慨深い。自分はコミュニケーションと撮影担当に徹して、デザインはスタッフの小森、エンジニアリングはバンさんが担当。全員が役割を全うしてくれました。

短い納期で気の抜けない仕事でしたが「打ち上げが楽しそう」という、これ以上ない殺し文句でご依頼くださった市田恭子姐さんには大変感謝しています。どうもありがとうございました。

KAYOKO

Date: 17/12/21 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

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handmade soap

今ではすっかり浸透しきった「クセがすごい」も、定着するまでに実は10年かかってる。この間のとろサーモンも、結成15年目にしてやっとMー1優勝。何かを成し遂げるには、そのくらいかかるのかも知れない。続いていないものが、定着したことは一度もない。

カイロプラクティックには10年以上通い続けてる。年に一度の健康診断より、2週間に一度の定期整備の方が効果的という考え。同じ頃から加圧トレーニングも続けてる。続けていなかったら、おそらくどこかで倒れているか、また大きくカラダを、あるいはココロを壊しているか、とにかく今のスタンスで仕事はできていないと思う。考え方もずいぶん違っているはず。だからこその今がある。

自分を大きく見せることを、10年続けたとして、大きくなれるのかな。すごく大きく見えるようには、なっているのかも知れないね。それより「この人なら信じられる」「この人には信じて欲しい」という存在に、ひとりでも出会うことが、自分には大切なこと。

見せることに躍起になると、そのぶん近寄れなくなる。

Date: 17/12/13 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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peanuts

自分以外は他人。

そんな当たり前を、あらためて意識する。どれだけ距離が近くても、血が繋がっていても、他人は他人。他人とは思えない人でも、だからといって自分ではない。基博も、僕じゃない。他人だからどうでもいい、他人だから大事にする、その両軸でバランスを取りながら、それぞれ暮らしてる。

中には、気が置けない人もいる。大事にしない人とは、対極にある存在。勘違いしている人、けっこう多い気がする。無条件で甘えていい人なんて、一人もいない。甘えるにも、実は礼儀がいる。当たり前でいてくれることにも、たくさんの感謝がいる。近ければ近いほど、繊細さがいる。たくさん甘えたいから礼儀を覚えるし、当たり前でいたいから、感謝と敬意を忘れないようにする。

そういうことを、ひとつひとつ意識し直してるところ。他人だから、感謝があるよ。

Date: 17/12/06 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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cenci

何をすればいいか分からないとか、やりたいことがないとか、そんなことを考える前に、「やり残していることはない?」と問いかける。本当にやりたいことは、しまい込んでしまった「やってこなかったこと」の中に、隠れているかも知れないよ。

後悔は、記憶の中で花が咲く。後悔の芽をひとつ摘み取るだけで、実はけっこう忙しい。それでいて実に楽しい。

Date: 17/12/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art