2035
週末は友達の家にてこんな時間。広い空の下、目の前にある田んぼを眺めながら、あれこれ炭火焼きしてもらいながら、ここではまず書けないようなことを延々と語り合いながら。そういうのが楽しい。テーマ問わず、ココロの可動域をいっぱい使う話は楽しい。
おもてなしを受ける時は、なるべく邪魔をしない。おもてなしが好きな人にとって、一番それが心地よいはずだから(たぶん)。する側と受け止める側がちゃんといないと、成立しないこと。今回は全力で甘えるのが僕の役目。する時はする、受ける時は受ける、みんなで協力する時は、みんなでやる。こういうのがパキッと切り替えられると、とても気持ちいい。演じることとは、全く違うこと。
最近はどの位置にいても自分らしくいられる、ちょっとしたコツのようなものを掴みつつあります。まだまだ成長期です。
Date: 16/04/27 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2034
新しい仲間が加わりました。トキワシノブ(写真)。仕事場の環境でもストレスなく育ってくれそう。性質を学んで、表情をよく見て、時々誰かに見てもらって。人との関わりと全く一緒。たとえ見た目は似ていても、ひとりひとり必ず違う。
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パンの味は作る人によって全く違う。材料は至ってシンプルなのに、なんであんなに違うんだろう。発酵の加減とか、捏ね方とか、理由を教えてはもらったけど、もっと目に見えない何が関係してるんだろうな。
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気分とか、引力とか、重力とか、気圧とか、空気とか、目に見えないものと一緒に暮らしているんだから、目に見えるものだけが優先される、そんな環境にすごく違和感がある。
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うれしい違和感。気持ちを伝えるはずが、空回りして懸命さだけ伝わってしまうとき。そういうの、人間らしくて僕は好き。心境ごとありがたく受け取ろうと思える。その逆の、見た目だけ取り繕われたものには何も感じない。そこに至るまでの過程はとても気になる。
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過程に時間をかける。この頃は特にそんな感覚。あるべきカタチは、長い過程の先に生まれてる気がする。目先だけの結果は追わない。解決は急ぐべからず。
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Macのトラブルを解決しただけなのに、夫婦の揉め事まで解決することに。偶然でも何でも、関係のゆがみを整えられた時に喜びを感じる。それをデザインと言えるかは分からない。
Date: 16/04/22 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2033
顔見知りが熊本で被害に遭っていて、心境を語ったツイートを見る。『ユーモア』と『水』が欲しいって。何かチカラになりたいと本心から思うけど、今はまだ何もできないなと悟りました。気軽に声をかけることさえできない。ごめんだよ。
自分にできることをやる、は間違ってはいないけれど、本当に相手のためかどうかは考える。ごちゃ混ぜにするのは良くない。何もしないことへの後ろめたさかも知れないし、自分の感情をを保つ本能かも知れない。それを悪いとは思わないけど、一歩間違えると真に助けを必要としている方々に迷惑をかけてしまう可能性ははらんでる。いま自分の感情を支配している根っこは何か、一度立ち止まって考えるのは意味のあること。自分で分からない時は、誰かと対話してみるのもいい。僕はまだ今は動く気になれません。向こうからの声で、僕にできることが、まだ分からないでいます。
話は変わって、この間B&O(バングアンドオルフセン)という高級オーディオブランドの、990万円するスピーカーを体験する機会がありました。99万の間違いじゃないです、しかも税抜。試聴したマイルス・デイヴィスは、なんかもう、とんでもなくすごくて、目を閉じるとまるでライブハウスの最前列にいるような、生演奏にも引けを取らない感動を味わえるハンパない音質。
このスピーカー、片方に18個のアンプがついてるんだそう。値段の時点で「???」だし、そういうものなんだなと飲み込んだ。興味深かったのは、18箇所から音を出すのかと思ったら、そのほとんどをノイズキャンセリングに使うんだそう。音質よりむしろその考え方に感動した。聴かせたい音をなるべくクリアに耳まで届けるために、雑音をなるべく取り除く。そこに莫大なエネルギーを注ぐ。難しいのはきっと後者なのは、想像に難くない。デザインはいつも引き算が大切だから。
話を戻して、今のこの状況に置き換えてみる。あえて何もしないことは、カンタンなことじゃないよ(脳がちょっかい出してくるから)。それは無関心とは似て非なる、立派な役割のひとつ。大人だからこそできる判断のひとつ。そんな視点も、選択肢として持っておくといいかなと。自分が取ろうとしているその行動が「今」である必要は、誰のためにあるのか。
Date: 16/04/18 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2032
決断すること、どう転んでも責任を取ること。それがボスの役目。
そんなことを毎日毎日繰り返すうちに、いやがおうにもタフになる。ボスにあたる方が仕事場にお見えになると、あとでスタッフは「みんな強そう」と言う。たとえ華奢な人であっても、やさしい人であっても。そういうの、少なからず僕も同じ部類に属するから、自分では気付きにくい。何がどうであれ、自分を肯定しないとやってられないことは少なくないし。だから、素直になるほどなあ、と。
3日間休んだ直後の仕事で一番疲れを感じたのは、断トツで“決断すること”。今さらながらの大発見。それもあって、最近の旅では「あらかじめ決めない」を増やすようにしてます。その自由さに、いちばん幸福感がある。決めなくて済むなら、誰も決めたくはないからね。
そんなボスのタフさは日常にまで必要ないし、ふだん「強そうに見える」のは本当に好みじゃない。人に威圧感を与える強さなんて、絶対いらんでしょ。かえって弱いというか。誰かと一緒に仕事してると、こういう気付きをもらえてメチャクチャ有り難い。一人でやるなんて、もう怖くて想像できないです。
Date: 16/04/15 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2031
きのうは友達のチャレンジ「BADAI BASE」を見学に古巣・青葉台まで。ここね、楽しくなる匂いしかしない。そのあと東京をぶらりして滋賀に帰って、今日からまた仕事はじめ。行く時間も決めず、帰る時間さえ決めなかったリフレッシュ。
・やっぱ仕事すると疲れるなあとカラダが文句言いがち
・いい感じの口笛を仕事中に吹きがち
・どうしようもなくアホな発想が自然に浮かびがち
長い休みのあとに起こる自分の症状。こういうの、ちゃんと覚えておくようにしてる。自分を計るものさしになるから。感覚は、いともかんたんに狂うものだから。信用しない自分の中で、まだ一番まともな判断ができる時。
新幹線で読もうととっておいた「漫画ブルータス」を旅の間に読み切って、その中で紹介された別冊マーガレット「町田くんの世界」って作品にピンと来る。今日の打ち合わせ帰りにさっそく書店に寄って、別マのコミックスをしれっと買える大人に成長を遂げました。これが旅の効能(ちがう)。
Date: 16/04/13 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2030
友達夫婦から浅草にある「亀十」という和菓子屋を教えてもらい、朝から列に並んでみる。前にいたおじさんとどら焼き談義しながら、上野の「うさぎや」も美味しいよと教えてもらう。このシチュエーションで知り得た情報は、一生忘れない。なるべく活きた情報で対話したい。亀十のどら焼きは、皮の見た目からすでに美味しい。
21_21 DESIGN SIGHTで「雑貨展」。雑貨の文脈を辿るのはおもしろい。雑貨はいつでも暮らしと共にある。気持ちのよい問題定義が含まれていて、この先のモノとの関わり方を考えるきっかけにもなった。今までどういう雑貨に触れてきたかも浮き彫りになる。d martの考え方に強く共感。ただし、それもひとつの選択肢に過ぎない。
このブログを「空港」に例えてくれた人がいた。淡々としていて、無臭で、気持ちが高ぶる何かがあって、そして旅を感じるんだそう。そんな話をすると「それそれ!」と共感してくれる人もいた。本人にそんな狙いは微塵もないけど、素直に嬉しい。
毎日更新をやめてから、書いててストレスが全くない。そういう気持ちは、読んでくれる人にもちゃんと伝わる。helloのたすくも「らしさが戻ってきた」と言ってくれた。自分の感覚と客観的な意見とがピタッと噛み合うのは、バランスが取れている証拠。取れていると思い込んでる時は、きっとバランスを崩してる。
夜は中学バスケ部の友達とサシ呑み。僕がデザインした水うちわを買ってくれた、神様のような2人のうちのひとり。彼も僕と同じ頃に起業して、今もばんがってる。経営がどうのはさておいて、隙の多い人が好き、というところで分かり合う。よー呑みました。明日も休み。
Date: 16/04/12 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2029
東京に来てます。
ほぼ100%息抜き。ここ1〜2年、東京へ行く回数は増えても仕事の予定が大半で会いたい人になかなか会えずじまい。このままでは「ヒマが出来たら」みたくなりかねない。それあんまりアカンやつ。お仕事関係でお会いしたい方々もいるけれど、涙を飲んで今回は、友達とだけ会う時間。そういうのも、取り入れることにしました。
鬱になるまでばんがり続ける人が日に日に身近になってる。生きにくさを痛感する。本気で役割を果たしたいなら、よくばんがったご褒美に、ココロもカラダも本気で仕事から離す。自分だけで済むならまだしも、周りまで不幸にするから。そんな他者への意識さえ失ってしまうから。
今日は東京へ着くやいなや、夜までずっと友達夫婦がおもてなししてくれました。おかげでホッコリしとります。
Date: 16/04/11 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2028
自分の声が好きじゃない。
人前で歌うのは大の苦手。それなのに歌のテストは、名字のせいで大体トップバッター(シンガー)だった。最初はみんな静かに聴いてくれるもんだから、それはもう、地獄で。たぶん、それが原因で、声そのものが好きになれなくなってしまった。だからカラオケも、人生で数えるほどしか行ったことがない。そのうえ声量もないから、向かい合って座ると声が届かなくて、何度も聞き返してくもらうのが申し訳なくなる。カウンター好きなのはその理由。声のよく通る人が羨ましい。
それなのに「いい声だね。」とは言われる。たぶん人並み以上に言ってもらえてる。お世辞でないのは分かるし、本当に不思議だなあと思う。何がいいかは分からないけど、褒めてくれるなら、大きな声は出せない代わりに、せめて伝わる努力はしようと思う。伝わりやすい言葉を使おうと思う。
知る人ぞ知る、ものまね好き。自分の声に興味が持てなくて、人の声を借りたくなったのかも知れない。そう考えると、おもしろい。クオリティを求めるのも納得。最近はナダルを少々。
一人で歩いてる時に歌うのは好き。ただし誰かとすれ違おうものなら、即、一時停止。通り過ぎたら、再生開始。今、そんな自分を克服しようと小さな勇気を振り絞ってる。タワレコの試聴スペースでノリノリになれるDJ風の男性や、ヨドバシカメラに置いてるスタンウェイを全力で弾ける大切な人や、自信がないとか言うクセに人前で歌えてしまうhelloのハッシーが、とにかく羨ましかったから。
すれ違う人を気にせず(気になるけど)、一時停止しない。なんかちょっと、気持ちいい。もちろん、その人は、微塵も気にしてない。こうやって冷静に書いてみると、本当にどうでもいいことで長いこと悩んでたなーと気付かされる。
毎日コツコツ、こんな事やってます。まだまだ絶賛、成長期。
Date: 16/04/09 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2027
ちひろ美術館。
ninkipen!今津さんオススメの場所。その言葉どおり、すごくすごく素敵な場所。最寄り駅の大糸線「信濃松川駅」から歩いて30分。冷たい空気が土地全体に澄み渡って、まるで巨大な空気清浄機。歩いているだけで幸せを感じる。深呼吸ひとつでカラダ中の空気が入れ替わる気がして、とにかく気持ちよかった。そんなことも含めた、美術館をくるむすべての時間が心地いい。美術館だけが目的になっちゃ、もったいない。その後ろと前に、見えない味わいがある。これ、いろんなことに置き換えられる。葉桜だって、きっとそう。
美術館で作品を観ると、自分まで絵が上手くなった気になる。小説を読んだり、ライブに行ったり、ダンスイベントを観たり、美味しい料理を食べたりしても、もれなくそんな気になる。気分だけはいい、でも現実はそうじゃない。絵は上手くならないし、歌も上手くならない。例のクセがすごいあいつが、そう錯覚してるだけ。始めるきっかけには、なってくれる。
ライザップで結果を出した人にも、次の「定着させる」ステップがやってくる。維持するきっかけに、なってくれるのかな。まったく別のことだから、どうなってるんだろうなって、いっつも気になる。
Date: 16/04/07 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2026
現実と向き合うって、怖いこと。怖くない人なんて、きっと誰ひとりいない。だって、現実は怖いものだから。それは変わらない大前提。軽々やってのけてるように見える人も、そう見えているだけ。20代も30代も40代も50代も60代も、みんな口を揃えて「怖い怖い」言ってます。たぶん70代でも言います。今日も打ち合わせでそんな話をしました。そこにしか希望はないですよ、とも。
僕の四方八方、いま、そんな話題が山積み。やりがいも生きがいも、ありすぎて困ります。自分の足で地獄を見に行った人は、少しだけ強いのかも。
Date: 16/04/06 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2025
脳は僕の話を聞いてはくれない。
この頃は少し長めの文章になることも増えているんですが、あくまで結果的にそうなっているだけで、長い文章を書くことが目的になっているわけではありません。新しいカタチを探し求めた結果、長くなることも増えた。ただそれだけの理由。
ところが、自分の脳が「今日もブログはメーナガでヨロシクぅ!」と指令を出してくる。自分の意志とはうらはらに長さを要求してくるもんだから、こっちはいい迷惑。脳はいいヤツだけど、思い込みが激しくて、こうやって間違った指示も出してくる。今回は手段と目的をひっくり返そうとする。本当にいいヤツなんだけど、ときどき邪魔をする。脳は僕の話を聞いてはくれない。でも、生きてる間ずっと支え続けてくれる、憎めないヤツ。つまりクセがすごい。
最近こんなことばっかり考えてるもんだから、いろんな発見があります。楽しくて楽しくて、もはや趣味です。
Date: 16/04/05 Photo: SIGMA dp3 Quattro