2225
中途半端なまま大そうじを終えた。
見た目だけでもキレイな状態にして新年を迎えるのもいい。でも今は、うわべだけ整っていることに何の価値も見出せなかった。それより13年もの間に溜まった脂肪をこのタイミングで削ぎ落としたい。カラダとココロの向き合い方をひととおり身に付けた今、次は環境の方に目が向いている。環境を変えれば人は変わる。環境の変え方にもデザインが役立つ。
環境の腸内洗浄をして、気持ちよく次のステップに進む。そのためにはもう少し時間がかかりそう(Webサイトもまだできないし)。これは焦らずじっくりやること。気持ちだけあっても、ものごとは前に進まない。むしろ複雑になるばかり。そこに目を向けずに散らかすだけの人は多い。
ずっと地道に取り組み続けてきたことが、そろそろ実を結びそうな、そんな予感がする。それが何かは分からないけれど、楽しみで仕方ない。楽しみにすることも、また楽しみのひとつ。来年はその楽しみと一緒に走りたい。そう思ってる人、きっと多いんじゃないかな。
更新の頻度はますます減ったにも関わらず、楽しみにして下さる方もいて本当にありがたいです。一年ありがとうございました。どうかよいお年をお迎えください。来年は7日からの営業です。
Date: 18/12/31 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2224
その日のうちに洗濯物を片付ける。ぼちぼち板についてきた。やることを明日に持ち越さない訓練であると同時に、やりたいことから次の日を始められるご褒美がついてくる。どうしても無理な時は「明日まで置いてよし」とする。決して意地は使わない。続けることが優先で、完璧を基準にはしない。継続にとって一番の天敵は、完璧を目指すこと。
・
いろんな人と本の貸し借りをする。自分の好みを伝え合う、照れくさい行為でもある。だからこそ、尊くて楽しい。そんな関係も、礼儀を欠いた途端に崩れてしまう。読む気が無いときは借りない。どうしても借りる時は「返さなくてもいい?」と念を押す。貸す時は差し上げてもいいつもりで貸す。返ってこないストレスで、返さなきゃいけない後ろめたさで、せっかくの関係を崩しちゃ勿体ない。そんなやりとりがごく自然にできる、経験を積んだ人たちが周りにいてくれる。ありがたいなと思う。許されることに慣れた分だけ、自分から許してもらう力は衰える。
・
M−1は楽しい(今さらだけど)。生放送で見て録画で見返して、YouTubeでいろんな芸人のコメントを聴いて今でも楽しんでる。ひとつの番組でどこまでも楽しめる。賛否両論あるものは、人気があるものの証拠。外野で声を荒げた人も、結局のところファンだからね。きっと来年も観るんだよ。何ら問題ないよ。賛否両論あるものは、見方を変えれば隙だらけ。独自さは、隙の多さに比例する。その隙を突いたところで、自分の隙があらわになるだけ。
・
自分のために生きることの真意を、ようやっと理解する。自分のために生きることは、他人のために生きることだとも。考えれば考えるほど、時間なんてちっとも足りやしない。やりたいことだらけだ。たくさん生きるために、やることに追われる日々をなるべく減らす。
今日も、その日のうちに洗濯物を片付ける。
Date: 18/12/19 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2223
矢野顕子のニューアルバムが発売になって、近所のCDショップに買いに行くんですよ。近くで買えるものはなるべくネットに頼らないようにしていて。でも、売ってないんですよね。ショップと言っても書籍やレンタルCDと併設されていて、スペースはごく僅か。セルCDって今や喫煙スペースばりの肩身の狭さというか、ローカルでは確実に絶滅危惧種になりつつあって、タイアップとか、何かしらそういう類でないと扱う側にとっても負担が大きい。そういう事情が透けて見える。
4軒目の電話でやっと見つけて、何年かぶりにお取り置きなんかしてもらって、次の日に電車で買いに行ったんですけど、見つかった時点でもう嬉しくて、『次の日に買える!』って喜びも上乗せされて、受け取った時にはちょっと感動すらあったんですよね。ご機嫌ついでに近くでやってたマルシェで知り合いからグラスワイン買って飲んで、ほろ酔いのまま帰ってCD聴いてまた気分良くなって。別に注文してたCDも届いてさらに嬉しくなって。
捨ててしまった手間の中に、ギュッと栄養が詰まってたりする。
Date: 18/12/03 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2222
きのうは自分たちのプロフィール写真を撮りに鳥取砂丘へ。撮られることに慣れてないスタッフも、シャッターを切られるごとに緊張がほぐれるのが分かる。縁あって今回は、こないだ大学を卒業したばかりのフォトグラファーに撮影をお願いした。フレッシュさを期待してのこと。
砂丘を選んだのには理由がある。砂丘を背にしてシンプルな中にも奥行きとスケール感を出す。そのまま日本海ををバックにもできる。これが建て前。本音は「砂丘のてっぺんから跳ぶため」。打ち合わせする中で年代特有の悩みを教えてもらい、だったら撮影ついでに殻も破っちゃおっか、という流れで決めた。むかし砂丘に行った時に跳んでいた外国人たちが、やけに楽しそうに見えたから。
砂丘では写真をお願いされることもよくある。今回はこんなオシャレな子たち。あんまりにも楽しそうだったから「自分のカメラでも撮っていい?」とお願いして撮らせてもらった。元ネタあるみたいだけど、なんだったんだろう。それにしても画になるなあ。
楽しそうにしてる人って、それだけで人を幸せにするよね。
Date: 18/11/28 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2221
色づきが急激な冷え込みを語る。
決まって慌ただしくなる時期でも、今年は「あっという間だねえ」とか言わず淡々と同じペースで年の瀬を迎えたい気分。迫ってくるイメージに飲み込まれずに、自分の足で迎えに行く感じというか。世間のペースは誰の基準でもないし、遅くなることもこの先ないから、自分の望むペースくらい自分で決めるよ。それでも「あっという間だねえ」って、きっと言わずにはいられないんでしょうね。そんなもんです。淡々と過ごすにも、実はたくさんのエネルギーがいる。
みなさん体調に気を付けて、よい連休をお過ごし下さいね。
Date: 18/11/22 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2220
日本酒「エン」のラベルデザインを担当しました。去年の喜多酒造さまに次いで2本目。造りは北島酒造さま。農薬や化学肥料を使わない“滋賀旭”という、今では希少となったお米で仕込んでいます。
蔵元から直接のご依頼ではなく、もう少し個人的なもの。そのせいもあって、ちょっと遊びというか、表現の枠組みをゆるく捉えた、自分でもあんまり見たことのないような印象を目指しました(お題が難しすぎてこうならざるを得なかった、とも言えます)。なんかよく分からないけど、でもなんかいいよね、くらいになれば嬉しいです。ま、なんといってもお酒は中身ですから。これからの季節にぴったりの味に仕上がっています。飲んで損なし、です。
Date: 18/11/16 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2219
冗談の許されない状況で、あえて冗談を言うような振る舞いは褒められたもんじゃないかも知れない。でも、冗談が通じない相手だと分かっていても、あえて冗談を言うことはある。イヤしばしばある。理由はふたつある。
ひとつは「通じない事がちゃんとある」がハッキリするから。何が通じないか分かってる関係って、実は風通しがいいからね。“通じない”が日常に溶け込んでいるおかげで、何でも分かり合えるような思い込みも減る。距離が近いほど錯覚はよく起こる。分からない事はあるけど一緒にいる、そう自覚できる方がいい。
もうひとつはそう、ただ言いたいから。共感も理解も求めたりしない。ただ言いたいだけ。言いたいだけのことを言うって、とても健全だからね。分かってもらう以上に大切なときもある。イヤしばしばある。そこにその人がいたりする。
Date: 18/11/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2218
携わった案件の撮影、を再開。今日は名刺が中心。
媒体別の注文ランキングがあるなら、気軽さと必要性から名刺は断トツの一位。見方を変えると、名刺ってお客さまとの一番身近な接点でもある。名刺ひとつとっても思い出は詰まっているものだから、撮影するたび当時の記憶が鮮明に蘇る。それでどうしても、昔のアルバムを見返しているような気分に浸ってしまう。勉強を中断しているわけじゃないのに。
撮っても撮っても減らない。よくもこれだけ伝えずに貯めてきたなあという反省と、ろくに伝えてもいないのに今までよくご依頼いただけてきたなあという感謝の気持ちが入り交じって、フワフワしてます。早くこのサグラダ・ファミリアから抜け出したい。何が言いたいかというと、進みが遅いんです。楽しいけど。
Date: 18/11/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2217
「おもてなしのない宿があるよ。」
お取引先の年配ご夫婦から教えていただき、それならばとお連れいただいた「湯宿 さか本」は、必ずまた来年も行きたい宿のひとつになりました。本当のおもてなしとは何かを真剣に考えて考え抜いた先に、万人に受け入れられるおもてなしはないと悟った潔さを隅々まで感じられます。それを好むか好まざるか。自分にはこの上なく心地よかった。五感がこぞって喜びました。
Date: 18/11/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2216
好きなマンガでも大人になると発売日って無頓着になりがちで、突然に「ヤバイですよきょう新刊の発売日ですよ!」なんて知らされると、この上なく幸せな気分になる。旅先の書店で見つけた時もたまらない。楽しみにしていたゲームがいよいよ発売になった小学生の頃のテンションと全く変わってない。気分ってものはきっと、一向に大人になんてならない。疾風(はやて)のように手に入れて、疾風のように読みふける。
マンガは買い立てが一番おもしろいと、偉い人がたぶん言ってた。読み進んでいく楽しみと背中合わせに、読み終えしまう悲しみが迫ってくる。楽しい、悲しい、でも楽しい。甘い、しょっぱい、甘い、にもよく似た無限のループ。満たされた分だけ悲しい、これは仕方のないこと。楽しさだけ手に入ったとしても、誰かが悲しさを引き受ける。
Date: 18/11/02 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2215
更新が滞ると「きっと忙しいんだろう」と解釈して下さる人がいて有り難くはあるのですが、実はそういう事情ではなくて、最近は書かないでいます。断言してしまうと、ヒマな時って書きませんから。
身の回りで起きていることが魅力的すぎて、表現が追いつかない。きっとそれが一番の理由。言葉にしようとはしても、書いている途中で筆が止まる。書いては消して、を繰り返してばかり。今の『アマタノアタマ』の枠組みから外れているのかも知れない。ま、自分にとってはいいことです。「事実はブログより喜なり」です。
楽しいんですよ、自分も、関わってくれている人たちも。傍目には前を向いている人が100%前を向いているかというと、必ずしもそうではないし、ギリギリ不安に打ち勝って51%前向きな人もいる。振り切りすぎて120%の人もいるし、今は0に近い人もいる。地点はそれぞれでも、共通しているのは、みんな強くあろうとしている。そこに見え隠れする“揺れ”をお互い感じながら時間をご一緒できるって、仕事であれ何であれ、幸せなことですから。
Date: 18/10/29 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2214
秋桜がきれいだ。この季節は空もきれい。ずっと見ていられるし、ずっと見ていたい。美人は三日で飽きると言うけど、空は一向に飽きることがない。空ってトクだな。そろそろ海も見たい。見たいものだらけ。
AつMATAの新しい会場が決まった。復活できると思うと胸躍った。新しい場所で、何をどうしたら今まで以上に楽しんでもらえるか妄想が止まらない。そろそろ日を決めなきゃ。楽しいことだらけだ。
Date: 18/10/20 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2213
本当に伝えたいことを、ちゃんと伝えられる人になる。
この頃のテーマです。なかなか、どころか相当に難しい。それだけに、やりがいのあること。ちょうど今、いろんな「恥」を捨てているところ。きのうはお取引先の病院で、大腸内視鏡検査を受けてきた。何年も恥ずかしがっていた気持ちは、ほんの数時間で消えた。モノの整理が終わったと思ったら、今度はココロの方にスポットが当たる。そういうふうにできている、そんな気がする。
自分が恥ずかしいと思っていることは、他人にはどうでもいいこと。そういう捉え方をすれば、「恥ずかしい」が多いほど、どうでもいいことが混ざって、伝わりにくくなる。恥ずかしさで本気が伝わることもあるけどさ、それはそれとして。伝わって欲しい人に伝わる喜びは、たくさんのどなたかに共感されて満たされるそれとは、比べようがない。それだけに、全力で大事にしたい。
恥ずかしさのほとんどは、隠していること。
Date: 18/10/10 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2212
13周年を迎えました。
振り返ればけっこうな距離にも思えますが、とろサーモンなら売れるのにまだ2年もあります。そんな掴み所のない地点。
10年でいちど燃え尽きてから丸3年かけて、心身ともに次の目標に向かって進む準備が整いました。今度は「続ける」が目的じゃなくて、「どう続けるか」という意味で。あとはもう、挑戦者の気持ちで取り組むだけ。それなのに夏に公開するつもりでいたWebサイトのリニューアルはちっとも進まず、いきなり出鼻をくじいてます。すべてうまくはいかないし、うまくいかないのが大前提。
災害のせいなのか何なのか、気持ちがフワフワしてまとまりありませんが、関わって下さるすべての人にいつも感謝しています。今年はAつMATAも復活したいと思っています。14年目もどうぞよろしくお願いします。
Date: 18/10/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2211
「滋賀地酒の祭典 in 東京」に、物販ボランティアとして参加。
滋賀の33酒蔵が東京に揃うだけでも驚きなのに、ふだんお世話になってる地元の飲食店の方々まで手伝いに行くと聞いて、おもしろセンサーは反応せざるを得ない。終わってみれば、思ってたより何十倍も面白かった。
日本酒が好きで、いくつか蔵元さんとも関わりがあって、会場に来るお客さんも日本酒大好き。もともと接客は好きだし、スタッフも基本的に日本酒好き。好きな環境で好きなことしかやってない。これで面白くないわけがない。
おまけに、(詳しくは書きませんが)自分が「滋賀の日本酒好きなら絶対に無視できないビジュアル」なのもあって、たくさんの方に声をかけてもらい、たくさんの方に人違いされました。人生で一番たくさん間違われた時間でした。それはそれとして、興奮気味に感動を伝えて下さる女性もいたし、日本酒の自分史を語って下さるその道50年のベテランの方もいた。お客さんひとりひとり、楽しみ方が違うのがよく伝わる。東京の友達も来てくれた。
打ち上げではまだよく知らなかった蔵元や酒販店の方、純粋に日本酒好きの方ともたくさんお話しできたし、始めから終わりまで「おもしろ」が途絶えない一日。夜更けにしゃべった「蔵元さんのイメージを芸能人にたとえたら」トークまでぜんぶ楽しかった。また来年。
Date: 18/09/19 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2210
台風は高島エリアに大きな被害をもたらして、きのう、知人のお店の撤去を手伝いに行った。突然のことでも自分の判断で動けるのは自営業の強み。自営業の仲間も何人か駆けつけていた。
壊れたものは到底「瓦礫」なんて言えたもんじゃない。本人の心中を察するとカラダは止まってしまう。ココロは一旦止めて、せっせとカラダを動かす。大破した建物とはうらはらに、静かで美しいびわ湖の姿が見える。このコントラストに、何とも言えない気持ちになる。
停電で真っ暗な夜を過ごした時、ヘッドライトが欲しくなった。室内で灯りを持ち歩く習慣がなくて、移動のたびに「あ、向こうに電気ないんだった」と懐中電灯を取りに戻る。その繰り返しが一番記憶に残ってる。それに懐中電灯は片手をふさぐ。そして今回はヘルメット。たとえ安全な場所でも、頭上は常に危険をはらむ。無意識に避ける場所が多かった。実体験は本当に必要なものをちゃんと教えてくれる。近々この2つを買い足す。
追い打ちをかけるように、今度は北海道の大地震。3日前、本当なら今日から北海道に行くはずだった友人と電話で話したばかりで、いろいろと理解が追いつかない。身の回りもまだこんな感じだし、今は耳をふさいでる。これ以上は受け止めきれないから、きっと自分が元気でいられない。それでいいと思う。
Date: 18/09/07 Photo: iPhone 5
2209
想像を絶する被害が各地で起こっているようで、驚きを隠せない。まさかここまでとは。自分の暮らす地域の風雨は落ち着きましたが、しばらく停電が続いて今こんな感じです。災害用に備えていたLEDが役立ってます。パピコは溶けてハヒコになってます。
もう最小限の被害で済みますように、なんて気軽に言える規模ではなくて、どこから誰から心配して良いやらですが、みなさんの無事を祈ります。
Date: 18/09/04 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2208
さくらももこさんのエッセイ「もものかんづめ」があまりにおもしろくて、当時とんでもなく衝撃を受けたことを、今でもよく覚えてる。本を読んでいる感覚とはまるで違う、そこに「ちびまる子」がしゃべっているような、本の上で躍っているような、活き活きとした痛快さがそこにギュッと詰まってた(あ、だからもも子の缶詰ってことなのか)。
小論文が原因で大学受験に失敗したり、文章に対してかなりコンプレックスを持っていた自分が文章を書こうと決めたきっかけは、この一冊に出会ったから。あんなに伸び伸びとした語り口に、本当に憧れたから。そんな“恩人”とも言える人がこの世を去るのは、やっぱり悲しいですね。数日経っても、まだ悲しい。
ずっと写真を撮り続けているのは、31歳の若さで亡くなった幼なじみのフォトグラファーSayoの影響がある。そして文章はさくらももこさん。奇しくも、2人とも乳がん。いったい何だっていうんだろう。自分に置き換えると、53歳まであと13年。あっという間だよ。
Date: 18/08/30 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2207
ときどき年の離れた子が気持ちを伝えてくれることがある。その純粋さや真っ直ぐさがとても好きで、清々しいとはこういうことだと、あらためて教えてくれる。
きのう、自作の水槽(アクアリウム)をただ見てくれと、友達から動画が届いた。ドヤ感こそあれ、これはこれでピュアで清々しい。褒めて欲しい時だって、悩みを打ち明けるのと同じくらい慎重に相手を選ぶものだし、そう考えると素直に嬉しい。褒めて欲しくて困ってるんだし(笑)、助けるのが友達というもの。こういうのがいい。
怖さや不安、あるいは照れくささや後ろめたさで覆い尽くされた言葉や態度は、誤解を生みやすい。もっとシンプルに言ってしまえば、信じにくい。そういう機会に触れるたび、どこかうんざりし始めている自分がいる。もちろん、自分の言動までも含めて。
なるべく純粋でありたい。なるべく信じて欲しいし、なるべく信じたい。それが根底にあって、どうにも剥がれそうにない。
Date: 18/08/25 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2206
佛光寺の盆踊り。今年も最高でした。あのフワフワと溶けていく時間、なんなんだろう。まるで自分の魂まで鎮めてくれるような。
少し慌ただしくて、お盆は予定を入れずコツコツ働くことにしたのに、そんな時に限っていろんなお誘いをいただいた。帰省中のパイセンから飲みのお誘い、仲良しのお客様から食事のお誘い、別のお客様からは五山の送り火を観ながらのパーティのお誘い(ドタキャンが出た、ということで繰り上げ当選)。ばんがって働くと決めたご褒美かな。あきらめても、そこで試合終了じゃない時だってあるね。皆さんありがとうございました。
少し暑さも落ち着いてきた、とはあんまり思えなくて、今は今で分かりやすく体力を奪われる感じがある。連休明けで気が抜けたのか、周りも結構コホコホ咳き込んでるし、秋とはまだ少し距離を置く。効き過ぎるエアコン、それだけが悩ましい。。
Date: 18/08/21 Photo: iPhone 5
2205
書師・秀蓮さんに書道を学ぶ。ご婦人方の中に混じって、黒一点で。
いわゆるひとつの、習い事。これがおもしろい。なにせ、下手すぎて。いざ筆を運ぼうとすると、いろんな自意識がまとわりつくのがよく分かる。どう書こうか、どんな太さにしようか、どうすれば美しく見えるのか、などなど。ココロの声を聞いてるだけでもおもしろい。
「自由でいいよ」なんて言われても、理論を駆使する仕事のクセはそうやすやすと抜けるはずもなく、がんじがらめになる。で、結局、どこかデザイン的な考えに頼ってしまう。書いた文字に、まるごと自分が投影される。「ぬたあん」には遠い。
昔の自分なら、人から習う時には、少なからず我流を持ち込んでた気がする(それが成長の足枷になるとも知らずに)。今は「どうせ下手なんだし」という諦めの気持ちで、素直に耳を傾けられる。上手くなろうとするより、なるべく余計な意識を持ち込まずに書けるようになりたい。そういう心づもりでやってます。
その人らしい字を書く人って、きっと素直だ。
Date: 18/08/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2204
いつもお世話になってる京都のカフェでナカヤマコーヒーを飲んでいて、無意識に水の味を感じ取ろうとする自分がいた。善し悪し、ではなくて、あくまで水の性格。この頃の仕事の影響がもろに出ている。何を食べて育ったか、ほどではないにしても、どんな水で育ったかでも違いは出ると思う。
むかしninkipen!の今津さんと建材について学ぶ機会があって、材木を見ただけで産地を当てる職人がいると知った。その時は感動が大きすぎて、どこか特殊能力のように捉えていたけど、人間に本来備わっている力だと思うようになった。そういうものが、今とても大切なことに思える。五感を研ぎ澄ませるって、最高に楽しい遊びのひとつ。そればっかりじゃ、疲れてしまうけど。
さて、明日から15日まで夏期休業をいただきます(16日より再開します)。みなさんもよいお休みをお過ごし下さいね。酷暑で溜まったいろんな疲れが、少しでもなくなりますように。「疲れてたんだなあ」と感じるひとときも、幸せのひとつ。
Date: 18/08/11 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2203
なんとな〜く感じる、「アツイ!」と言う元気さえなくなってきてる空気。悪い意味で慣れてしまったせいもあるけど、着実に蓄積されてる疲労が、もうどうにもとまらない。まるで疲れてはいるけどまだ気を抜けない「合宿の後半戦」みたい。リンダじゃなくても、こまっちゃうナ。
じっとしてたらしてたで、今度は気持ちの方が萎えてくる。自分が元気でいることも、なかなかに加減が難しい。そろそろフニャフニャしたい気分。
Date: 18/08/03 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2202
金継ぎ。
年末に、たしか晩酌しながら年越しでも、と意気込んだ矢先に片口を落として割ってしまった。テレビは紅白、でも目の前は真っ暗。処分しかないと一瞬あきらめて「そういえば」と、金継ぎを習ってる友達に相談したら快く引き受けてくれた。それがこの間、生まれ変わって帰ってきた。割れる前よりも美しさを増して。
直せるって、嬉しい。
元通りにならなくても、カタチを変えてまた関われるから。直したい気持ちと、直せる技術があってこそ。直すのもまた、続けること。インスタントなものに囲まれていると、そんな気持ちさえ薄らいでしまう。もう直したくないものだって、ちゃんとあるけどね。
さて8月。「いろいろ直せる人」って、なかなか魅力的。
Date: 18/08/02 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2201
久々に、夏らしい暑さ。
はじめは半信半疑だったけど、クマゼミの声を聞いて確信した(クマゼミは気温が高すぎると鳴かないらしい)。「今日は涼しいなあ」なんて口走った、狂いに狂った自分の感覚よりよっぽどあてになる。自分の感覚は大丈夫と信じて疑わない人に、世の中どれだけセンサーで成り立ってるか説いて回りたい。とにかく倒れる人が減りそうで本当に良かった。
夏はよく本を読むし、映画も観る。これを書いてる今まさに『ピース・ニッポン』が素晴らしいと、横浜からメールが届いた。そんな季節。好きだから本を読む?好きだから映画を観る?もちろんそうだけど、「涼しい場所でできること」が一番の理由だったりするから人間ってホント単純。
今度は台風ですね。引き続き「いのちをだいじに」で。
Date: 18/07/27 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2200
アツイ。ここまで来るとカタカナが似合う。
暑くて寝られない人も、涼しくし過ぎてカラダ冷やしてる人も。体調管理ホント難しいですね。体力も気力も胆力も半減。そのくらいで自覚しておかないと、知らず知らずオーバーヒートしてしまう。ばんがらなくていい。休み休みでやり過ごすくらいでいい。まわりのペースなんか放っておいて、自分のカラダに従っていい時期。
道の駅にいた仔猫も息絶え絶え。お水あげたら回復して寝てたけど、見かけた時は今にも死にそうだった。あぶないあぶない。みんな「いのちをだいじに」で。
Date: 18/07/19 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2199
災害のことで気に病んだり、急に暑くなって体力を奪われたり毎日いろいろ起こりますが、基本に立ち返って「まず自分が元気でいること」を心がける。心身ともに元気でいる、それに尽きる。自分が元気でいるだけで、誰かを元気にできることもきっとあるから。
きのうは打ち上げ。ブランドページ制作を担当した松の司[土壌別仕込]で乾杯。掘り下げる仕事が増えるごとに、打ち上げの必要性をますます感じる。
間髪入れず次から次へと重い仕事をするには身もココロも持たないし、同時進行にも限界がある。「ひとつの仕事を終えたら台本ビリビリ破って捨てるの大好き」なんて語ってた本木雅弘さんの気持ちはよく分かる。続けるって、始まりと終わりの繰り返しかも。
Date: 18/07/11 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2198
崩落した鴨川の護岸を見に行った。
自分の日常と現実に起こっていることがあまりに乖離していて、100人以上の方が亡くなったことが未だ信じられない。何かしら生身でリアリティを感じておかないと、また麻痺してしまう。麻痺はいちばん怖い。考えることも知ることもたくさんあるのに。
三条大橋から撮影してたら話しかけてくれた。立ち入り禁止なのにどうやって入ったんだろう。そんな人をちらほら見かけた。
Date: 18/07/09 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2197
今度は雨ですね。自分とこは大したことないですけど、いろんなとこ心配です。皆さん、どうかご無事で。
今週から下半期。上半期の自己採点は100点。何もかも完璧だったわけじゃないけど、自分のできるベストは尽くした、という意味で。たとえ負けたって100点、失敗しても100点。そんなこともちゃんとあるよ。そう思うべきだよ。
Date: 18/07/05 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2196
松瀨酒造株式会社さま[土壌別仕込]ブランドページをデザインしました。
日本酒は、同じ醸し方でも原料となる酒米が違うだけで味わいが変わる。この土壌別仕込は、同じ品種の酒米でも栽培地の土壌が違えば味わいも変わる、その個性の違いにフォーカスされているもの。またひとつ、自分の視野の狭さに気付く。取材中にも、栽培者さんから「もち米は粘土質の土壌で育てた方が味も伸びもいい」などなど教わり、自分の無知スペースに新しい風がビュンビュン吹き込んできました。
日本酒の世界で自分が愛して止まないことのひとつに「水質は変えられない」ことがある。その前提でどれだけ個性を出せるか、がすべての蔵元にある。そんな不自由さに愛を感じる。できることが限られているから、ひとつの側面に対しての追求を辞さない。選んだ道に蔵元のセンスが表れる。解像度を上げて、つまり、ひとつの事象を細分化して、それぞれに掘り下げる・・・なんて言うのは簡単でも、実現するとなると話は別もの。その難しい取り組みを、時間をかけてでもやってのけることが松瀨酒造さまの美学。その上で、佇まいは美しく。
Date: 18/07/02 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2195
きのうの西野監督はカッコ良かった。一番大切な結果を得るために、腹を括った。
サッカーは、いつの間にか国民的スポーツになった。決勝トーナメントに出場できるかどうかの瀬戸際で、勝ち方の美学にまで期待を寄せる人がいかに多かったか。立場は挑戦者なのに、まるで常連国のような振る舞いを求められる。それだけ愛されている証拠とも言える(単に言いたい放題ってのも、あるけどね)。興味深いのは、モヤモヤした気持ちを抱く人はいても「あんなことするなら決勝トーナメント行けなくてもいいのに」という人はほとんど目にしない。結果はさておき思てたんと違ーう!の満たされなさが、空に放たれる。
勝てば官軍。勝ち進めば「あの決断は見事だった」と賞賛され、負ければ「全力で戦っておくべきだった」と批判される。監督ってタイヘン。自分も一応ボスなだけに、どうしても肩を持たずにはいられない。楽しみ方なんて自由だけど、勝ち負けを気にする人は多くても、勝ち負けにこだわる人って意外に少ないね。自分はそこまでサッカー好きでもないし「チームとしてすごく大人だから、尊重しましょう」くらい。
むしろ徹底して勝ちにこだわるって、好きですね。そのためのチャレンジとか。やりたくてもできないこと多いし、見た目の派手さよりも、内に秘めたマグマのような決意というか。そういう痛快さも絶対あるから。
Date: 18/06/29 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2194
夏至が終わるとちゃんと暑くなる。暦ってホントすごいなあと、昔の人の知恵や熱意に感心するばかり。そんなんできひんやん、普通。少し前にも、落語をきっかけに、伊能忠敬について学ぶことがあった。言わずと知れた、日本地図をつくった偉人。分からないことを分かりたい、そういう感情はずっと変わらないんだと思う。あと、素麺の美味しさも。
暑くなる前から、暑くなった時の対策を始めてる。去年から始めたカラダづくりの応用編。爆発的なパフォーマンスは自分に必要ない。名人のような一手に近づけるために、いつでも冷静な判断ができるカラダ(とココロ)づくり。なるべく体調を崩さずに、もし崩しても早めに復帰できる、それが理想。無理しないように設計されたものは、なかなか壊れない。目立たないけど、ずっとそこにいる。その時間が価値になる。
Date: 18/06/27 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2193
この間、ふたまわり以上も年輩のお客さまに「背中を押してもらえた」と感謝のお言葉をいただいた。不思議な気持ちだった。そんなことがあるのか、と。そんな日が来るのか、と。20歳以上も年の離れた自分にそんな言葉をかけて下さるその素直さにも驚いて、さすがに言葉にならなかった。今までにない感動だった。
視点を変えると、自分が年の離れた子に背中を押してもらえることだってある。この嬉しい経験は、そんな可能性も孕んでいる。そう考えるとなんだかおもしろくて、いつかそんな日が来たらどんな気分になるだろう、なんて想像にふける前にその日はすぐにやって来て、自分の想像を超えた“嬉しい”に囲まれながら日々なんとかやってます。ありがたいです。
Date: 18/06/21 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2192
阪神大震災を思い出すような揺れでしたが今のところ無事です。心配して連絡くださった方々ありがとうございました。気持ちが救われました。まだ連絡がつかない友人もいて心配ですが、状況報告まで。本震でない可能性もあるので、引き続き気を抜かないようにしています。
Date: 18/06/18 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2191
きのうは第31回カロム日本選手権大会。今回で4回目。
前回のベスト16を超えるべく臨んだ結果は、前回と同じくベスト16。奇しくも敗れた相手は前回と一緒のペアで、今回の優勝ペア。だったら仕方ない、とは思えないのが本音。くやしいくやしい。とにもかくにもベスト16を連覇(誠に恐れ入りますが野暮なツッコミは一切受けつけておりません)。くやしい。
運も大きく作用するのがカロムのおもしろいところ。それでも勝ち残っている人には、実力が裏打ちされてる。一打の重みや集中力、最後まで大会を戦い抜く気力や体力のレベルがまったく違う。まず意識レベルだけでも合わせるために、はじめて最後まで大会を観た。そういうとこから、はじめないとね。どこまでやりたいか自分の中でハッキリさせておかないと、伸ばしようがない。真剣にやるんなら、遊びにだって覚悟がいる。
それにしてもカロムは楽しい。ずっと楽しい。また来年。
Date: 18/06/11 Photo: iPhone 5
2190
梅雨入り。
アジサイにもいろんな種類があるんだそう。土壌が酸性かアルカリ性かで色が決まる、みたいな、真偽のほどは定かでない知識だけはあっても、品種についてはまるで無頓着。いつもよく目にするのは「雅(みやび)」という品種だって。あいかわらず知らないことばかり。とはいえ完璧に何かを知り尽くすことなんて、誰にだってできない。人よりたくさん知っているか、少し知っているか、全く知らないか。違いなんてそれだけ。
たった5年でも、必死で生きた人がいる。じぶんのできる精一杯を尽くして、生きようとした人がいる。悲しいけれど、すごく立派だ。死んでいないことは、生きていることなのか。自分だけ生き長らえることが、生きていることなのか。いったい何に必死になっているのか。自分はどうだ。
Date: 18/06/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2189
ごはん、ではなくてチーズを入れて仕込んだ鮒ずし。近江八幡にある奥村佃煮さんと竜王の古株牧場さんの新しい取り組み。デザイナーの感点で試食会に参加させていただく。鮒ずしは好きでよく食べるし、チーズも食べる。でもこんなのはもちろん初めて。乳酸発酵の宝石箱。
こっちは普通の鮒ずし。写真では違いが分かりにくいけれど、まず香りが全く違う。平たく言えばミルキーな鮒ずしの香り、小難しく言えば酵母を完全発酵させた日本酒のような、どこか不透明さを帯びた香り。もちろん味は違うけれど、鮒ずしそのものより、チーズと出会った飯(いい)が美味しくて感動した。
鮒ずしに馴染みのない方にとって、もうひとまわり得体の知れなさを増したこの新しい存在はどう見えるだろう?身近に感じてもらえるには何が効果的だろう?何に置き換えたら分かりやすいだろう?そんなことを考え続けたひととき。菌ってホント複雑でおもしろい、のに、まだまだ知らないことがいっぱい。
Date: 18/05/31 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2188
毎年この季節になると決まって法然院に行く。書師・秀蓮さんの個展へ。今年でもう4回目。新緑がとてもきれいで、そこは哲学の道でもあって、道中がすでに気持ちいい。風物詩が増えるのは、お楽しみが増えること。見終わった後に、甘味処の「㐂み家」に寄るのも風物詩。
少しゆっくりできるかと思ったら、またいつものように慌ただしくなってきた。この頃は「解像度」を意識することが増えた。どれだけ細かくものごとを捉えられるか、という意味で。
日常の質を高めるには、一定の解像度がいると思う。ご飯ひとつ炊くにしても、何で炊くか、どんな品種か、どんな方が作ったか、どんな土壌のお米か、どんな水を使うか、とか。もちろん毎日そんなことやってられないけど、そんなこともできるよねと、知っているのはいいこと。世の中の見え方を変えるためにも、繰り返しの日常を、繰り返さないためのアイディアとしても。
Date: 18/05/28 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2187
海外旅行の広告はTVCMよりもラジオCMの方が反響が高いんだそう。前者では行った気になってしまい、後者だと行きたい気分になる。変に満たされてしまうのもかえって困りもの、というお話。たくさんお金をかけても、たくさんの人が見てくれても、そのぶん成果に繋がるわけじゃないのがおもしろい。
加減とか見極めって難しいけど、楽しさも秘めている。うまく加減できたときって、誰でも嬉しいんじゃないかな。フルマラソン完走できたとか、うどんがうまく茹でられたとか、メイクがうまくいったとか、二日酔いにならなかったとか。
この頃のデザイナー、というか自分に求められているのは、この「加減」と「見極め」なんじゃないかと思う。はじめの一歩が実はもう踏み外していることって、本当に多くて。気が付かないまま突っ走ったり、途中で後戻りする時間もエネルギーも、本当にもったいない。
それはさておき、急に暑くなってみなさん体調管理には十分に気を付けて下さいね。休ませてあげたい人がたくさんいる。
Date: 18/05/17 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2186
これまで携わった案件の写真を撮り貯め始める。Webサイトのリニューアルに使うもの。これまでにも何度かチャレンジして、慌ただしくなるとすぐに挫折して「まあいいか」となってお蔵入りさせてきた。そんな程度の覚悟だから、特に困ることもなかった。
これからの「ふたまわりめ」の進み方を自分で決めたとき、今まで取り組んできたことが伝わっていないことに心地よさを感じなくて、何かに引き寄せられるように今その作業に向き合っているところ。ディレクションだけならまだしも、写真もたくさん撮らなきゃだし、文字も書かなきゃだし、やることいっぱい。だけれども、すごく楽しい。どこか集大成のような存在になりそう。夏までには公開の予定です。
Date: 18/05/14 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2185
連休中はたくさん人と会った。どの時間が一番かと言われても困るくらい、どの時間も楽しかった。隅から隅までよかった。どうもありがとう。
誰かと関わることは、色の混ざり合い。混ざり合ったときに、いい感じの色になってればいいなあ、みたいな気持ちがある。性格も、ココロの距離も、培った時間も人それぞれだから、どんな色になるか分からない。でもそれが楽しみでもある。デザインの仕事もそれに近い。自分で手を動かしているときでさえ、何ができるか分からないのが楽しい。
赤と青をどう混ぜても黄色には近付かないし、出せるはずもない色を理想としても、幸せから遠ざかるように思う。そんな理想を語れる時は、たいてい自分が見えてない。できるのは、目の前の人に対して自分の最善を尽くすこと。その繰り返しが色になるだけ。混ざる気もない人とは、そもそも関われない。「また会いたい」と思ってもらえる人でいたい。
Date: 18/05/10 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2184
画家の岡田豊くんからクラウドファンディングのお礼が届いた。アーティスト仲間とNYのギャラリーで展覧会を開催するんだという。
クラウドファンディングをやることは前もって聞いていて、二人で飲んでいる席で「勇気いるけどやります」みたいな心意気も伝えてくれた。その決意はやっぱり嬉しいし、自分はそんなシチュエーションにとことん弱い生き物だし、カタチをもって応援するのが今の自分にできること。チャレンジした人には、なるべくご褒美があって欲しい。できれば報われて欲しい。
遅くなったけど、おめでとう、本当に。
Date: 18/04/21 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2183
好きという感情なんて、いとも簡単に移ろう。
バイク好きな人も、大事故に巻き込まれたら、二度と乗りたくないかも知れない。大好きな芸能人が結婚した途端に、醒めてしまうかも知れない。不安や恐怖が勝ったら、満たされなくなったら、好きという感情なんて、いとも簡単に移ろう。感情は自分じゃない、振り回されるのが自分。
たとえ大事故に遭ってもまた乗るぞ、結婚しても変わらず応援するから。そんな風に、好きでいる努力ができるかどうか、続けられるかどうか。感情から意志へバトンを渡せるか、せっかく灯った火種を絶やさずにいられるかどうか、最期に後悔したくないか。肝心なのは、それだけかも知れない。
好きという意志は、自分を裏切らない。
Date: 18/04/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2182
年明けから続いた忙しさからやっと解放されて、今まで手を付けられなかったことと向き合える数日。主には13年目に入った「ふたまわり目」の働き方について。世の中の変化、それと自分の心境の変化に合わせて、チューニング以上の「舵を切る」ようなことを始める。そのために必要なこと、今できること、時間をかけて目指すこと、などなどスタッフと摺り合わせ。
たかだか3人の会社。だけれども強くありたい。それぞれベストを尽くせて300%、自分の役割以上の役割ができたら360%。その最大値に近づけるための取り組み。会社の目標に人が合わせると、もれなくひずみが生まれてしまう。自分を含めたスタッフが無理なく、でも必要に応じて無理しながら、でもその分しっかり休みながら続けられるのが理想のペース。改革は自分から。
この「アマタノアタマ」を始めたのがちょうど5年前の今日とのこと。15年くらい続けてる気がするよ。。
Date: 18/04/13 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2181
満たされたくて生きてはいるけれど、満たされてしまうことは怖くもある。
お受けした仕事の報酬を事前に全額いただく、そんなケースがごく稀にある。大したことないように思えて、実はモチベーションが途端になくなってしまう。お金だけでやっているつもりはないものの、実際に心情の変化は起きてしまうんだから、人間なんてそんなもの。そんな経験をして以来、全力で避けるようにしている。責任感のある方たちにこの話をしたら、やっぱり同じ対処をしているという。満たされることは怖くもある。
絵文字やスタンプの普及から察するに、そもそも人間って言葉のコミュニケーションがそんなに好きじゃないのかも。どこまでも深められる分、難易度も高いと言えば高いし、そういうものかも知れない。ただ、自分の感情を絵文字から探すって、順番が逆じゃないのかな。感情ってものすごく複雑で、自分でも気付かなかったり、うまく伝えられないところに嬉しいや苦しいがギュッと詰まってるのに、大雑把な記号に頼ってしまうことに、もったいなさを感じてしまう。ちゃんと伝わったら、すごく嬉しいのに。
本心が満たされないのが、きっといちばん怖い。
Date: 18/04/11 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2180
彩社会福祉士事務所さまのリーフレットをデザインしました。長いデザイナー人生で、表紙が真っ白というのは生まれて初めて。ひとつひとつメッセージを書いてはじめて完成するのだそう。おもしろいなあ。
代表の坂本彩さんとは3年前にお互いカラダを壊してからの関わりで、普段からお世話になっている気心の知れた間柄。たくさん話し合い、ひとつひとつ整理を繰り返しながら、枠組みからはみ出しそうなものだけチョキチョキとカットしたらこうなった、みたいな作り方をしています。正しさよりもフレッシュさ優先というか、文字から彩さんの気持ちが伝わってくることを大切にするというか。そんな捉え方をすると、表紙のアイディアもストンと腹に落ちる。
距離が近い方との仕事は楽しくもあり、やっぱり緊張もする。関係がおかしくなることもあるからね。でも、もっと良くなることだってあるんだから、自分はそっちを信じるようにしてます。
Date: 18/04/09 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2179
兵庫の最西端へ移住した友達夫婦に会いに。相変わらずの18きっぷで。
全員が自営業という強みを活かして、平日にお花見。桜はちょうど満開のピークを過ぎた頃で、見応えを残しつつ、風で散る花びらまで楽しめる絶妙なタイミング。同業者であること、10年来の付き合いなこともあって、これ以上ない幸せな時間。集まる回数は減っても、この先こんな時間を一日でも増やせればいいなと思う。まだ付き合いが浅い人たちとのフレッシュな時間もいいし、こんな風に熟成した味わいもいい。始めなければ、熟すこともない。
移ろいについての考え方が変わってきている。ここ数年のうちに、結婚や引っ越しで、自分の暮らす町から友達が1人また1人と姿を消した。最初は寂しくもあったけど、人間という不安定な生き物が一箇所にとどまるのも、また不自然なこと。不安定だから、つい安定を求めるのかも知れない。移ろい続ける中で出会ったり別れたり、そしてまた再会したり、そんなことを繰り返す方が自然だと思うようになった。
それでも付き合いが続くことに、感謝せずにはいられない。ありがとう。
Date: 18/04/07 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2178
真剣に困っている人のチカラになりたい。二十歳を過ぎた頃から想い続けた気持ちに、意志や技術も近づけているような気がする、ようやっと。
前を向いている人が好きだ。時には休んだり、くじけたり、うまくいかなかったり、後ろを向くことは誰にでもあることで、ただ、普段どこを向いてるかだけは本当に大切だなあと思う。そんな人たちと「毎日しんどいよねえ」なんて飲むお酒はとても楽しい。幸い、そんなお酒を交わせる人に恵まれている。
つくりものの笑顔じゃなくて、苦労を乗り越えた先にある笑顔に触れたい。そういう機会をなるべく増やしたいし、逆に言えばそれ以外の機会を減らしたい。ちゃんと言葉にすること、向かっていくこと。前を向いている人って、その両方をちゃんと大事にしてくれる。
そんなことを感じてるうちに、明日からもう4月。早いね、とは思わない。本当は早くも遅くもないから。やるべきことを、やりたいことをやるだけ。鼻グズーン。
Date: 18/03/31 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2177
青春18きっぷで、ぶらり。
目的地を決めず、3割ほど読み進めた小説を相棒に。気が向いたのは、純白の城。最寄り駅で御座候を赤と白と、ひとつずつ。名に恥じない歴史とスケール感、そして美しさがあった世界文化遺産。花見を楽しむ人もいた。
70歳近くに見える、だけれども姿勢のいい職人が手打ちするうどん屋にふらりと立ち寄って、年季の入った絶妙な感触のうどんが気持ちよく染みこんだ。いかにも家族経営らしい、緊張感とゆるさが混じり合った空気が優しかった。
コーヒースタンドを探して、カフェラテと焼き菓子をいくつか。友人のカフェで時々バリスタまがいのことをしていて、余所のお店が気になる。カラダに合わないと知りつつ、時々コーヒーが飲みたくなる。この日は気分を優先する。
海が見たくて、日生(ひなせ)に向かう。読みかけの本はひたすら面白い。駅の近くにある展望台に上った。静けさで賑わっていた。日常から離れることは、視覚よりむしろ聴覚が大事なんじゃないかと思う。にじんだ汗が引くまでベンチに寝そべって、無意識にアタマに浮かんだいくつかのことと話す。夜に三ノ宮で人に会う予定があって、カキオコは断念する。酒屋でビールだけ買ってすぐ飲んだ。
Date: 18/03/29 Photo: iPhone 5
2176
部屋と納戸にある不要なものを整理しようと一年間ずうっと取り組み続けて、やり終えたらさぞかし爽快だろうという期待があった。いざ終わってみたら、思っていた以上の達成感と一緒に、今度は倉庫の中が気になり始めた。
キリがない。
倉庫が片付いたら、次は何が気になり始めるんだろう。そこに興味もあったけど、今は手を付けないことにした。とにもかくにも、まず目の前のことにケリをつけたからこそ浮き彫りになった悩み。きっと悩みはこうやって、永遠に尽きることがない。
これ、暮らしと直結していると気付いた。「そんなに必要ないものとどれだけ関わって生きるのか」という点で。無駄が良くないとは思わないし、適度な脂肪は安心や癒しをくれる。もちろん数の問題ってワケでもない。数千枚のレコードだって、ぜんぶ必要であればそれはその人にとってのスリム。
クローゼットの中身も、本棚も、冷蔵庫の中も、関わっている人の数も、絵文字の量も、いま書いているこの文章も、贅肉も、思えばどれも同じバランスで成り立っている。少なくとも自分はそうだと思う。悪く言えば「徹底しきれない」、よく言えば「遊びを残している」くらい。
ありがたいことに、自分のバランスだけは、いつでも自分で変えられる。そこが楽しい。
Date: 18/03/23 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2175
特定非営利活動法人・縁活(えんかつ)さまのWebサイトを公開しました。
縁活さまの運営するカフェで打ち合わせ中、たまたま居合わせた代表・杉田さんが「ちょうどWebサイトつくろうと思っているところなんですよ〜」ということで出会って30秒足らずで決まったのが一番のエピソード。そんなことあるんだなあ、とは全く思わずに、ごく自然な流れとして受け入れました。世の中は、案外こんな風に回っているものだから。
これからの新しい価値観をつくるパイオニア的な存在を目指して、いわゆる“福祉っぽい”イメージとは一線を画しています。要所に散りばめた背景のイラストは、利用者さんに描いてもらいました。あらためて見ても上手いんだよなあ。たいへん名誉な案件に関わらせていただいて、嬉しい限りです。
Date: 18/03/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2174
先々月、いきなり仕事場を訪ねて下さった方がいる。
電話番号もメールアドレスも、サイトには載せてない(おまけに色さえもない)。真剣味に欠ける依頼や営業メールが煩わしくて、数年前からそうしてる。不毛な時間をなるべく減らすのも、時間を生み出すために欠かせないデザイン。セオリーにこだわらずに、今に馴染むカタチを追求すればいい。そんなスタンスに共感して下さる方が、わざわざ足を運んで下さった。連絡先がないから、ダメ元で来てみました、と。なんてありがたい。。
一見、非常識なアプローチでも、そこに考えがあれば、伝わる方にはちゃんと伝わる。セオリーも選択肢のひとつに過ぎない。セオリーに期待しすぎるあまり、麻痺していることって、結構あるんじゃないかな。どうしたいかを考えず、闇雲にセオリーに頼るのは、何も考えてないに等しい。頼りないけど、頼らないのが、実は一番の近道だったりする。
きのう、その案件を無事に終えた。
最後は「お願いしてよかったです」とご丁寧に電話まで下さった。“冥利に尽きる”って、きっとこういう時の慣用句。そこまでして下さった方の期待には、なんとしても応えたいと自然に思えて、いい関係性が生まれる。いい関係性ができたら、仕事の半分は終わってる。そんな方々からの案件をすでにいくつかいただいていて、今から楽しみだし、同時に怖くもある。
Date: 18/03/07 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2173
東京で暮らす友達夫婦から今年も立春朝搾りが届く。写真を撮ろう撮ろうと思っているうちに、あっという間に一ヶ月が過ぎた。2月は気力の釣り合いを取るのがすごく難しい。春一番も吹いたようで、本来の自分に戻る感覚がある。
先週は久しぶりの東京出張。中学時代の友人と仕事の打ち合わせをして、その後は高校時代のパイセンと食事。まるで40代を歓迎してくれるかのような素敵なバーにも連れて行ってくれた。明らかに人を選ぶバー、でもそういうのがいい。万人受けにはまるで興味がない。誰と行ったら楽しいかな、と想像してみる。ぜひ行ってみて欲しい方にメッセージも送った。
次の日は、すずきの姉さんと羽田空港にて打ち合わせ。姉さんとは独立以来のお付き合い。自分では絶対に行かない、ツボのついた場所をいつも提案してくれる。出張で行く機会がほとんどになった自分にとっての東京は、こうして付き合いのある人が教えてくれる情報でできている。生きてる間にすべて知る事なんてできないし、これでいい。というより申し分ない。ヴィンテージな人脈に支えてもらってる。
帰りに日本橋の「ここ滋賀」に立ち寄って、SHIGA’S BARのカウンターで軽く1杯。となりに座った75歳の女性は、水戸からセミナーを受けに来た帰り。頼みすぎた佃煮をご馳走になる。反対となりに座った男性とも話が盛り上がり「よかったら僕にご馳走してください」と、熱燗を奢ってもらう。出張先でもこんなことするようになる。ハートが強いわけじゃないですよ。ただ相手を信じてる。
Date: 18/03/02 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2172
自分なりの「損したくないスタンス」を貫いたことで、ものすごく損することだってあるんだから、どう足掻いたところで、すべてうまくいくことなんてない。目先の損得に振り回されたばかりに、一生の後悔を生むことだってあるんだから。
すべてうまくいくことなんてないのに、すべてうまくいく方法に拘るばかりに、行き詰まっている人をよく見かける。その発想から距離を置ければ、風は通るのに。うまくいかないから、おもしろいのに。
諦められるから、信じられるのに。
Date: 18/02/21 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2171
きのうはしげる兄のお誘いで余呉湖までワカサギ釣りへ。湖北は寒い。寒さに隙がなくて、雪の季節は「長浜は別の県です」と吹聴している自分にウソはなかったと確信できました。あいにくこれっぽっちも釣れず、湖に釣り糸を垂らしに行っただけになりましたが、雪景色に囲まれて空気はどこまでも澄んでいたし、はじめましての方とのゆるゆるしたトークも心地よくて、楽しいひとときでした。
話は変わって、オリンピックおもしろいですね。純粋に競技そのものを見ることもあれば、フェルナンデス選手のような魅せ方に舌鼓を鳴らすこともあり、筋肉の付け方からどんな戦略で戦おうとしているのか、とか、そういう見方もします。質の高いものっていろんな見方ができるのも良さのひとつ。飽きがこないって、そういうことでもあるのかも。
Date: 18/02/19 Photo: iPhone 5
2170
すでにあるものや想いにどれだけ気付けるか、目を向けられるか、関われるか、活かせるか。最後はそれだけなんじゃないかと思う。
仕事場のシマトネリコから新芽が出てきました。まだまだ寒い中にも春の兆し。
Date: 18/02/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2169
この間、しばらく顔を見ていなかった子の誕生日にふと日本酒を贈りたくなった。どんなお酒にしようか少し悩んで、お世話になった松の司の限定酒に決めた。全国の蔵元から探すのもいいけど、そうしたくなかった。とても喜んでくれたのか、あてを手づくりして楽しんでいます、と丁寧に言葉を添えてくれた。
年末に、いつも良くしてくださる年輩の方に、デザインで関わらせていただいた日本酒「喜楽長 愛おし」を贈った。それがきのう、開栓をしたと、好みの味でしたと、写真つきでメールをくださった。どちらも同じくらい嬉しい連絡だった。
自分にとっての日本酒は、単に好きなだけ。それが運よく仕事につながり、その先に生まれたご褒美のような関係を、日常にまで繋げられる。日本酒に限ったことじゃない、いろんな側面でそれと同じことが起こる。気持ちよく連鎖する。当たり前のようで、実はこれ以上ない幸せなんだと思うように考えも変わりました。
きょう、40歳になりました。
健康管理に取り組んだおかげもあって、大きく体調を崩すことなく、ぼちぼち元気でやってます。信じている人、信じてくれる人が周りにたくさんいてくれて、ものすごく恵まれています。うまくいかないことも、どうしても叶わなかったことも山のようにあるけれど、最善を尽くしたことに胸を張って、これからも暮らします。お陰さまで40代も楽しくなりそう。いろんな人に、ありがとう、です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
Date: 18/02/14 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2168
自分が見た世界を基準とするのか、それとも「世界から見た自分」か。前者は自分だけのもの、後者はみんなのもの。世界が広がったと思うのか、広くも狭くもない、ただそこにある世界を知るほどに、自分の小ささを思い知るのか。
どちらにしても、主役が自分であることから、誰ひとり逃れられない。うまく隠れたつもりでも、どこかに必ずいるから。自分には見えなくても、自分以外には見えているんだから。
Date: 18/02/10 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2167
覗くことに慣れると、それだけで満たされてしまうこともある。それは到底、コミュニケーションなんて言える代物じゃない。満たされることに慣れると、先へ向かうチカラは知らず知らずに衰える。麻痺している自分に気付かないことさえある。
仕事はともかく、インターネットは暮らしに「なくてもいいもの」くらいに思い始めているところ。使うことは使うけれど、なかったらなかったで別のやり方でやるよ、くらいの気軽な存在として。本当に欲しいものは得られない、おそろしく残酷で優秀な仕組みとして。
Date: 18/02/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2166
自分のために自分を磨いたことが、誰かにとっての鏡になればさらによし。「あの人は教師の鑑だ」とか、そっちのカガミじゃないですよ。自分との違いとか、自分の中でモヤモヤしてるとことか、そういうのがクッキリと写し出される存在、という意味で。
それってけっこう、貴重だよなあと思ってます。
Date: 18/02/01 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2165
遊園地にある、チューブのついたクルマに乗ってガンガンぶつけ合うアトラクション(名前は知らない)が昔から好きだった。知らない人同士でもぶつけ合っていい感じが、どこか爽快だったのかも知れない。何回やっても楽しかった記憶がある。
きのう、生まれて初めて追突事故というものを経験する。いわゆる「オカマ掘られた」というもの。信号待ちしてる時に後ろからガンッ、と。幸いケガ自体ほとんどなかったけど、何というかこれは、これっぽっちも楽しくない。ストロングゼロであり、ゼロフリーなもの。きっと何回やっても楽しい記憶にはならない。保険の手続きやら車の修理やら病院やらで、もうすでに懲り懲り。
被害が自分のところで止まって、玉突きにならなかったのがせめてもの救い。このブログを読んで「知ってる人が事故ったぞ」と少しでも気を引き締めるきっかけになってくれればせめてもの救いです。ああ冬はいろいろ大変。
Date: 18/01/27 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2164
言葉を失うようなことが巷で起こっても、やることは変わらない。自分の正義をただ貫くだけ。何かを変えたければ、嘆いたあとに、自分が動くだけ。
こないだ発見したのは、柴犬って雪の中だとさらにかわいい。雪をペロペロと、ただ舐めているだけでカワイイ。言葉を失った時は、無理して喋らないのもいいね。
Date: 18/01/20 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
2163
愛着は、手間をかけたものに湧く。
たとえば頼まれごとをされても、自分で決めて返事する。頼まれたからやる、じゃなくて頼まれて自分がやると決めてから、という具合に。細かいことだけど、どこかで「なんで自分が・・・」とぼやくかそうでないかの違いは、とてつもなく大きい。ダラダラしたい時も「今からダラダラする・しない」を決める。なんとなく、を減らしてみる。
・・・なんて話をすると決まって「しんどくない?」と聞かれる。そりゃ、しんどくなんてない、なんて言えないよ絶対。これはトレーニングのようなもの。トレーニングは、しんどいものだから。でも自分に手間をかけるって、そういうこと。たまには負荷かけてあげないと、衰えの道を辿るだけ。それもまた人の性質。
愛着は、手間をかけたものに湧く。
自分に手間をかけた分だけ、自分に愛着も湧くというもの。最初から愛着が湧くものなんて、ありそうで実はない。自分のことが好きになれない人の共通点は、たいてい、自分のことを自分で決めない。小さな決断をしない人の大きな決断は、時に人をハラハラさせる。決めるって、怖くもあるから。
些細な決断でも、積もればちゃんと山になってくれる。
Date: 18/01/12 Photo: SIGMA dp3 Quattro
2162
元旦から18きっぷで広島へ。例年のようにダラダラ、ゆるゆる過ごしました。なんでもない自分に返るひととき。写真はそうです、厳島神社。行くたびに違う表情を見せてくれて本当に楽しい。アマタノアタマの写真も確かここから始まった、いろいろ思い入れのある場所。広島では初詣の屋台でも焼き牡蠣が売っていて、早くも「牡蠣初め」を済ませました。宮島口にある伊都岐珈琲も素敵でした。
今年もよろしくお願いします。
Date: 18/01/09 Photo: SIGMA dp3 Quattro