1482|普通にしてるだけなのに
「はやっ」
3回に1回くらいの頻度で言われます。電話の話。出るタイミングが平均より早いらしい。呼び出し音を聞くことなく出るらしい。玄関のチャイム押した途端にガラガラッと扉開いて「うあっ!」みたいな、不意を突いているようです。
でも、僕自身はいたって普通。着信があれば取っているだけ。仕事中は手が届くところに置くのは不思議でも何でもないし、早押しクイズみたくコンマ何秒を競うため四六時中iPhoneとにらめっこしてるわけでもありません。なんなんだろ?あんまり似合ってない服なのにベタ褒めされるような、変な気持ち悪さがいつもあります。だからといって意図的にゆっくり出ることも気持ち悪くてできないのです。
Date: 13/07/31 Photo: AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED
1481|AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED
魚眼レンズ(フィッシュアイ)買いました。この間Webサイトを公開した丸商ホームデザイニングさまの内観写真に、こんな遊び心も欲しいと言うことで。偶然のきっかけとは言え、ついに手にする日が来ました。
仕事抜きで言えば、僕が一番好きなレンズは標準レンズ。広角も望遠もいいけど、どれかひとつをと選ぶとすれば、迷うことなく標準。なるべく見たままを切り取って伝えたい。「自分の眼=カメラ」な考え方。その点でこのレンズは対極にある存在で、はっきり言って面倒くさい。いちいち「俺が俺が!」と、自分のゆがんだ主張をグイグイ放り込んでくる。面倒くさいのは自分だけでお腹いっぱい。
でもだからこそ、思ってもなかった写真が撮れる。自分の想像を超える何かに出会える可能性がある。これからどう楽しもうか考えているところです。
Date: 13/07/29 Photo: AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED
1480|ゾーン
先週は俗に言う「ゾーン」の状態ですこぶる調子が良く、息つく間もなく次から次へと仕事をこなせていました。自分でも驚く切り替えの速さで。いつもなら、仕事と仕事の間には多かれ少なかれインターバルを取ります。案件ごとに頭やカラダの使い方が違うため、その切り替えのための時間として。あの期間はその必要が一切なかった。その上いつもより高い精度で。
そんな集中状態にありながら、ずっと続かないことは分かっていたし、スタッフにも「どっかのタイミングで反動来るからね〜」とやんわり告げておき、今、その反動が確かに来ています(笑)張り詰めていた糸がプッツリ切れています。冗談でも「キレてないっすよ」とは言えない。そんな時は無理をせず、やることだけやって回復を待ちます。だいたいこの繰り返し。
Date: 13/07/27 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1479|東北(19)東北の旅まとめ
今回の旅では、震災を経験しながらもその地に残って生活する方と接することが出来ました。前回も何人かの方とお話することは出来たけど、立ち話の延長線上で、時間もごく短め。今回はそれぞれの場所でお酒を交わしながら、じっくり聞くことができました。本当にありがとうございました。この場を借りて改めて感謝します。有意義なだけじゃなく、とても楽しかったです。
住んでいた家や環境を失ったり、身内や仲の良い人を失ったり。自分に置き換えて想像するも、どうしてもイメージできない。自分の想像力の乏しさを悔やむ。いわきでお世話になった旦那さんに「それでいいんじゃないの?」と言われて少しラクになったと同時に、経験したことからしか想像力は働かないことを痛感しました。でも今回、この地に住む人ひとりひとりに痛みや恐怖、悲しみ、苦しみがあることは、身にしみて感じることができました。昔、北野武が「被害を一括りにして考えない方がいい。ひとりひとりにとっての事件が何万件もあるんだ」みたいな事を言っていて、それは頭では理解していたけれど、やっと身体でも理解できました。それだけでも行ってよかった。
僕が出会った人は皆、前を向いていて、きっと見えないところでは苦しみや悲しみを背負っているに違いないのだけれど、眩しいくらい前を向いているようにも見えました。「生きていることは当たり前じゃない」という事実を、心の底から分かっている人たち。生きることに対しての覚悟やそれぞれが信じるもの、それがまっすぐ伝わってくる。未来に対して向けられた強い線のようなものが。そんな人には自然と惹かれます。だからどうしても関わっていたい。少しでも力になりたい。それこそ「東北」に対して何かすることが出来なくても、そこに住む一人に対してなら、僕にだって出来ることはある。だったらそれを続ければいい。何ひとつ難しいことなんてない。
気仙沼の復興屋台村に行った時、「みんなで来たいなぁ」と思っていました。みんなって具体的に誰?なんですけど、とにかくみんなで。大勢で。今回もいろんな所で言われました、「来てくれてありがとう」って。行っただけで喜んでもらえる場所、ないですよ。逆に元気をもらえる場所なんて、そうないんだよ。
残念ながら仕事での関わりを持つことはまだ出来ていないけれど、今度は春にでも3度目の旅に行こうと考えています(6月は仕事が忙しすぎるので変更)。体力も使うし、もう長いレポートはやめようと思っていたけれど、懲りずにまたやってしまいました。伝えたいことが多すぎて。
明日からまたいつも通りのブログに戻ります。すべて読んで下さった方、時々読んで下さった方、ひとつでも読んで下さった方、ありがとうございました。
Date: 13/07/26 Photo: iPhone 5
1478|東北(18)岩井崎(三陸復興国立公園)
最終日に立ち寄った、気仙沼の岩井崎を紹介します。岩井崎は青森県から続く国立海岸公園の最南端にあたる場所。看板には「陸中国立海岸公園」とありますが、現在は三陸復興国立公園と呼ぶそうです。この場所も伊藤さんが教えて下さったようなもの。
iPhoneで撮影したパノラマ写真3種盛り。どうですかこの景色?僕は一瞬で大好きになりました。この場所にいるだけで、いろんなことから解放される気分。ちっちゃい悩みなんてどうでもよくなる。何もないと言えば何もないけど、心地良すぎて少しも離れたくなかった。初日に来なかった自分の段取りを恨みました。その意味でここにはすべてが揃っている。何でかは自分でも分からないけど、「最期はこの場所にいたいな」なんて自然にそう思いました。生と死を感じる場所。
絶景をバックに奥さまを撮影する仲睦まじい夫婦がいました。
ひとり散歩を楽しむ方もいました。
岩場で釣りに興じる方もいました。
ゆるキャラ「ホヤぼーや」もいました。
なんかもう見渡す限り絶景でした(続きます)。
Date: 13/07/25 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G + iPhone 5
1477|東北(17)気仙沼横丁の夜
2日目の夜ごはんは予定通り復興屋台村「気仙沼横丁」へ。いい雰囲気。これだけで気持ちが盛り上がります。
明るい時間に前を通った時「どのお店も気になって、消去法が一切使えない。」と書きましたが、この後に知り会った伊藤さんがオススメのお店を教えて下さり、薦められるがまま「男子厨房 海の家」へ。
牛タンも食べたし、懲りずにまたお造り。手前のグラスは白ワインに見せかけて日本酒(最近このスタイル流行ってますね)。初日のお造りも美味しかったけど、このお店のもまた違った美味しさ。奥に見えるのは「貝焼き」という、東北で親しまれている料理。これはイカの貝焼き。旅館の食事のように固形燃料で熱します。バターと醤油ベースのやさしい味付けが、疲れの溜まったカラダの隅々まで染み渡ります。お〜いしい〜。
食べ終えた貝焼きは、おじやに生まれ変わって再登場。これがたまらん美味しさ。思わず「美味ーい!」と声が出てしまったほど。野菜のダシやらイカの肝の旨味やらが相まって、何とも幸せ気分。
おじやって、まぁだいたい美味しいじゃないですか、普通。もともと平均点高いんですよ。それなのにこのおじやは、その先の世界に連れて行ってくれました。目から鱗の世界。実際このおじやがきっかけで他のお客さんとも会話が弾んだし、美味しいものの力ってホントすごいなー。
ちょっとだけ店内の雰囲気も。ごちそうさまでした。また行きたい(続きます)。
Date: 13/07/24 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G + iPhone 5
1476|東北(16)米倉涼子と旨味太助
両替に立ち寄った仙台のとある銀行で対応してもらったのは、なんと米倉涼子!なんで銀行に?しかも仙台。なんでなんで??さすがに油断しきっていて、そこまで興味ないのにさすがに驚き。あービックリした。いるんですねぇ、同姓同名。
窓口のおば様でした。こういう話ってクラスで盛り上がった話みたいに、その場にいて初めて共有できるみたいなところがあって、文章だけでは興奮がなかなか伝わりませんね。かと言って写真撮るような無粋はせず。僕のテンションが少し上がったのはホント。
肩すかし食らわされた!なんて思わず、気を取り直して今回は2日目のお昼ごはん。気仙沼に行く途中、仙台で一休み。となれば食べるしかないでしょう。はじめて訪れたのはここ「旨味太助」。音だけで聞かされたら「味の素」を連想しそうな名前。
見事な貫禄。見た目からすでに美味い!食べるともっと美味しい!コールスローもテールスープも言うこと無し。写真は無いけど厨房がこれまた美味しい。すんごいの置いてあった。
シズル感をあなたに。牛タンは地元の人もよく食べるみたいで好感が持てました。地元に根付く料理ってすごく好き。でも近所でも食べたいなーと毎日思ってます。なんで関西にないんだ!あるのか?!(つづきます)
Date: 13/07/22 Photo: iPhone 5
1475|東北(15)アンコウと目光
いわきの夜のこと。細い通りを抜け、その先にあるお店へ連れて行って下さいました(この通りもすごく気になる)。
盛り合わせ。もはや説明なんて必要ありません。キュウリ!大葉!わさび!大根のツマ!旬の野菜がいっぱい!美味しかったなぁ、こんちくしょう。
変わりダネで、アンコウ。アン肝とかアンコウ鍋は食べたことあるけど、こんなカタチで対峙するのは初めて。おそらく蒸して冷やしてある。コクがあるのにさっぱりして美味しい。
もひとつご当地ネタ。「目光(めひかり)」というこの魚。きっと目が光ります。近隣のSAでも目光をモチーフにしたお菓子が売っていて、地元では相当身近っぽい。これがもう、たまらん美味しさ。ご飯もお酒も一通り楽しんだタイミングで出てきたのに、一口かじると目の覚めるような美味しさ。きめ細かい身がアツアツのまま口の中でホロリほどけて、目が光ったのはむしろ僕たちの方。思い出すだけでニンマリ。
こんな大きさ。終始ご機嫌の旦那さん。まるで釣ったばかりのようなジェスチャー(実際はカラリと揚がっているのに!)。
こんな夫婦。いい夫婦。1122。いわきの夜は最高でした(続きます)。
Date: 13/07/20 Photo: iPhone 5
1474|東北(14)LCC
話は東北出発日に遡ります。ここからは気楽に楽しんで下さい。第2章お気軽編。朝も早よから関西空港へ。
今回は一人じゃなくデザイナー仲間と一緒に行きました。高速バスを卒業し、人生初のLCC(Low Cost Career)を体験。この2つが前回との大きな違い。LCCって「サービスなし」の印象が強くて、CAさんジーパンタメ口かと思ってたけど全然そんなことないですね(それはさすがに極端だけど)。不安だった座席の狭さも90分に満たないフライトでは全くストレスなし。9時を待たずして、あっという間に仙台。利用しない手はないです。
機体に書かれた「Peach Dream」も何となく気に入って、言葉の最後にDreamって付けたら何でもロマンティックになることを教えてくれました。そんなPeachの機体、どう見ても紫色です(続きます)。
Date: 13/07/19 Photo: iPhone 5
1474|東北(13)石ノ森萬画館〜石巻駅
石ノ森萬画館へ。おぉ、人がいる。すでに賑やかな空気を感じます。
やっぱり賑やかでした。石巻ローカルのヒーロー「シージェッター海斗」も人気。
去年の状態。
あいにく館内の撮影はほとんど出来ませんでしたが、この萬画館、期待していた以上に面白い。石ノ森漫画のキャラクター達はもちろん、漫画のことも詳しく学べたり、内容はすごく充実しています。ご覧の通り懐かしのヒーローとも対面することが出来ました。大人も子供も楽しめます。時間があまり無くて、かけ足でしか見られなかったのが本当に残念。
コインロッカー。細かいところまでいちいち楽しい。規模は違えどディズニーランド並みに高いクオリティ。来場者を冷めさせない。エレベーターの声にもひと工夫ありました。
萬画館を出て、歩いて石巻駅へ向かいます。ここは前回ステキなおじさん達と出会った思い出の橋。駅とは反対方向で、タイムオーバーで向こうへ渡ることは出来なかったけれど、少しだけキレイになっていました。
去年の状態。
駅周辺。ここは商店街。004(アルベルト・ハインリヒ)は今日も見守っています。
石巻駅到着。駅には003(フランソワーズ・アルヌール)。震災のレポートはひとまずこれで終わります。ひとまずお付き合いありがとうございました(でも続きます)。
Date: 13/07/18 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1473|東北(12)石巻へ
最終日。気仙沼に別れを告げ、最後は前回行った石巻へ向かいます。気仙沼は次回も行きたい場所になりました。
途中、南三陸周辺の様子。
トラックも頻繁に出入りして、黙々と工事が進んでいました。
こっちは去年の周辺写真。この違いはすごく大きい(→もっと写真をご覧になりたい方はこちらをご覧下さい)。
そして石ノ森萬画館へ。ガードレールは被害の跡をくっきりと残していました。でも、萬画館は再開しています(続きます)。
Date: 13/07/17 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1472|東北(11)第18共徳丸
話は前後しますがキャンドルナイトにお邪魔する前、伊藤さんと一度別れて「第18共徳丸」のある鹿折町まで歩いて向かいました(今回もストリートビュー感覚でご覧下さい)。
港から750メートルも離れた市街地に打ち上げられた、全長60メートルの姿。いわき市の船だったのか。。。
仮設のセブンイレブンがすぐそばに。ここでしか見ることの出来ない唯一無二の光景。
最後はギガンジウムと一緒に。この旅の少し前、フラワーコーディネーター「Rosetta*H」の2人から教わった花の名前。知っている花があるだけで気分が和らぐ。共徳丸はすでに解体される方向で話が進んでいますが、未来のために残そうと取り組みを行っているのも伊藤さん。残したい想いと、残して欲しくない想い。そのどちらの言い分も理解できるのに、片方の想いを捨ててでも前に進まざるを得ない現実の厳しさに、やりきれなさを感じます。
Date: 13/07/13 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G + iPad mini
1471|東北(10)気仙沼の夜
この写真を撮ったのが伊藤雄一郎さん。伊藤さんご本人もこの場所にいました。伊藤さんはこの土地に住む僕より年上の男性で、震災を経験しています。カメラマンというわけでもなく、この場所から気仙沼の「今」を発信し続けています。この空間に入るやいなや気さくに話しかけて下さり、2年前に起こったことから最近のことまで、ここでは伝えきれない事実をいろいろと教えて下さいました。その上「今夜キャンドルナイトするから良かったら一緒に飲もうよ?」とまで声をかけていただき、遠慮なくお言葉に甘えさせてもらいました。
伊藤さんが作った風の広場。今いる建物からすぐの場所にあります。住宅の基礎が残るこの場所で、ひときわ目を引く空間。中央の時計は地震が起きた14:46を指しています。伊藤さんはこの場所を鎮魂の場として、気仙沼のシンボルとしてずっと守り続けています。
キャンドルナイト。伊藤さんを中心に、初めましての方が集う、新鮮な時間。夕方の続きとばかりに、夢のある話から思い返すのもつらい事まで、いろんな話を聞かせて下さいました。しゃべくり大好きの僕も終始聞き役。詳しいことは、機会があれば改めて伝えます。簡単には、書けない。
壮絶な経験の先に芽生えたまっすぐな覚悟と気仙沼という土地や人、環境への愛を感じて、ひとりの人間が持つ力ってすごいなって、その時あらためて感じました。初めてお会いしたばかりなのに、伊藤さんとはしがみついてでも関わりを絶ちたくない、そんな気持ちでいっぱいでした(続きます)。
Date: 13/07/13 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1470|東北(9)気仙沼散策〜その2〜
散策は続きます。ここは復興屋台村の「気仙沼横丁」。この日の夕食はここと決めていたので、下調べも兼ねて。提灯や色とりどりののぼりが立ち並び、賑やかな雰囲気が演出されていました。
これだけのお店が出店しています。飲食店だけでなく、おみやげや鮮魚のお店など全部で20店舗。どのお店も気になって、消去法が一切使えない。一日ですべてのお店を制覇するなんて不可能だし、迷いに迷います。困った。
横丁でネコたち発見。かわいい。・・・とにかくかわいい。
散策を続けると、こんな記事が貼り出されている建物に遭遇しました。気仙沼のことが詳しく、厳しく、それでいて前向きに書かれています。記事もさることながら、どうしても気になったのが写真。なんで魚眼レンズなのか。オーソドックスな広角レンズで撮るのがこの手の記事ではセオリーなのに。気になりすぎる。
数時間後の写真になりますが、この記事が貼り出されていたのは、こんな状態の建物(菓子舗サイトウ)の1階。被害の生々しさが残っています。写真は撮り損ねたものの、2階で写真展をやっていると書かれていたので、意を決して階上へ。
2階の様子。気仙沼を被写体にした大きな写真がいくつも。ここでもやっぱり、フィッシュアイ。この場所で伊藤さんと出会います。この日が忘れられない日になったきっかけを作って下さった方です(続きます)。
Date: 13/07/11 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
Date: 13/07/10 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1468|東北(7)気仙沼到着
視界は悪いけど、看板に気仙沼の文字が見えてきた。もう少し。
この日宿泊する「一景閣」に到着。建物こそ壊れなかったものの、このホテルも例外なく津波で被害を受けたようです。それでも2012年5月15日に営業を再開。となれば泊まるしかない。
部屋から見た景色。これには参った。気仙沼より北の陸前高田でも同じくらい甚大な被害を見たけど、この角度から見たのはおそらく初めて。営業再開したホテルに嬉しい気持ちをもらった矢先に、厳しい現実を突きつけられました。
チェックインを済ませ、陽が落ちるまで散策。初めての土地にいろんな感情が湧きます。カルガモはいつ見ても癒される。
Date: 13/07/08 Photo: Nikon D300 + Nikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1467|東北(6)気仙沼へ
2日目。いわきの友達夫婦と別れを告げ、はじめての気仙沼へ。まっすぐ向かっても5時間近くかかるロングドライブ。この移動時間だけはどうしても短縮できない。それなら途中休憩しながら道中を楽しむのが正解。ちなみに今回のレンタカーは松田デミ男。窓口の女性が「豊田」さんだったのが印象的。おしい!宮城県。
ここは南三陸周辺。この橋はおそらく一年前と同じ状態。天候も似たような感じでした。この景色との組み合わせは少しだけ気が滅入ります。
違っていたのは、今回はたくさん重機の姿を見たこと。重機マニアでもないのに、見るだけで嬉しい気持ちになります。
あちこちで。そこに人が関わっていることが何よりの救い。人こそが希望。
「過去の津波浸水区間」の表示。前は「過去の」なんて書いて無かった。「昔はこんな所まで津波があったんだよ」というニュアンスなのか、事実は事実として刻み、今は前を向いて行こうという意思表示なのか、はたまた「こんな津波は2度と起こらないけど」という意味合いか。津波に対するこの先のスタンスがこの一文に集約されている気がします。その真の意図を知りたい。(続きます)。
Date: 13/07/06 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1466|東北(5)いわきまとめ
今回お世話になった友達夫婦は、いわきに住んでいます。自分たちで決めて、住んでいます。たった一日だったけど、放射能と向き合う姿勢を垣間見ました。関西に住む僕みたいに、自分の環境が安全なのか分からないまま曖昧にして日々を過ごすことなく、なるべく安全に暮らすため、できるだけの情報を集め、できる限り具体的な対策を取っていました。
どっちが安全か本気で分からなくなる。
新聞に載っている地域別の放射線量を毎日チェックし、水や食べ物など、口にするものに対して決まりごとを作るのはもちろん、放射能そのものや内外の被曝について聞かせてくれたことは、まるで専門家と話しているようでした。「海と川の浸透圧の違い」の話まで出てきた時には、感動すら覚えました。
それは覚悟を持ったからこその行動で、至ってポジティブ。現に2人とも楽しそうに見えました。過去に起こった想像を絶する体験に僕は何も言えないけれど、それでも「前向き」という言葉が似合うんです、本当に。そんな二人も、いわきに住み続けることを簡単に決めたわけでなく、職を変えてでも他府県に移住する考えも当然持っていました。悩みに悩んだ上での選択。それはもう「生き方」で、誰がとやかく言うことじゃない。ただ僕は二人が大好きだから、いわきにはきっとまた遊びに行きます。
この場を借りて改めて本当にありがとう、さとことsing a song.
Date: 13/07/05 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G + iPhone 5
1465|東北(4)
近づけるところまで近づいたその帰り道、今度はゴーストタウンと化した商店街を通りました。警戒区域で放射線量が高い場所につき、窓を閉めた車内からの撮影。
こんな有様で人っ子一人いない。人気(ひとけ)の少ないシャッター通りがかわいく思える。同じ日本とは思えない光景。
次は環境省が管理する仮置場。「〜大師作」とあるので、偉い作家が作ったのかと思ったら土地の名前でした。「かみこばなだいしさく」と読みます。
またしても見かけない光景。除染した土を収納した袋で囲いを作っているっぽい。中を空洞にしているのは何か意味があるんだろうか。調べたらこんなページがありました。これができるのかな。
→除染について理解を深める(除染情報プラザ)
別の角度から。仮置場の写真は車を降りて撮っています。放射線量高めのエリアに違いないので、かけ足で。
この様子だと、これからどんどん増やしていくみたい。一体どうなっていくのか(続きます)。
Date: 13/07/03 Photo: Nikon D300 + Nikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
1464|東北(3)
小名浜を後にして、今度は福島第一原発・第二原発のある双葉町方面へ。近づけるところまで車で連れて行って下さいました。
見た目には被害を免れた小名浜の家々。でも、被害は見た目だけにあらず。
いい景色。移動の7割はこんな眺めでした。本当に癒される。奥には仮設住宅が見えます。
反対車線だけ妙に交通量が多くて不思議に思っていたら、どうやら原発作業員の方が仕事を終えて戻っているらしい。実際、作業服を着たまま乗っている人もいました。
電光掲示板には「この先→特別警戒中!」の文字。つまりここは警戒区域。パトカーも本当に多かった。言うまでもなく、奥の豚丼屋は営業していませんでした(続きます)。
Date: 13/07/01 Photo: Nikon D300 + Nikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G