2018

sizzle

かつくら(とんかつ屋)好きでよく食べに行くんですけど、注文して待っている間に、ソースに混ぜるゴマをじぶんで摺るシステムになってるわけです、すり鉢でゴリゴリと。分からないなりに、じぶん好みの摺り加減にするわけです、ゴリゴリ、ゴリゴリと。

この間、脳科学について書かれた池谷裕二さんの本を読んだら、生き物って、同じ食べ物でもひと手間かけた方が価値を感じるんだそう。全く同じ味のラーメン屋があったとして、家の近所よりも、離れたところにあるお店の方が美味しく感じるんだそう(時間をかけた手間を脳が正当化するから)。

そんな事実を踏まえると、ゴマをゴリゴリする行為にもしっかり価値があるわけで、単に摺りたてがフレッシュだからとか、美味しさの理由はひとつだけではないみたい。やるなあ、かつくら。ゴリゴリ。

バルミューダのトースターもそう。リベイクの前に、毎回必ず5ccの水を入れる。庫内をスチーム状態にする目的はもちろんのこと、ここにも「ひと手間」があります。冗談でも何でもなく、最近は食べたいより「焼きたい」が先に来ることもあるから、愛着ってきっとそういうことなんだろうなあ。いろいろ知ると、おもしろいです。

↓池谷裕二さんの著書はこちら。

Date: 16/02/27 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2017

well-lighted

週末は「市民の会しが」キックオフ集会に参加してきました。

僕はハッキリ言って政治に疎い。人によって地域によって環境によって意見が違いすぎて、何が正しいのやら分からない。アタマでは何かしなきゃという意識はあっても、遅くまで働いたあとに、暗いニュースを知ろうという気にもならない。

そんな自分をよく分かってるから、去年あたりから、市民として精力的に政治に関わっている知人に活動の場を見せてもらったり、座間宮ガレイさんの話を聞きに行ったり、少しずつ少しずつ関わりながら、自分が身を置ける場所を見つけようと動いていて、やっと出会えたのが、この市民団体。ここには信じられる人がたくさんいます。自分ひとりでは何もできないから、思い切って渦中に飛び込んでみようと思って。

僕みたいに「何かしなきゃ」と思っている人は多いと思う。僕みたいに「恥はかきたくない」人も同じだけ多いと思う。大前提に「めんどくさい」もあるはず。まとめると「恥はかかずに面倒じゃない範囲で関わりたい」。うん、こりゃダメだな。自分に言い訳するくらいなら、僕は恥をかくことを選びます。

もう少し知識をつけてから、なんて思ってもいたけど、いつまでたってもそんな自分は出てこないし、時間だけは日々刻々と過ぎていくし、自分たちが中心の時代だし、じゃあ何を捨てるかって、自分の小さなプライドしかなくて。自我を捨てると、姿勢はちゃんと変わってくれる。

そんな状態なんですけど、そんな状態でも、チカラになれることはあるみたい。単なる“野洲市民”としての参加だけど、仕事で培ったデザインの視点でお役に立てることもあるかもだし、何かしら「つなぐ」役割になれたらと思っているところ。

正式名称は「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」です。

Date: 16/02/24 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2016

jacaranda

スタッフの話。

去年から、家族にバレンタインチョコをあげるようにしたんだそう。でも、実際の反応は今ひとつどころか今ふたつで、正直「思てたんとちがーう!」だったみたい。せっかく選んで買ったのに、よかれと思ってのことなのに。その事実を受け止めて、今年は相手が喜びそうなものをそれぞれリサーチしてプレゼントしたところ、それはそれは喜んでくれたそう。「喜んでくれたのはすごく嬉しい、でも、自分の満足度としては去年の方が高かった」と。ははは。

この話、数年前までの自分にも思い当たる。

自分のデザインに満足している節が多々あった。その分きっと、お客さまの期待に応えることに集中できていなかったと思う。とあるきっかけがあって、今ではそんな気も消え失せて、どうしたら期待に応えられるか、そんな風に考えるようになりました。心境が変わってからというもの、仕事ひとつ納めた時に喜びは感じなくて、期待した効果を得られた時にはじめて「あぁよかった」と思えるようになる。料理人がお客さんに「美味しい」と言われてはじめて喜ぶ、あの感覚みたいに。品質も昔より上がったように思う(※個人の感想です)。

自分が褒められるより、認められるより、相手に喜んでもらいたい。その気持ちが「自分なくし」へと繋がる。僕も根っこは、我が強いから。

そうは言っても人間だから、どこかで褒められたいし、満たされたい。ベテランのお坊さんみたく生きられない。それをどこでやるかと言うと、誰かと呑んでる時だったりSNSだったり(一緒にいるだけで満たされる、ありがたい人もごく稀にいます)。笑いを取ろうとすることに関しては、お子さまだろうがパイセンだろうが誰だろうが、ここぞとばかりにエゴ全開なのが自分。それもたぶん、過去のコンプレックスとも関係あるんだろうなあ。

人それぞれいろいろあるから、飽きることがありません。

Date: 16/02/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2015

signal

「自分に自信がない。」いろんな人から、この言葉を本当によく聞きます。

おもしろいことに、そんな人に限って我が強い。最初は「我が強いのに自信がないなんて矛盾してない?」なんて風に考えていたけど、そうか、我が強いって、譲れないものが多い人なんだ。「私はこんな性格ですが、お気に召しますでしょうか?」ってことか。そりゃ、怖くって自信なんて持てるはずもない。むしろその状況で持てる人の方がすごいというもの。

逆に考えると、自信があるように見える人は、譲れないものが少ないってことかな。仕事で貯めた“自信”という貯蓄も、毎日の暮らしには持ち込めませんしね(残念だけど通貨が違う)。「自信をつけたい」の呪縛から、なるべく距離を置けばいいのに。自分なんて無くしてしまえばいいのに。でも、我が強い人って僕は好き。自分に無いものたくさん持ってるから。

・・・なんて師匠と話しているうちに、きのう38歳になりました。

Date: 16/02/15 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2014

leaves

ストレスを感覚として自覚できない。

仕事の慌ただしさがピークを迎えると、普段ほとんど食べないスナック菓子を食べたくなります。ちょうど、きのうがその日。何袋かまとめ買いして、一気に2袋食べました(それもお昼ごはん食べてすぐ)。この時期は案件が立て込んでいるうえに確定申告があるので、ほぼ毎年この現象が起きます。その行動を自分で見て「あ、ストレス溜まってたんだな」とはじめて認識します。

どう言えばいいかな、「あ〜もうっ、ストレス溜まるぅ!ハゲ課長のヤツめ!」みたいな感覚が先に来ることがありません。あくまで自分の行動を客観的に捉えて、事後報告的にストレスを知ります。そんな感じ。睡眠時間が3割増しになるのもそう。事実をもってでしか認識できない。

そんな話をスタッフにしたら「それで、ストレス発散できたんですか?」と聞かれるも、発散できたかどうかもよく分からない。毎回決まって気持ち悪くなって「食べるんじゃなかったなぁ」と後悔だけはちゃんとしてます(・_・) カラムーチョメ

脳によって動かされたり、自分がうまく動かしたり。このやりとり、おもしろい。

Date: 16/02/11 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2013

mint HAIR

デザイナーというと感性やセンスの人、みたいなイメージが強いですが、まんべんなく備わってる人はきっと誰ひとりいません。それぞれにバランスがあります。

僕には色づかいのセンスがありません。他にもたくさんあるけど、それは特にない。悲観するわけでもなく、単なる自分の特徴として。経験上、女性の方が色のセンスがあるし、特にイラストレーターの方に多い。ハッキリ言って、羨ましい。

センスがないから、自分の感覚には頼らずに、別の何かで補うようにしています。美しい配色だと感じたものを写真に撮ったり、ストックしたり。知識として積み重ねていく。日々の努力ですね。センスを磨く努力も続けていますが、ちょっと諦めてる部分もあります。

なんでもかんでも自分を信用すると、ロクなことにならない。そもそも自分なんて、ほとんど信用してない。

Date: 16/02/08 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2012

立春朝搾り|2016

今年も届きました、立春朝搾り。のぐさん夫妻、毎年毎年ありがとうございます。いつも嬉しくて、もう100年欠かさず送ってもらってる気分。今年も気持ちごと美味しくいただきますよ。今から開栓が楽しみ。

今さっき、まな板を買いにGOODFOODへ行ったら、年末に少しだけ新しくしたブログからテイクアウトの注文が増えたと嬉しい知らせ。お役に立ててよかった。一緒に買ったスコーンは夕方にリベイクの予定。慌ただしさの中に嬉しいが届くと、ばんがろうって気持ちになれる。

Date: 16/02/05 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2011

cabbage

今日は朝から篠山で新規サイト用の写真撮影。被写体は精米用の設備機器。どんな表情が見てくれる方にとってツボなのか、ずっと考えながらシャッターを切った。休憩中、会社の菜園にあったキャベツの葉(写真)にグッと来ました。収穫後の姿でも、どこか生命を感じる。

ひとつひとつに、深い理解がいる。横のつながりが増えやすくなった時代の反動かも知れない。なるべく深く潜って、お客さまの目線まで近づいて、それでいてデザイナー視点も持ち合わせる。伝え方がどうのという前にね、そういうことをキッチリやるぞっていう。見せ方の上手さだけでは、もうどうにもならない時代。この間そんなことを教えてくれた子がいた。本当にその通り。

このブログ、気軽に「いいね!」できないと言われます。深さと気軽さを混じり合わせる表現力なんて僕にはないから、それはもう、仕方ないんです。

Date: 16/02/03 Photo: Nikon D300 + AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED

2010

fresh leaves

秋に買ったジャカランダから若葉が生えた(写真)。

うまく育てられているか心配だったこともあって、やけに嬉しかった。どこか希望に満ちた感情もあった。生き物って不思議。植物ひとつとっても、すべてを理解することはきっとできない。それでも、なるべく知りたいと思う。自分が好きとか育てやすい、より、仕事場の環境で過ごしやすい、今度はそんな視点で選んでみたい。

Date: 16/02/01 Photo: SIGMA dp3 Quattro