2161
気温が0.1°上がるだけで、生態系は大きく変化する。そう聞いた。
今年の目標は「体温を上げる」。もっといえば「一年中健康でいられるカラダづくり」。カラダをあたためる・あたためない・冷やす・冷やさない、季節と状況に合わせた対処を、カラダの外と中、それぞれに分けて取り組んだ。もともと体温が低かったせいもあって、始めて2ヶ月で0.5°も上がった。地道な取り組みで確かな変化が見て取れるのは、自分にとって最高におもしろいこと。体内の生態系は、歴史的に変わった一年だと思う。変わったというか、変えた。
自分の近くにいてくれる人の、近くにいる人と関わる機会が増えた。旦那さんだったり、奥さんだったり、恋人だったり、お子さんだったり、友達だったり、家族だったり、親戚だったり。今まで築いてきたものが、さらに深みを増してくれた。これは、この上なく幸せなこと。「この上」にあるものを、本当に知らない。どんな事情であれ、その人にとって大切なものを、自分と共有してくれることに、喜びを感じずにいられない。
分かり合えないこと、孤独であること、誤解があること。それがコミュニケーションの大前提。それでも関わってくれる人がいて、同じ時間を楽しく過ごしてくれたり、頼りにしてくれたり、信じてくれたり、甘えさせてくれたり、それぞれの人生の中に交点がある毎日は、お世辞抜きでありがたいと思う。来年も続いてくれたらいいなと願う。
何をどうしても信じてもらえない人も、軽蔑にまで至る人も今年はできてしまったけれど、それはそれで仕方ない。関係性の枠組みが広がったのだから、反作用として受け入れざるを得ない。残念だけど、仕方のないこと。すべて自分にだけ都合のいいことは100点じゃない。そんな考えは他人から見れば0点かも知れない。何かを失ってでもやると決めたこと、それが自分にとっての100点。最後は自分で決めなきゃいけないんだよ。
「好き」とか「友達」とか、シンプルなものがどんどん複雑になったなあと思う。当たり前に使ってきたけど、いざとなると説明できない。時代が変われば定義も変わる。説明する必要自体ないものかも知れないけど、自分なりに考えてみて思い至ったのは、好きって、少なからず「自分のココロを満たしてくれる」こと。みんな、満たされたくて生きているから。満たしてくれるものには中毒性がある分、うまくつき合わなきゃね。仕事で満たされようとはしないのは、品質に影響するから。自分が何で満たされているかは、自覚している方がいい。
今年は自分に近いお仕事を、たくさんさせていただきました。日本酒にしても、政治にしても、自分の関心ごとが仕事になって、何かしら貢献ができるというのは、とても光栄なこと。おかげさまで、貴重な経験をたくさんさせていただきました。いろんな方に鍛えてもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。
10月に独立12周年を迎えて、自分はもうすぐ40代。仕事も暮らしも、次の段階へ進む備えができた2017年。しんどいこともやり残したこともまだまだたくさんありますが、やれることはすべてやり切ったと自信を持って言える一年でした。その反動で、いま緊張が解けに解けたポンコツ状態。どこまで行っても反動は付きまとうもの。それさえも楽しめるようになってきました。
一時期に比べて更新の頻度は減りましたが、それでもいつも読んでくださる皆さんには感謝しています。一年ありがとうございました。どうかよいお年をお迎えください。来年は5日からの営業です。
Date: 17/12/31 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2160
手づくり石けんのワークショップ「KAYOKO」のWebサイトをデザインしました。
今回のクライアントは別件で、一度は自分から縁を絶った方。もう二度とお会いする事はないと思っていたのに、それから半年後、共通の知人から今回の依頼をいただいた。信用するに足る方で、しかも間に入ってくださるという条件つきだったのと、「縁を絶った人とは二度と関わることはできないのか」という自分の度量に対して、ずっと葛藤していたこともあって、快く、とは言えないまでも、慎んでお受けすることに決めた。そういう経緯がある。
決めたからには受け身にならず、むしろ自分から向かっていく姿勢がいる。そういう取り組みを、今年はひとつひとつ、ずっとずっと繰り返してきた。集中を切らさず公開の日を迎えられたことも、防波堤になって下さったおかげで自分の葛藤と真っ向勝負できたことも、とても感慨深い。自分はコミュニケーションと撮影担当に徹して、デザインはスタッフの小森、エンジニアリングはバンさんが担当。全員が役割を全うしてくれました。
短い納期で気の抜けない仕事でしたが「打ち上げが楽しそう」という、これ以上ない殺し文句でご依頼くださった市田恭子姐さんには大変感謝しています。どうもありがとうございました。
Date: 17/12/21 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2159
今ではすっかり浸透しきった「クセがすごい」も、定着するまでに実は10年かかってる。この間のとろサーモンも、結成15年目にしてやっとMー1優勝。何かを成し遂げるには、そのくらいかかるのかも知れない。続いていないものが、定着したことは一度もない。
カイロプラクティックには10年以上通い続けてる。年に一度の健康診断より、2週間に一度の定期整備の方が効果的という考え。同じ頃から加圧トレーニングも続けてる。続けていなかったら、おそらくどこかで倒れているか、また大きくカラダを、あるいはココロを壊しているか、とにかく今のスタンスで仕事はできていないと思う。考え方もずいぶん違っているはず。だからこその今がある。
自分を大きく見せることを、10年続けたとして、大きくなれるのかな。すごく大きく見えるようには、なっているのかも知れないね。それより「この人なら信じられる」「この人には信じて欲しい」という存在に、ひとりでも出会うことが、自分には大切なこと。
見せることに躍起になると、そのぶん近寄れなくなる。
Date: 17/12/13 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2158
自分以外は他人。
そんな当たり前を、あらためて意識する。どれだけ距離が近くても、血が繋がっていても、他人は他人。他人とは思えない人でも、だからといって自分ではない。基博も、僕じゃない。他人だからどうでもいい、他人だから大事にする、その両軸でバランスを取りながら、それぞれ暮らしてる。
中には、気が置けない人もいる。大事にしない人とは、対極にある存在。勘違いしている人、けっこう多い気がする。無条件で甘えていい人なんて、一人もいない。甘えるにも、実は礼儀がいる。当たり前でいてくれることにも、たくさんの感謝がいる。近ければ近いほど、繊細さがいる。たくさん甘えたいから礼儀を覚えるし、当たり前でいたいから、感謝と敬意を忘れないようにする。
そういうことを、ひとつひとつ意識し直してるところ。他人だから、感謝があるよ。
Date: 17/12/06 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2157
何をすればいいか分からないとか、やりたいことがないとか、そんなことを考える前に、「やり残していることはない?」と問いかける。本当にやりたいことは、しまい込んでしまった「やってこなかったこと」の中に、隠れているかも知れないよ。
後悔は、記憶の中で花が咲く。後悔の芽をひとつ摘み取るだけで、実はけっこう忙しい。それでいて実に楽しい。
Date: 17/12/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2156
想像をゆうに超えた、嬉しいことが起こる。
いろんな方から季節の贈り物をいただいたり、自分の手がけた仕事をひっそりお店に飾っていて下さったり、親戚でもないのにものすごく慕ってくれる小さな子がいたりする。分かってもらえそうだと頼って下さる人も、信じて下さる人も、少なからずいる。ありがたすぎて、受け止めきるにも気力がいる。
反対に、同じくらい嬉しくないことも起こる。不義理される数も年々増える。おかしいなあ、なんでだろうなあとしばらく考え込んで、「ああこれはセットなのか」と気付く。じぃっと動かなければ、いいことも悪いことも起きないけれど、その逆に、動いた分だけいろんなことが起こる。近づけば近づくほど、その反動は大きくなる。それもそうだ、惚れ込める何かと出会えたら、別れはその分だけつらくもなる。つまりは作用反作用、みたいなこと。
無自覚のうちに自分が不義理をしていることも、ちゃんとある。性質から逃れようなんて、どだい無理な話。都合のいいものなんて、元々ない。ないものは、求めない。
Date: 17/11/29 Photo: iPhone 5
2155
このあいだ岡崎にあるイタリアン「cenci」さんで撮影させていただいた中の一枚。お店の空気を伝えるのに、言葉を必要としない(たぶん)。
言葉は大好きだし、言葉のチカラを信じてもいるけれど、言葉に頼らないことも同じくらい大切で、喋る時は喋る、喋らない時は徹底的に喋らない、みたいに、状況に応じて使い分けできるのがいい。
長所を活かすというのは、自由自在に加減できることだと思う。その見極めにセンスが必要なんだと思う。足の速い人も、速さに自惚れることなく、ゆっくりしか走れない人のペースに合わせられる視野の広さと優しさがあってこそ、みたいな。
できる、だけは、できない、とも言える。
Date: 17/11/24 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2154
徳島県の阿南市にある「メルシーコーヒー」さんへ、お取引先である京都のベーカリー「panscape」のスタッフさんたちと一緒に。メルシーさんはpanscapeさんのお取引先。定期的に訪れているというので、ぜひ自分もと、ご一緒させてもらった。
同い年の女性オーナーさんが、気持ちのいい光が差し込む素敵な空間をつくっている。野菜やお米は別会社を立ち上げて自家栽培し、決して栄えているとは言えない土地でたくさんの雇用を生み、地に足をつけて暮らしている姿を見せてもらう。カフェでのごはんはもちろん、いただいた全粒粉のマフィンは思わず声が出るほど美味しかった。せっかく徳島に来たので、ごみを出さない「ゼロ・ウェイスト」運動で有名な上勝町にも立ち寄った。
最近も引き続き、早寝する生活を続けていて、あいかわらず残業はしない。寒くなってきて、3割ほど運動量をセーブしてもいる。だけれども売り上げは落としてない。なんだ、これでいいんだと実感する。ごく稀にあるスタッフの残業についても「スケジュールに余裕のある時にはやく帰れる」選択肢を増やした。お金に換えるのもいいし、有給のように使ってくれてもいい。自分で選べるのがいいと思う。繰り返しの毎日に、小さくても自由があるのは楽しい。
体調を管理しながら、周りのペースもなるべく気にして、毎日やることやって、できなかったら次の日に繰り越して、一人でできないことは誰かに助けてもらって、一度やると決めたことは火種を絶やさずに向き合い続けて、でもやらないときは徹底的にやらないを貫いて、お礼をして、お詫びをして、ときどき愚痴を聞いてもらって、美味しいもの食べて、お酒飲んで、本を読んでゲームして、そんな風に過ごしてます。嬉しいことがたくさん起こりすぎて、それはそれで受け止めきれない時もあって、ときどき参ったりもしています。
Date: 17/11/18 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2153
この間の週末は「ここ滋賀」内覧会へ。東京・日本橋にOPENした滋賀のアンテナショップ。
1Fにある、県内33蔵の日本酒が楽しめる地酒バー「SHIGA’S BAR」のロゴを担当しました。今年は地元・松瀨酒造さまのWebサイトリニューアル、喜多酒造さまの日本酒ラベル、そしてこのロゴに関わらせていただき、自分で勝手に名付けた「日本酒3部作」を終えてホッとしていたのも束の間、東京へ向かう途中にまた別の日本酒案件のお話しをいただいて、ありがたさが止まらない。日本酒好きで本当によかった。
ロゴのデザインについてはまた別の機会にお伝えできればと思いますが、これだけのお酒が一堂に会するのは感動せずにいられない。会場では滋賀県で暮らす知り合いともたくさん出会えて、落ち着くというかなんというか、不思議な気持ちでした。それにしても、この場に少しでも関わらせていただけたのは、とても光栄なこと。物産スペースでは以前に携わった商品もいくつか販売されています。
出張の帰りにもいいし、関東で暮らす友達を連れて行きたいけど、時間がいくらあっても足りないな、これは。
→ここ滋賀
Date: 17/11/02 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2152
衆院選。暮らしの行く末をイメージしながら、議席の結果まで考えて一票を投じた。投票は目的ではなくて、単なる、そして唯一の手段に過ぎない、それが身に染みた今回の選挙。政治はいつも暮らしと繋がっている。政治への関心は、つまるところ、自分がどの範囲で幸せを考えているかだと思う。自分だけなのか、身の回りか、もっとたくさんの人なのか。今日だけなのか、一年先か、10年先なのか。候補者にも言えるし、自分たちにも言えること。
僕の暮らす野洲は、市議会議員選挙の投票日でもあった。実は一人の新人候補者から選挙ツールのデザインをご依頼いただき、いち市民としてだけでなく、デザイナーとしても関わることに。写真は選挙ポスターに使用したもの。挑戦的なアプローチだっただけに、吉と出るか凶と出るか、気が気でなかった。終わってみれば、見事トップ当選。少なからずお役に立てたかと思うと、デザイナー冥利に尽きます。関係者や有志のみなさん本当にお疲れさまでした。たくさんお世話になりました。やっと肩の荷を下ろせます。
そして台風。選挙に気が向いていたのもあって、ちょっと油断してた自分がいる。自然は時に脅威。各地で被害が出ているようで、一日でも早い復旧を祈ります。僕たちは選ぶこと、決めること、そして祈ることしかできない。無力ではあるけれど、できないことがないわけじゃない。諦めなければ、いくらでも希望はある。希望はどこかに落ちているんじゃなくて、自分で生み出すもの。
Date: 17/10/23 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2151
絵文字やスタンプを使ったやりとりは、まるでビールのような、喉ごしを楽しむ感覚がある。文字だけのやりとりには、日本酒やワインのような、あるいは小説のような、味わい深さがある。それぞれ“いいところ”があるから、好きな方を選べばいい。性分のせいか、自分は後者を選ぶことが多い。
文字だけのやりとりには、たくさん「嬉しい」が潜んでる気がする。限られている分、不確かな分、不安は多い。言い方を変えれば、相手を信じることで成立する。それだけに、まっすぐ伝わってくれると、とても嬉しくなる。相手を信じないやりとりも、ごまんとあるだけに。
「楽しい」に「嬉しい」が混ざると、もっと気分がいい。そう言えば「嬉しい」って、ひとりでは味わいにくい気持ちだ。
Date: 17/10/13 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
Date: 17/10/11 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2149
目覚ましを使わなくなって、数ヶ月が経つ。
とにかく朝が弱い。高校の頃からそうだったから、25年もの間、時間通り起きることに悩ませられてきた。25年と言えば、なんと四半世紀。シハンセイキ。そんな自分が目覚ましを必要としなくなった。ちょっとした、いやものすごい奇跡だ。なんということでしょう。
劇的に大改造、したことは何もない。ただ単に早く寝るようにしただけ。たったそれだけで、自然と目が覚めるようになった。起こされるんじゃなくて、自分で起きる。これだけのことで、朝の気分もずいぶん変わった。
しばらくして、気が付いた。朝が弱いんじゃなくて、その頃から夜更かしするようになったんだと。一人部屋ができて、夜の自由時間が増えて、夜な夜なテレビ観たりゲームしたりするうちに、「遅く寝る」が当たり前になっていったんだと。もっと言えば、夜が強いと思い込んでいた自分に胡座をかいてただけだと。遅寝で早起きなんて、ふつうに考えて無理があるのに。
我ながらバカです。そうなんです、人間はバカなんです。
Date: 17/10/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2148
12周年を迎えました。
なんだか中途半端な感じもありますが、実はそうでもなくて、独立してから干支が一巡したということ。そう考えると感慨もひとしお。この一年の記憶はあまりないけれど、いろんなことに意志を持って取り組んだ実感と、手を抜かずひとつひとつ仕事をやりきった手応えだけは残っています。しっかり前を向いていると、あまり後ろを意識しなくなる。今はそのバランスでいい。
12周年が近づいた頃、お世話になっている方々や、支えてくださっている方々ひとりひとりにお礼を伝えてまわりたい気持ちが自然と湧きました。どんな風にやるのがいいか考えてはみたけれど、いい方法も思いつかなかったので、この場を借りてお礼を申し上げます。厳しい人も、やさしい人も、慕ってくれる人も、甘えさせてくれる人も、声をかけてくれる人も、刺激をくれる人も、きっかけをくれる人も、元気をくれる人も、いつも本当にありがとうございます。できることは何もありませんが、何かお役に立てていれば嬉しいです。
手前味噌ですが、いいチームだなと思います。まだまだ改善の余地も多いですが、自分を含めた3人とも、誰ひとり手を抜いてない。周りにいてくれる方々も素晴らしいし、ずっと人に恵まれ続けています。
政局は慌ただしいですが、それはそれとして、自分は自分のやるべきことをしっかりやるだけ。13年目もどうぞよろしくお願いします。
Date: 17/10/02 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2147
「やりたいことだけやって生きよう」みたいな風潮には賛成だし、自分もその方向に進んでいる一人ではあるけれど、やるべき役目にプライドを持って取り組む人のかっこよさは、今も昔も、そしてこの先も変わることがない。つまり果てしなく、かっこいい。
やりたいことはもちろんだけど、その前に、やるべきことに真剣なのがいい。そういう人が好き。
Date: 17/09/21 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2146
普段そんなに関わりのない、せいぜい顔見知り程度の方から、ある日「いついつのブログがめちゃよかったです」と突然メッセージをいただく。
あまりに純度が高すぎて、疑う余地がない。ただ「伝えたい」衝動に、素直に従って下さったことだから。身近な人ならお世辞とも取れるけど、そんな距離感でもないし、120%真に受けざるをえない。つまりメチャクチャ嬉しい。素直って素晴らしい。
歪みのないところに、素直がいる。歪みの裏にも、ちゃんといる。
Date: 17/09/16 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2145
朝早く起きて、7時から空いているような喫茶店でモーニング食べて本を読んだり仕事したり、ゆったりとしたひとときを過ごしてから朝イチの打ち合わせに向かう。
そんなことをずっとやってみたくて、でもいざ朝になると「まいっか」で結局やらずじまいのまま一年が過ぎて、ついに今日やっと実現できた。ついでに早朝ランニングなんてものまでやってみた。だから誰なんだお前は。たったそれだけのことで、一日がすごく誇らしくなる。
Date: 17/08/31 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2144
涼しい所で何もしない、ってのがいい。何かするにしても、いつでもやめられる、そのくらいのことがいい。読みかけの本を開いて、でもあんまり読み進まなくて「今は気分じゃないからやーめた」ってできるのが最高に気持ちいい。何もしないことも、選択肢の中にあるといい。
ココロが喜ぶことと、カラダが喜ぶことは、けっこう、違うもの。それぞれバランスよく満たしてあげると、何かと続けやすいもの。
Date: 17/08/28 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2143
先週の金曜は長浜の「どんどん」へ。しばらく会えてなかった竹村くんの顔を見に。あいにく満席で、顔を見るどころか席さえなかった。幸いなことに知り合いがいて、女子会に混ぜてもらえた(助かりました)。唯一空いていた席はVOID A PARTのスーが予約してた。スーともずいぶん久しぶりだった。
土曜日はD&DEPARTMENT KYOTOの盆踊りへ。仲良くしてくれるお店の初の取り組み。どうなるか分からないという不安を聞いて、僕が行かずに誰が行く、という使命感と、ただ単に浴衣が着たい理由で駆けつけた。
この一枚がすべてを物語ってくれるように、老若男女がひとつ佛光寺の下、一体になった。うまく言葉にできないけれど、盆踊りが死者の供養ということもあるせいか、そこに生と死も共存しているような、楽しいけれど儚いような、暑いような涼しいような、不思議な空気がとても心地よかった。このままずっと踊っていたい、終わって欲しくない気持ちだった。ダンスやってた頃を思い出した。
日曜は建築士の敏さんが設計した建築を見に甲賀まで。義理の親戚も関わっている。建築は知らないことばかりで、ひとつひとつが勉強になる。完成見学会は、当たり前だけどお施主さんがそこにいるのが楽しい。その人の想いがカタチになるものだから、何を大切にしているかが建物から感じ取れる。思いを馳せられる。
そんな風に、立て続けに人に会いに行った反動なのか、月曜は突然3人も仕事場に遊びに来てくれた。近くに来たからと立ち寄ってくれたり、帰省のお土産を渡しに来てくれたり。本当にありがたい。明日は明日で、突然に連絡をくれた人からの依頼で、仕事場を見学に行く。最近そんな風に、呼吸するように無理なく繋がってます。
Date: 17/08/23 Photo: iPhone 5
2142
お盆休みもGWに引き続いて、身の回りの整理。毎年どこかに出かけていたけど、今年は行ってない。
自宅、納戸、倉庫、仕事場。なんとなく置いているものや放置していることに、ひとつひとつ決断をする。残すのか、捨てるのか、誰かに引き取ってもらうか。とてもエネルギーを使う分、とても充実感がある。やり残したことはまだまだたくさんあるけれど、今できることはほとんどやっている。これは時間をかけてやりたいこと。やり終えたときに自分がどうなっているか、楽しみで仕方がない。
自分にとって楽しいことって案外、周りから見ればつまらないもの。そういうものをひとつふたつ持っている人は、見ていて安心する。たまたま「周りにも楽しそうに見えるもの」があるだけで、端から寄せていくと、振り返ったときには、おかしなところへ意識が行っている。「インスタ映え」なんて、まさにそうでしょう。自分の気持ちに映えてさえいれば、それで十分じゃない。
楽しさを数値化したら、楽しくない。
Date: 17/08/18 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2141
自分の国が信じられないとか、息苦しい世の中になってきたとか、言い始めたらキリはないけど、ひまわりは今日も太陽に向かって、ただまっすぐ伸びている。けっこう、大事なことなんじゃないかと思う。「今年は無花果たちに振り回されてさ」とかなんとか、誰のせいにすることもなく、来年も、ただまっすぐ伸び続ける。
ひまわりの本心は、僕には死んでも分からないし、約束することもこの先ないけど、自分が自分を誇ることに、国も世の中も、実はまるで関係ない。自分を誇れる人がたくさんいる国を、誰が「信じられない」と嘆くことがあるだろう。素直に自分を誇れる人が、今どれだけいるだろう。
明日から15日まで、夏期休業をいただきます(16日より再開します)。みなさんもよいお休みをお過ごし下さいね。元気じゃない人が、少しでも元気になりますように。
Date: 17/08/10 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2140
変えたいと思っていることがあって、自覚はしているけれど行動に移せなくて悩んでいるとか、いよいよ一歩踏み出そうとしているとか、挫けそうになったら助けて欲しいとか、行動しているけどこれで合っているかどうかとか、いろんな人から、それぞれの地点から、連絡が来る。誰かに相談することは、他者目線に頼ることは、とてもいいことだと思う。
本気で乗り越えたければ、どうか自分で乗り越えて欲しい。真剣になりきれない自分を正当化して、何かのせいにするのもひとつ。やれること全部やった上で無理と観念すれば、諦めるのもひとつ。現実の方を歪めるのもひとつ。どこまで行っても自分のことだから、最後に決めるのは自分。下した決断も、決断できない自分も、今の自分。
僕はと言うと、いま自分のデザインを諦めてます。おかげでできることが増えに増えて、ちょっと困ってます。
Date: 17/08/05 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2139
日本酒のラベルとパッケージをデザインしました。
クライアントは「喜楽長」でおなじみ喜多酒造さま。純米大吟醸「愛おし」、大吟醸「敬いし」の2種類(どちらも最高級クラス)。書を担当された書師・秀蓮さんにお声がけいただき、デザイナーとして参加。経験不足な点も多く初めてのことだらけでしたが、いろいろと勉強になりました。
デザインで関わった日本酒を誰かに贈れる日が来たのは嬉しい。一度やり終えるといろんな発想も生まれるもので、また別の日本酒をデザインしたい気持ちが沸々と。お世話になっている堅田の酒屋さんでお取り扱い中。近江八幡なら「酒のさかえや」さんでも。もし良かったらギフトにどうぞ。
Date: 17/08/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2138
いつも忙しい人からの、お礼の手紙。
書かれている内容よりも、その行為そのものが嬉しい。ばんがりすぎる人が、魂が抜けそうで抜けてない少し抜けてる人が、体調の崩しやすいこの暑い時期に、自分のために貴重な時間を割いてくれた。その事実だけで、十分に気持ちが伝わる。「言葉は心を越えない」って、いつか誰かも歌ってた。本当にそう思う。ココロを見ようとしない人ほど、言葉そのものに振り回される。
自分は自分で、お仕事の一部を手伝わせてもらったに過ぎないけれど、ここまでしてくださるなら、相手にとっては、そこまでの価値があったに違いないと、そう信じるようにしてる。礼儀とは、そういうものだから。礼儀のある人って、しっかりしている人かというと実はそうでもなくて、自分なんて大したことないから、せめて、という考えの人も、結構いる。どっちにしても、思いやり。
Date: 17/07/22 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2137
最後まで手を付けないことが、本当はやらなきゃいけないこと。気が付いたから、気付いてしまったから、いま一歩ずつ近づいているところ。これはあれだ、例のマーチだ。どうしようもなく気力のいることを、ひとつひとつ、どうにかしようとする。そんな365日。
梅雨が明けました。
Date: 17/07/19 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2136
今週は蒸し暑い日が続いて、タフさが自慢の人もそうでない人も、カラダはきっとお疲れのはず。この連休中に、どうか少しでもリフレッシュできますように。まだまだ先は長いです。
自分も打ち合わせやら撮影やらデザインやらで、また少しずつ慌ただしくなってきました。仕事でも休みでも、おかげさまでいいリズムがずっと持続してます。足したり引いたり、リズムは自分でつくるもの。明日から3日間、お休みいただきます。
Date: 17/07/15 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2135
飲まなきゃやってられない。飲む人にも飲まない人にも、耳慣れたフレーズ。「○○しなきゃやってられない」は、世の中に数多ある。
泣かなきゃやってられない、歌わなきゃやってられない、引きこもらなきゃやってられない、枕に顔を押し付けてウワー!!って叫ばなきゃやってられない、モノとか人に当たらなきゃやってられない、などなど、細かく刻めば、きっと人の数だけあります(最後のは褒められたもんじゃないですが)。
聞き慣れないだけで、確かに存在してることを、インターネット(SNS)は教えてくれる。聞き覚えがあろうとなかろうと、どれもおんなじ。みんなで飲むお酒がオシャレでもなければ、一人で泣いてる自分は可愛そうでも何でもない。引きこもったら暗いとか、全くもって、ない。ぜんぶが正解。それぞれの方法で、元の自分に戻ろうとしてるだけ。それだけ毎日ばんがってるってこと。カッコいいとか可哀想とか、まるで関係のないこと。
他の人なんて知らんがな、ということ。
Date: 17/07/12 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2134
この頃は、整理と整頓。
服ひとつ処分するにも、着なくなったものは誰かにあげたり、直して着るか決めたり、着ないけど思い出深いもの(これが厄介)をどうするか決めたり。どうしても決められなかったら「今は決めない」と決める。大げさな話ではあるけど、引き出しの中ひとつとっても、自分の意志が投影されている。
些細なことさえ決められずに、それ以上のことは決められない。そのための筋トレ(のようなもの)。決めるのに3日かかることが、1日でできれば、すごく気分がいい。だって、あと2日、別のことに使えるんだから。決めるチカラを養うと、もれなく「諦めるチカラ」もついてくる。
ずっと放っておいたことに手を付けるには、それだけ気力がいる。そんな経験、誰でもひとつやふたつ、あるでしょう。気力は、たっぷり休んで蓄える。いま残業しないでいるのも、ぜんぶ繋がっている。これをやり終えたら、今よりもっともっと、いろんなことが軽くなってるはず。それが楽しみ。
Date: 17/07/10 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2133
なんて生命力だろうと、見上げて驚いた。冗談抜きで「なんて木だ!」と叫びたくなった。生え伸びるというより、まるで矢で滅多刺しにされた獲物のような、けたたましさを感じる。光に向かって、いつまで、どこまで成長を続けるんだろう。いつか朽ちることなんて無縁に思える逞しさ。こんなに力強い木の根っこもまた、きっと力強いに違いない。
植物なら土の中、ふだん目にしない部分を特に意識する。目に見えることだけ見ても、思い込みを増やしかねない。見えるところと見えないところ、それぞれを見て、ぜんぶを捉える。
Date: 17/07/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2132
自然な気持ちで「撮りたい」と思ったら写真を撮りに行く。何となくの習慣でやっていたことを、最近どんどんやらなくなっている。やると決めたことだけやる。それがきっと一番、気分のいい過ごし方。またひとつ、魅力的な場所を見つけた。
その時の自分が何を見るか、自分でも予測できないからおもしろい。撮った写真を見て楽しむのも、これ以上ない最高の娯楽。
Date: 17/07/05 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2131
好きなものを好きでいるのに、別の何かを否定して、好きを保つ栄養にする。誰かが好きでやっていることが気に入らなくて、否定して、自分の好きを保つ。そんな風に、どこかに寄りかからないと、好きと言えないようなものは、本当に好きなのだろうかと、考えてしまう。ただ単に「好き」で、いいんじゃないかと思う。近寄りたい気持ちが「好き」なんじゃないかと思う。
好きには、怖さがついてくる。近寄りたいことは、裏を返せば、離れたくないこと。切り離せるなら、そうしたいけど、そうできないのが、好きということ。丸ごとギュッと受け入れないと、どうしようもないこと。
Date: 17/07/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2130
ブログが書けなくなる時。
しいたけさんがそんなタイトルの記事を書いていて、読んで打ちのめされた(もちろん、いい意味で)。まるで自分のためだけに書き下ろしてくれたかのよう。
これまで10年以上ブログを続けてきて、何度か、というか何度も休んでる。その心境は、まさにここに書かれているとおり。分かってもらえるって、たまらなく嬉しいなあ。そんな人が周りにいてくれるのは分かってはいても、こうして言葉で伝えてもらえると、思わず泣き崩れそうになる。
このブログ、最近は20代前半の人まで読んでくれているようで、それはそれで驚いてる。生きてきた時間が違い過ぎて、果たしてどこまで理解してくれているのか、そもそも面白いと感じてくれるのか、不安にさえ思う。蓋を開けてみたら、そのくらい年が離れている方が、かえって素直に受け取ってくれてるフシもある。また思い込みがひとつ減る。
Date: 17/06/30 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2129
素直で健康って、すごくいい。それだけで、ものすごい魅力。素直で健康な人、素直で健康な会社、素直で健康な暮らし。文字だけでもパアッと明るくなる。
スタッフの畑で採れた(時には採れすぎた)夏野菜を、仕事中のおやつにする。そんな試みを始めてます。薬膳の考え方を日常にも取り入れる。次はお味噌汁を(そのうちお米も炊きそうな気がする)。もちろん普通にあんこも食べます。肝心なのはバランス。振り子の中心に据えていいのは、いつでも自分が決めた軸だけ。
日常そのものを楽しむ、ってのも、すごくいい。
Date: 17/06/28 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2128
滋賀県で作っているごま油を探していたら、友達が「送りましょうか?」と贈ってくれた。ありがとう。それにしても、なんて美しい。
今年もいろんな気持ちをいただいてばかり。もうすでに十分すぎるほど。理由は分からないけど、きっと、贈りたいと思ってもらえる何かがあるんだろうと、そう信じることにしてる。お言葉に甘えるにもエネルギーがいるけれど、お言葉に甘えることは、自分が嬉しいだけじゃなくて、相手に喜んでもらえることでもある。
甘え続けることに耐えられなくなったら、その時は別の誰かに甘えてもらって、バランスを取る。和菓子に添えられた塩昆布のような「お口直し」。これができないと、そのうち自分に嘘をつくことになる。ココロがもたれてしまう。自分に正直なまま、それでいて堰き止めることなく、くるくると循環は続く。そんなリズムがいい。
Date: 17/06/26 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2127
たとえば性別問わず、年下とも年輩の方とも幅広く関わりがある。ひとりの時間もある。近い人とも遠い人とも関わりがある。人間以外の生きものとも関わりがある。仕事も遊びもある。いいいことも嫌なこともある。絶望も希望もある。たまに「自分すごいぞ」と思いつつ、単なる生きものに過ぎない自覚もある。輝いてる日もあれば、だらしない日もある。
なるべく片寄らずに、両軸あるのがいい。がんじがらめな理想なら、いっそ無い方が自由でいい。理想だけ追うと、理想以外ぜんぶ見落とす。
Date: 17/06/23 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2126
「見透かされそう。」
よく、そんな風に言われる。相手を深く理解しようと努めれば努めるほど、そう思われてしまう。同じくらい「分かってもらえそう」とも言われる以上、表裏一体の性質から逃れることはできない。包丁はとても便利だけれど、人を殺める凶器にもなるのと同じこと。どう足掻いたって、逃れられない。
どれだけ自分で「見透かすつもりなんてないのに」と主張したところで、最後は解釈する人に委ねるしかない。見透かされたくない気持ちを強く持っている人であればあるほど、怖い存在として見られてしまう。残念だけれど、そういうものでしかない。
いま、お仕事ご一緒している方の中でも「会うのに緊張する」という人もいる。それでも勇気を持って関わって下さることが、デザイナーである前に、ひとりの人間としての冥利に尽きる。そのまんまの感情で、全力で期待に応えたいと思える。
誰かを怖いと思う感情は、とても素直なもの。それを乗り越えてくれた人を見透かそうだなんて、とんでもない。僕にだって人が怖いと思うことはある。だからこそ、知ろうともする。
Date: 17/06/21 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2125
きのうはカロム日本選手権大会。3度目の出場。
デザイナー友達のハッシーと組んだダブルスでは予選リーグを突破し、見事ベスト16まで残る快挙。惨敗だった前回と比べたら、この結果は大健闘。努力がちゃんと結果につながってくれると嬉しいもんです。よくがんばりました。
これは日本選手権大会。年に一度だけ彦根で開催される大会。つまり日本で16本の指に入るという意味であり、もれなく全世界で16本の指に入ることになる、そんな大会。そうですそうなんです、晴れて世界ランカーになりました(誠に恐れ入りますが野暮なツッコミは一切受けつけません)。
そんなことで世界は何ひとつ変わらないとしても、今日は気分がいい。それにしても、カロムは楽しい。
Date: 17/06/19 Photo: iPhone 5
2124
誘いを断る。
長いお付き合いのある同業者の方から、コンペのお誘い。デザイン力を期待して下さってのこと。ただ、僕はスタンスとしてコンペをやらない。コンペの仕組みそのものに違和感を感じていて、十二分に自分たちのチカラを発揮できた例しがない。そんなことは承知の上で、それでも誘って下さる。そこまで必要としてくださるならと、少しココロ揺らいだけれど、最後はやっぱりお断りした。自分の意志で「やる」と決めなかったことは、必ずどこかで綻びが生じる。あるいは言い訳の対象になる。
それにしても、断るにはエネルギーを使う。それだけに自分が誘う立場の時は、断りやすさまで考える。誘われた時、状況によってはヒラリとかわすこともあれば、今回みたいに、かわしちゃいけない時もある。月並みだけど、まごころには、まごころをもってしか返せないし、返しちゃいけない。肝心な時にたやすく自分を偽れることは、自分を含めて誰ひとり幸せにしない。
そんなやりとりをした上でも、これからも関わり続けて下さることに、感謝せずにいられない。最初はたとえ迷惑をかけたとしても、距離感を伝えるのは、僕はいいことだと信じてる。もちろん、それでも関わり続けたい、という大きな前提があってのこと。
Date: 17/06/16 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2123
連休明けから残業をやめた。
事業主たるもの残業は仕方がない、ずっとそう思い込んでいたけれど、本当に仕方がないのか、実験も兼ねて一ヶ月ほどやめている。分かり易い変化として、早く寝るようになった。早く寝れば、早く起きるようにもなる。目覚ましなしで、朝になると自然に目が覚める。起こされずに起きるだけで、ずいぶん気分がいい。
2年前は朝まで寝つけなかったことさえあったのに、今では朝からコーヒー淹れてる自分が可笑しくてたまらない。お前は誰だ。そんなリズムのおかげで、午前中の仕事がすこぶる捗る。そうなったらそうなったで、今度は夕方の集中力がガクンと落ちて、その作用をどう捉えようか考えているところ。楽しい。
やっているのは「本来あるべきカタチ」に戻すこと。姿勢をととのえるように、カラダの声を聞くように、仲直りするように。目新しさは、必要ない。残業せずに、残業していた時と同じレベルを保つ、ではつまらない。敢えてそれ以上を目指す。そういうチャレンジが、自分にとってたまらなく楽しい。
ひとつひとつ、思い込みから距離を置いてみる。自分の本性が見えてくる。
Date: 17/06/15 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2122
LINEはやってない。それで不便をかけてしまうことが時々ある。でも、特に悪いとは思わない。不便をかけている分、他で補おうとは思う。そんな理由で疎遠になることもないし、繋がりたい人とは、ちゃんと繋がれる。
「そう言えるのは強いからですよ」と言われる。そうだったのか。僕はただ、中毒性がありそうで距離を置いてるだけなのに。そんな判断ひとつで、強い弱いの視点を持ち出すことに、ちょっと面食らった。きっと、回転寿司でウニとかイクラを食べても「高そうな軍艦を食べられるのは強いからですよ」とかなんとか言われそうな気がする。ちなみにその人は、嫌われたくないからやっていると言う。
本音ではやりたくなくても、ガマンしてLINEをやると、嫌われないという。そんなわけ、あるはずないのに。“嫌われたくないからそうしてる”なんて考え方そのものに嫌悪感を持つ人だって、少なからず、どころか結構いるけどなあ。誰かを遊びに誘って、応じてくれた理由がそれだと知ったら、僕はすごく悲しい。嫌われない方法を知っている(と思い込んでいる)人には、その視点がゴソッと抜け落ちてる。ないから、強く言い切れる。そもそも他人のココロの中なんて、誰にも分からないのに。
「嫌われない」から逃れる方法は、どこにもない。どれだけ注意深く見回したところで、見えない所で、誰かには、ちゃんと嫌われてる。もしあるなら、万人に好かれる方法も、あることになる。そんな本、どこにも売ってないでしょ。他人を強いと決めつけて、自分の弱さを肯定されるのも、決していい気分ではないわけで。
ないものは、ないよ。
Date: 17/06/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2121
しいたけとか石井ゆかりとか、僕の占い好きは知る人ぞ知るんですけど、この頃は人間以外の、たとえばネコに対しても「この子は何座なんだろう?」みたいなことまで思い至るようになりました。人間以外にも当てはまるのかは気になるところだけど、正しい正しくない、分かる分からないなんてどうでもいいこと。その視点を持つことで楽しみがひとつ増えた。肝心なのはそれだけ。
Date: 17/06/09 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2120
きのうは三ノ宮でロゴの打ち合わせを終えたあと、地酒が豊富な居酒屋にてご馳走になる。通うにはまだ少し敷居の高いお店。それだけに嬉しい。
目上の方からかなり年下の子まで、付き合いがある。とてもありがたい。強いて共通点を挙げれば、自分自身とちゃんとつき合ってる人(あるいはつき合おうとしている人)が多い気がする。たとえ若くても、それさえ押さえていれば、年齢はほとんど気にならない。年が近くても自分を見ようとしない人はいるから、その逆もあって然り。
自分自身とつき合えていれば、話したいことは何もない。僕が一緒に遊ぶ人は、ほとんど、話したいことがない。相手もだいたい、そんな事を言う。それもそのはず、話したいから会うんじゃなくて、ただ会いたくて会ってるだけだから。そのくせ必ずと言っていいほど毎回よくしゃべる。話したいことはないけど、会いたい。人間ってそんなものね。お酒は最高の口実です。
Date: 17/06/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2119
恥ずかしい。
ブログを読み返していたら、3年前のこんな投稿を見つけた。「破れたカーディガンをお直しに出して取りに行ったら反対の肘も破れそうだった。傷みやすいニットですねえ」みたいな話。この1年後、別のニットの肘も破れることになる。
ここで気が付いた方は、とても勘がいい、そうなんです。破れたのはニットが原因ではなくて、僕の使い方が悪かったせい。思い返せば、当時よく肘をついていた。そのくせブログのタイトルは「気付いてナンボの人生です」とある。全く気付いてなかったくせに、完全にニットのせいにしてたくせに。昔の、大昔の、前前前世の自分ながら相当に恥ずかしい。アホです。
この時がきっかけ、ではないけれど今では「自分にも原因があるかもしれない」視点を持つようになった。自分が正しいと思う(思い込む)時こそ、そう考えるようにしてる。無意識を意識する、を心がけている。
Date: 17/06/05 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2118
何を決めるにも、基準がいる。
ものごとが前に進まない時は、案外、というか結構、いやほとんど、ここが抜け落ちている。いろんな基準でごった返していることもある。基準を決めずに、ただ理想だけが飛び交う。
良いものは高いし、安いものは安いなりの理由があるのに「安くて良いもの」みたいな、水と油の基準を平気で組み合わせたりする。その結果、どこに着地することもなく、ひたすら右往左往を繰り返す。「どうしたいか」がないから、決まることがない。
諦められないから、決められない。全てを満たしたものなんて、どこにもないのに。
Date: 17/06/03 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2117
ひとつの仕事を納めるたび、肩の荷がひとつ下りる。その時はじめて「最後まで緊張を切らさず終えられた」と実感できる。すでにカラダが覚えている類の仕事や、何かしらの理由で緊張を維持できなかった時は、あまり実感がない。緊張を切らさなかったかどうかは、精度にも直結する。おまけに一週間くらい働きたくない欲求にまで直結する(ごく自然な感情です)。
支払って下さった分の役割を果たせたかどうかは、ほとんど、後になってしか分からない。お客さまが喜んで下さるかどうかは、ひとつの通過点。期待どおりの作用を生んでくれるかの方がずっと肝心で、そこクリアできて及第点。それ以上の「予想しなかった何か」まで起きてはじめて合格点。この基準で行くと、仕事を納めても、これっぽっちも満たされることがない。そういうものだから、仕方がない。
役目を果たせた時、もうひとつの荷がやっと下ろせる。そんな事をひとつひとつ繰り返すのがデザインの仕事。そんな事をひとつひとつ繰り返せたら、仕事が仕事を呼んでくれる。目の前のことに、自分の意志でどこまで真剣に向き合えるか、それだけだと思う。今日も長かったひとつの仕事を終えて、一週間くらい働きたくな
Date: 17/05/31 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2116
優れているとか、劣っているとか、「何かしらの基準」があってはじめて生まれる。
人に優劣なんて、神様にだってつけられない。足が速いとか遅いとか、運動会やオリンピックなら、話はまったく別のもの。ひとたび日常に戻れば、足が速いかどうかが、ただそこにあるだけだ。足が速くても偉くはないし、足の速くない人だって、笑顔がとびきり素敵かも知れない。じゃあ、足が速くて笑顔がとびきり素敵な人は?信じられないくらい他人への配慮に欠けているかも知れないよ。いくつ金メダルを持っていても、人そのものに優劣はつけられない。
それでも、つけられないはずの優劣を、つけようとしてしまうのが、人間って生きものだ。あの有名な「DA.MO.NO」だ。自意識と呼ばれる、自分でつくった基準で。自分だけのものなのに、自分以外からは丸見えの、何とも照れくさい基準だ。まぎれもなく、それも自分だ。
Date: 17/05/29 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2115
フォトグラファーのWebサイト。
依頼してくれたはいいものの、当初は話を聞いても支離滅裂で、何をしたいかが全く感じ取れない。その代わり、余裕のなさや焦りがひしひしと伝わってくる。それ以前から余裕を失っているのは分かっていたし、まずは「ゆっくり旅でもしようか」と投げかけてみる。思えばこれが一番のデザインだったように思う。高校の同級生だから、そんな提案も許される。
2泊3日。日常から遠く離れて、ちょっと、では済まない贅沢な旅。大自然を眺めながらのんびり温泉に浸かって、チカラのある料理をいただいて(もちろんお酒はペアリング)、朝起きてもやっぱり目の前は大自然で、半年が経った今でも記憶は鮮明に残る。そんな時間が落ち着きを取り戻してくれたのか、2日目の車の中で「依頼してくれた方の目になりたい」と話してくれた。自己主張しない性格だからこそ言える、ココロからの言葉に聞こえた。
その想いを軸に、それでいて中身はロジカルに。福笑いみたいでおもしろい、だけど中身はマジメなんだよ、という印象を保つための加減だけ手を加えて、それ以外は最大限に素材を活かすことにした。あとは、狙い通りの役割を果たしてくれること、役割以上の役割を果たしてくれることを祈るだけ。
50種類以上ある目のイラストは、奥さんや娘さん、友人、知人に協力してもらう。その方が愛着も湧くし、いろんな人が関わってくれていることを暗に込めてもいる。余裕を失うと、自分を見失うと、どうしてもその視点を失いがちになるから、お守りのような役目にもなって欲しかった。今回のご縁を繋いでくれたり、ご協力くださった皆さんには本当に感謝します。
Date: 17/05/26 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2114
きのうの一日。
100%自分が悪いことについて謝りの電話。午前中には、と約束して9時頃にかけるつもりが、ギリギリの11時半になった。電話をかける直前なんて、心臓はバクバク。なかったことにしたい気持ちも微かによぎった。自分のココロを基準に置けば、人間なんてそんなもの。80歳になっても変わらない確信がある。相手のココロに基準を置けるか、そこに振り切れるか。大事なのはそれだけ。
高島にあるワニカフェでランチ。クルマで小一時間。美味しいはもちろん、カラダに負担が少ない。滋賀にはそんなカフェが多い。おまけに居心地までいいものだから、満席なのもうなずける。少しご主人とおしゃべりさせてもらったあと、読みたかった本を読んだり、手紙を書いたり。長居しているうちに、漁師の方が大きなビワマスを持ってやって来た。帰りに郵便局の場所を教えてもらう。もちろん、間違える。
人と会おうか悩んで、でも少し疲れを感じて、やめた。今はカラダの声を優先してる。守山の仁々木でどら焼きを買って、コーヒーを淹れて食べた。黒いもの同士で仲がいい。風が気持ちよさそうで、録画してた「ダウンタウンなう」を見てから、隣の駅までランニング。お風呂に入る前にメルボルンに住む義理の親戚と電話。メルボルンは僕に合うらしい。元気そうで良かった。
Date: 17/05/24 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2113
連休のあいだ、録画したまま放置していた番組を見たり、収納の中身を整理したり、生活動線を見直したり。気にはなっていたけど見て見ぬフリしてたことに自然と意識が向かう。他人事のように「おもしろいなあ」と感じた。そうか、今は、そこなのか、と。これぞ大型連休のなせる業。すみずみまで目が行き届くのは、すごく気持ちがいい。ちょっとした深呼吸みたいなもの。
健康について考えると、内臓が浮かぶ。ひとつひとつの内蔵が元気に活動していたら、きっと健康に近い状態なんだと思う。10年以上もカイロプラクティックに通うと、こんな発想さえ普通になる。ストレスだって、内臓にすぐ影響するしね。会社に置き換えると、社長もスタッフもみんな元気なら、その会社はとても健康な気がする。そういう存在に、人は自然と集まるもの。
身の回りの内蔵を元気にしようと思う。自分のことなら、まさに内蔵を。空間なら、見えない所を。会社ならスタッフを、パソコンならフォルダを。仕事ならお客さまを。日常なら目の前の人を、それぞれの自意識を。できることは僅かでも、なんとか感じ取ろうとするのが自分の考える関わり方。
Date: 17/05/12 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2112
あと5回くらい行きたいと思っていた矢野顕子×上原ひろみ「ラーメンな女たち」ツアーは、その次の週にも行きました。あんまりにも良かったので、オトナの力でチケット確保。電車にゆられ名古屋へ。前回は3階席、今度はアリーナ。やっぱりいいものはいい。フェスティバルホールの時に一緒だった友達から「ラーメンな男ですね〜」とうまいこと言われる。悪い気分じゃない。
話は変わり、カセットテープ買いました。音楽でもアナログの良さが見直されるこの頃。愛車でカセットとMDが聴けるものだから(なのにCDだけが付いてない)、ものは試しに。そういえば曲の入ったカセットを買うのは生まれて初めて。ものすごく新鮮で、ちょっとドキドキ。曲が聴きたいから車に乗る、みたいな習慣が生まれつつあります。いい気分。
明日から6日間、お休みをいただきます。毎年毎年GWは体力回復に充てていたのに、今年は体調管理に取り組んでいるおかげで、体力はそこそこ回復済み。大変だったけど、やればできるんですね、こういうの。自分で自分を褒めます。「何もしたくない」から「何をしよう」に意識が前を向いてる(まさかこんな日が来ようとは。。)。というわけで、気分って自分次第でなんとかできるみたいです。
みなさんも良いお休みをお過ごし下さい。どうか全力で休んで下さいね。
Date: 17/05/01 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2111
うつで体調を崩した友達がいる。ちょっとした逃げ場のような存在でいた時期があって、このあいだ久しぶりに連絡を取ったら、ずいぶん元気になったとのこと。よかったよかった。とはいえ、その頃からもう一年近く経っている。
うつになりそうな人が増えている。そんな話をすると、だいたい「私の周りもそう」という返事が返ってくる。お取引先の病院で話を聞いても、精神科の患者さんは激増してるんだそう。変な言い方だけど、もうすっかり身近だ。「○○が人気と話題に!」みたいな釣りの見出しより、よっぽど身近な話題。繊細なことではあるけれど、変に距離を置くことでもない。花粉症のように、身近な問題になればいい。
そりゃ、ならない方がいいに決まっている。でも、なったから学んだこともある。AMATAが週休2日の体制を採っているのは、自分が体調を崩したことが背景のひとつにあるし、うつになりかけた経験が「あ、このペースで行くとマズいかも」というセンサーの役割を日々果たしてくれてもいる。そう考えると、どっちがいいのか本気で分からなくなる。付き合いの長い友達は「明日は我が身ですよ」と言う。その通りだと思う。結局のところ、自分のココロは自分で守るしかないんだ。
Twitterで話題になった、この本も買って読んでみました。自分のために、周りの人のために、センサーのひとつとして置いてます。
Date: 17/04/24 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2110
怖い「から」やっていることなのか、怖い「けど」やっていることなのか。怖い「から」やらないのか、怖い「けど」やらないのか。見ているのは今なのか、今より先なのか。自分の言動をひとつひとつ意識すると、おもしろい発見があるかも知れません。怖さの捉え方がその人自身、だったりします。
Date: 17/04/21 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2109
きのうはフェスティバルホールにて、矢野顕子×上原ひろみTOUR2017「ラーメンな女たち」へ。
ライブにしても落語にしても映画にしても食事にしても、余韻まで味わえるものが増えてきてる。運よく出会えているのか、自分の感性が深まってきているのか、そういうものを選び取っているのか、理由はよく分からないけれど、つまりはいい気分に浸れることが多くなったわけです。同じだけの苦しみも味わったご褒美なわけです。
ライブは最高でした、なんて一言では語り尽くせないものでした。ホールの空気で観客みんなが2人を愛してるのが伝わるし、それに応えるどころかその遥か上を飛び越えていく2人のパフォーマンスが圧倒的で、もうなんかたまらない。どんな曲でも「矢野顕子の曲」へと包み込んでしまう矢野さんはまるでブラックホールのようで、感性と技術のカタマリのような上原ひろみの演奏は本人自体がまるで楽器そのもの。ダメだ、全く伝わらない。あと5回くらい行きたいです。
Date: 17/04/17 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2108
誰かのチャレンジを知るのは嬉しい。踏み出すまでのココロの葛藤を想うと、踏み出したこと、ただそれだけで讃えたい。チャレンジには孤独がつきものだから、自分だけじゃないぞって、気持ちがラクにもなる。続くかどうかは、これからだけど、くじけそうな時は、なるべく支えたい。
続けることは、言い換えれば、やめないこと。休んでも、決してやめないでいること。やめない術をたくさん学ぶこと。
Date: 17/04/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2107
ときどきココロが乱れるメールが届く。雑に言えば「イラッとする」メール。そんな時は、ひと呼吸ならぬ「ふた呼吸」置くことにしてます。
故意にそんなメールを送ってくる人いません。僕の周りにそんな暇な人はいない。「イラッとする」の正体は、単に自分に余裕がないだけ。原因は、事情を汲みきれない自分の状態にある。
ココロが乱れた時は、まずプリントアウト。しばらく寝かせて、自分の粗熱を取ります。ほとぼりが冷めたところで、もう一度読み返します。それからスタッフに「○○さんからこんなメールが届いたんだけど、どう思う?」と相談します。これで、ふた呼吸。
やってることは、感情を切り離すこと、客観性を取り戻すこと、考えの選択肢をふたつ以上にすること。ここまですると、ニュートラルになれる。その上で「やっぱおかしい」と思ったら、相手に余裕がない時かも、と思うことにします。決めつけてしまわずに、あくまで「かも」に留めます。
Date: 17/04/12 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2106
「ていねいにやる」みたいな言い回しはどうにも女性的で、自分の辞書には載ってない。「手を抜かずにやる」の方がよっぽど腑に落ちる(かわいげは、これっぽっちもないけどね)。ていねいにやりなさい、と言われても、どうすればいいか分からないけど、手を抜かずに、なら、よく分かるから。自分だけのためなら、よく分かる言葉があれば、それで十分だ。
おもしろいことに、手を抜かずにやることは、結局は、ていねいにやることだ。ていねいにやることは、つまり、手を抜かずにやることだ。出発点が違うだけで、やってることは、どっちも一緒だ。おんなじだけど、違っているだけだ。
Date: 17/04/10 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2105
クロネコヤマトさんが無理しすぎずに続けられるペースが、自分たちの暮らすちょうどいいペースにもなるんじゃないかなあ、なんて。いろんなことが速すぎて、本気でペースをつくるなら、ペースメーカーのひとつも欲しくなる。
速すぎるスピードに慣れてしまうと、何かが見えなくなっていることにも気付かない。いろんな“当たり前”は、誰かの見えない努力で実現しているだけ。そもそもネコって、ダラダラするのが本業なのに。
話題はネコでも、今日はわんわん。僕のことなんて気にも留めず、ずっとこの感じ。気持ちよさそうな姿って、見てるだけで嬉しくなる。見せつけられると、困るのに。
Date: 17/04/07 Photo: iPhone 5
2104
生まれて初めて鳥取砂丘へ。年明けの話。
みんなが知ってる、砂の丘。みんな知ってるだけあって、たしかに感動がある。こどもは靴を脱ぎ捨てて、無邪気に砂と戯れては延々とキャッキャしてる。大人は文字通り「大人しく」どこか体力を温存しながらも、楽しんでいる。それぞれの楽しみ方の違いを見ました。
こどもは無責任でいい。無責任だからこその“キャッキャ”がある。大人も無責任でいい、というわけにはいかない。こどもに何かがあった時のために目を見張ったり、帰りの運転の余力を残しているのかも知れない。ただ単に冷めているだけかも知れない。責任があるかどうかの違いは果てしなく大きい。なにせ“キャッキャ”できるかどうかが、懸かっているんだから。
・・・なんて思いにふけるうちに「童心にかえる隙をうかがう大人でいるか、肝心な時に責任を取れるこどもでいるか、どっちが楽しいだろう」そんな考えがアタマを過る。みんなはどうしているんだろう。
仕事を優先する期間を増やすと、ココロづかいに使える時間と余裕は少なくなる。これはもう変えようのない事実で、仕方のないことでもある。ここ数ヶ月は特に思いが至らないことも多々あったし、不本意ながら不義理してしまうこともあった。その逆に、されたことも同じだけあった。相手も余裕がないんだと分かる。
少し時間が作れるようになって、また連絡を取ってみたり、お詫びをしたり、お礼を伝えたり、そんなことをやってます。今のまま保てるのか、もっと良くなれるか、関わり方を変えるのか、もう関われないのか、そういうのは自分だけで決められることではないけれど、誠意だけは尽くしたい。ココロある人と関わるって、そういうものだと思う。その繰り返しでしかないと思う。
やりたいことより、今やるべき事をひとつでもやる。そうこうしてると、それだけで毎日けっこう忙しいです。何のためにやるかって、本当の意味で自由でいたいから。やりっぱなしはこどもの特権。やるべき事をやりたいことと重ねられたら、楽しみが増えます。
Date: 17/04/06 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2103
松本にあるカウンター8席のおでん屋。そのサイズ感にもかかわらず、日本酒リストには松の司があって「地元の蔵元なんです」と誇らしげに話したのがちょうど一年前。その「松の司」を醸す松瀨酒造さまからWebサイトのリニューアルをご依頼いただいたのが5ヶ月前。公開に至ったのがこの間の1日。どこか連続性を感じずにいられなかった一年間。
そして今また、その松本にいます。おでん屋で知り会った方々に会いに。また会いたいと思った年上の方々に。一年ぶりの待ち合わせ場所は、そのおでん屋「瀞(とろ)」。手土産に用意した「松の司・純米吟醸あらばしり」は、お店にいたすべての方に振る舞われました。一年前とは違う誇らしさと嬉しさで胸一杯。お酒のチカラって偉大ですね。
業種は違えど自分の考え方とも似ているところがとても多く、その揺るぎない信念を伝える場のひとつに関わらせていただいたことはあまりに光栄なこと。全国的にも名高い蔵元だけに、下手なことはできないプレッシャーでしばらく日本酒が飲めない時期もあったし、一段落した時にはあまりの安堵感に思わず泣いてしまいそうにもなりました。自分にもあるんだなあ、こういうことが。その代わり、今の自分たちにできること以上の仕事をさせていただきました。ありがたいことです。
Date: 17/04/03 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2102
やりたいことを仕事にしてる、なんて言う人がいたら、それはきっと嘘です。
エイプリルフールだから「嘘」って使いたいだけなんじゃないかと問われたら、そうですその通り。図星すぎてぐうの音も出ません。それはそれで本音ですけど、それより「やると決めたことを続けている」の方が自分にはしっくり来ます。いい面だけじゃなくて、希望と絶望とが混じって丁度いい湯加減、みたいな。
自分のために自分ができることは、突き詰めると「選んで、決める。」たったこれだけかも知れない。たったそれだけかあ、と、選択肢の少なさに残念な気持ちになる。でもだからこそ、ひとつひとつの決断を大切にしよう、とも。
今日から4月。大きなヤマを越えて、また少し、息を抜きます。会いたい人に、ただ会ってきます。
Date: 17/04/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2101
狂気
狂気っていいなと思う。この前、10年以上お世話になってる治療家が足を骨折して、病院へは行くものの「ギプスはいいです」と断ったという。呆れたけれど、すぐに理解した。自分の治療で治す絶好のチャンスだという。狂気はいつも日常の中にある。そして誰にでもある。狂気っていいなと思う。
寂しさ
日常から非日常に移動するエアポケットはとても寂しい。旅に出るときによく感じる。制服から私服に着替える合間の“裸の自分”が、あらゆる状態の中で一番スキだらけ。その先に「なんでもない自分を取り戻せる時間」があるのだけれど、そこに向かわないと、行きたいのに行けないと、そんな自分から目を逸らすと、乱気流に巻き込まれてしまう。
尊敬
まだ結婚もしていなければ息子も娘もいないので、子育てしながらも勤めている人たちは本当に尊敬しています。中には僕の生き方を羨ましがってくれる人もいて、酷い時には「見下してるでしょう」なんて被害妄想むき出しなことも言われるけれど(この手の発言けっこう傷つきます)、まったくもってそれはないです。自分ができないことをしている人は、どうあれ尊敬します。その代わりに、自分の生き方にも誇りを持っています。そのための努力は続けています。
Date: 17/03/15 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2100
自分の思い通りになるのは幸せなことかも知れないけれど、自分以外の誰かが満たされてない状態なのかも知れない。独りよがりなのかも知れない。
自分の思い通りじゃなくても「それもいいね」と受け止められたら、いろいろ楽しくなってくる。かつての名言「思てたんとちがーう」も、まるで反対の意味になる。
Date: 17/03/09 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2099
起こり得る最悪のケースを想定して、言いにくいことまでしっかり伝えてくれる。責任感のある、とても誠実な態度に感じる。自分もそんな人でありたいと思う。
細かいことに取り組めば取り組むほど、大雑把な性格に惹かれる。自分の性格では絶対に辿り着けないから、皮肉でもなんでもなく、ココロの底から憧れる。本気で羨ましく思う。
自分が「こうなりたい」未来の姿と、自分が「こうなれない」諦めた姿。“魅力”の正体って、その辺りにあるんじゃないかな・・・なんてことをフワフワ考えてるうちにリセットも無事に完了。気持ちに余裕があればあるだけ、人にやさしくいられる。
Date: 17/03/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2098
年明けから仕事が慌ただしくて、今は仕事中心の暮らしを選んでます。
なるべくカラダを休めるために、魅力的なお誘いもいくつかお断りした。遠出したい気持ちもグッとこらえた。会いたい人にも満足に会えていない。おかげで仕事は順調だし、毎年苦しんできた確定申告の準備も事なきを得た。選ぶとは、何かを諦めること。
その代わり、そんな生活を2ヶ月続けるとさすがに限界も来るもので、いまリフレッシュの旅に出ています。カラダとココロのリセット。先はまだまだ長いから、ここらで小休止。冷静な判断力を失うと、自分の役割が果たせなくなる。ギリギリの状態で仕事を続けても、自分も周りも誰ひとり幸せにならない。2ヶ月と言わず月に一度は、しっかり休んだ方がいいかも知れない。
人と比べてアタマの回転が早くて、深くも考える(らしい)。取り柄だと思っているけど、見方を変えれば、その点について“人並み以上に瞬間のエネルギーを使う”ということでもある。そうだとしたら、長時間の労働には向いてない。ずっと「なんでこんなに体力ないんだろうか」と思ってたけど、やっと腑に落ちた。
いいところは悪いところだし、コンプレックスは愛されるところ。それにしてもここは、いいところ。なんでも諸刃の剣だなあと思います。
Date: 17/03/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2097
この前、友達に予定をドタキャンされる。大して傷つくこともなかったけれど、ただ「気にしてないよ」と言うのもかえって気を遣わせてしまうかも知れないから「悲しい、けど許す。」みたいな伝え方をした。自分の気持ちは伝えるけど、うしろめたい気持ちも残して欲しくない。その2日後、「ゴメンね」の手紙が届いた。そういう関係でよかったと思う。お互いさまがいい、許し合おうとするのがいい。
きのう、数ヶ月間ずっと謝れなかった人に時間を作ってもらって謝る、ということをした。許してもらえるかなんて分からないし、それはそれは緊張もした。でも今はそういうこと、ひとつひとつ乗り越える時期。3年越しに謝ってくれた友達が背中を押してくれたのかも知れない。そういう人が現れてくれるってことは、きっとそういうタイミング。
大きな理想を掲げる人より、仕事のできる人より、キラキラして見える人よりも、言いにくいことを伝えてくれたり、悪い事したらちゃんと謝れる人の方に僕は惹かれる。自分をごまかさずに、ちゃんと。見せかけじゃできない、絶対に。
自分のせいにしなかったり、自分の中でだけ謝ったつもりにしたり、なかったことにしたりは、もうおしまい。許せないこともたくさんあるけど、ひとつでもたくさん許せる人でいたい。
Date: 17/02/23 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2096
39歳になりました。
毎年この日は、一年前の自分が何を考えていたのか振り返る。僕は「姿勢を変える」と書いてました。今までと違ったのは、少なからず「若いなあ」といった気恥ずかしさがあって当たり前だったのが、今回はなかった。まるで数日前に書いたばかりのような地続き感があった。肉体的にも精神的にも、この言葉を糧にしてきた一年だったからと信じたい。
姿勢を変えると、今まで関わってきた人とも、また違った角度で関われるようになる。自分自身が「何者でもない」と悟ると、他の人もそうなんだと分かる。何者でもないはずなのに、何者かであろうとする人からは、その内側にある心情が分かるようになる。何者でもないけれど、何者でもないから、人は誰かと関わろうとする。
自立しようとする人、やたら早起きする人、免許はあるけど高速に乗れない人、うまく言葉にできない人、離れても時々思い出してくれる人、独りを楽しめる人、本が読めない人、義理の親戚と呼んでくれる人、どこまでも鈍感な人、チャレンジを続ける人、いま何かに気付いた人、うまく馴染めない人、一日に映画3本も観られる人、無意識にすり替える人、信念を貫く人、「分かってくれそう」と頼ってくれる人、不毛な会話を楽しめる人、決断しない人、ネコと別れて傷心中の平僧、自信の持てない人、ワイパーに気付かない人、やたら尊敬してくれる人、一度ココロを壊してやり直してる人、カプセルホテルに惹かれる人、歯を食いしばってる人、魅力に気が付かない人、陰ながら見守って下さる人、自分に素直じゃない人。いろんな人がいる。それぞれ、どこか変わってる。もちろん僕も、その一人。変わってて当たり前。
いろんな人が周りにいてくれるから、自分が見えてくる。自分が見えてくるから、人に何ができるか見えてくる。そんな対話ができることが、ものすごく幸せです。いつもありがとうございます。
いろんなカタチで気持ちをいただく機会が年々増えて、それぞれお礼がしたいと思いながら、今なぜか休日出勤している始末です。おかげさまで慌ただしい日が続きすぎて続いています。風邪も引かず元気でやってます。
会いたい人がたくさんいます。春になったらまた遊んでやって下さい。音信不通気味ですが、大切なものは何ひとつ変わっていません。どうぞよろしくお願いします。
Date: 17/02/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2095
一年前に相談に乗って、それまではとにかく自分を大きく見せることばかり考えていた子が、一年経って「芯」を感じられるようになっていた。厳しい現実を突きつけた末に「変わりたい・成長したい」と、自分で立てた目標に地道に、時には泣きながら取り組み続けて、その結果としての今がある。
事あるごとに妄想の世界に逃げ込んでいた子の口から発せられた「それも現実ですよね」なんて言葉は、まるで夢のよう(ややこしい)。僕の想像なんて優に超えるほど、ものすごくばんがったんだろうなと静かな感動がありました。そういうの、なんかこう、ココロがじんわり喜びますね。やっと繋がってきたな、と感じます。今日も救われてます。
Date: 17/01/25 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2094
初心よりも初心にかえって、ひとつひとつ向き合ってやってます。口数というか、外に向けた言葉も減ってきて、それが理由で更新は滞っています。春まではほとんど書かないかも知れません。病気することもなく、すこぶる元気です。愛と勇気だけが友達です。
今年から「肘をつかない」にもチャレンジして、さらに姿勢をととのえ中。楽しくないこと以外は本当に楽しいことだらけ。お仕事お待たせしている方には本当にご迷惑をおかけしています。少しずつでも着実に進めています。
寒い日が続きますね。
Date: 17/01/20 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2093
新年明けましておめでとうございます。
3日前から仕事を始めて、あらためて「働くって疲れるんだなあ」と実感します。そうか、正月って「正気でいられる月」なんだと勝手に悟ったりもしてます。こんなに疲れることを週に5日も、それを毎年毎年50週以上も繰り返しているんだから、人間はなんとすごいことをしてるんだろう。もっともっと自分を褒めてあげないと。
今年はまずこの「疲れ」をコントロールしながら、引き続きカラダと向き合います。去年は地道にココロを鍛え続けて、次はカラダの方を念入りに。アタマは慣れる(と思い込む)ことはあっても、カラダは慣れない。そうやって自分自身と向き合いつつ、チームとしてのAMATAも強くする。自分が積み上げた実感を、チームというカタマリにも落とし込む。そんなことをやります。
今年もまた一年このブログにもお付き合いください。どうぞよろしくお願いします。
※いろんなウィルスが流行っているようです。くれぐれもご注意くださいね。
Date: 17/01/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art