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lighthouse

他人事をじぶんごとに、じぶんを他人のように。

なんて言うと「君の名は。」みたいだけど、僕の2016年は、この言葉で言い表せる。どちらにも共通するのは、あるがままを見ようとする姿勢。

何か起こった時に「もう一人のじぶん」がやってくるのが今までだとすると、今はいつも棲み着いているような、ココロの食費2倍になるような、そんな感覚へと変わる。無意識の時間を減らして、意識する時間を増やした。

そのおかげか、誰にも言えなかったココロのうちを、これまで以上にいろんな人から聞かせてもらえた。「安藤くんだから言うけど、」を、よく聞いた。すごく光栄という気持ちと、吐き出す人ができて少しでも気持ちがラクになってくれたらいいな、という気持ちの両方がある。「本当に困った時にアタマに浮かぶ人」でありたいと、20歳の頃から思っているから、やっとそうなってきた気がする。ありがたい。安藤の「安」は安心の「安」、なのです。

言葉は、態度は、ココロのうちが出発点にある。いつもそう捉える。人を理解することは、ココロのうちを知ること。見たままで判断しないこと。なるべくイメージから離れること。「そこまでしてしんどくない?」と言われるけど、しんどくもなければ、ラクしたくもない。これはただ、自分のためにやっているだけ。人が自由になると、自分も自由になれる、それだけのこと。僕にとっては、人を理解しないのは、自分を理解しようとしないということ。

大袈裟でも何でもなく、やっと人生が始まった気がする。これまでで断トツに楽しい一年。慌ただしい最中(さなか)にこんなブログを書いては現実逃避する、ステキな矛盾まで丸ごと含めて。

Date: 16/12/27 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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TIME VOYAGER

トローリーバッグのロック部分が故障して、メーカーに修理してもらう。

ごく当たり前のことだけど、使っているうちに、壊れる。愛着があるから、直して使い続ける。なるべくそうできるものを選ぶ。

ココロの底から惚れ込むものは、人生でそう多くは出会わない。他の人はどうか知らないけれど、僕はそう。だからやっぱり、大切にする(いいものは安くないし)。大事にしまっておくようなことは好みじゃないから、スニーカーに惚れ込んだ時期は葛藤が耐えなかった。直せないものは、それはそれでつらい。大抵は、大きな魅力と背中合わせに大きな欠点のあるものを好みます。その方が手間をかける喜びがある。

使い続けることは、新しく何かを買わないことでもある。廃棄しないことでもある。そんなつもりはなくても、そんな作用を生んでいる。「新しく買った方が安いかも」みたいな感情に惑わされそうな時は、よくこうやって別の視点を取り出しては、自分を落ち着かせている。愛着にだって覚悟はいる。

Date: 16/12/23 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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tree

「これが自分の持ち味」と信じて疑わないものは、あんがい思い込みだったりする。誰かに「それいいね」と褒められたこととは、まったく違うものだったり。

持ち味は、自分が自分でいられるものかも知れない。それだけに、出し惜しみしようなんて考えない。いつでも振りかざしたい。だからこそ、凶暴な一面もちゃんと持ち合わせてる。自分にとっては良くても、他の誰かにとっては不快に感じられることだってある。

持ち味は、使いどころを見極めてこそのもの。この頃そう考えるようになった。あえて頼らないようにすると、グッとこらえてみると、いつもよりしなやかにものごとが進んでくれたりする。自分にとっての持ち味は、人には濃すぎるのかも知れない。

持ち味という「味付け」を抑えたら、素材そのものの味が活かされる。そういう事だと思う。よく考えないと、反対のことをしてしまう。考えが足りない日ばかりだ。持ち味を殺し続けていることに、まだ気付いてない人もいる。

Date: 16/12/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro

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◎土曜日のこと

 父の24回目の命日。もうすぐ四半世紀。墓前にて報告と誓いをいくつか。

夜はAつMATA。こっちも9回目。予定が重なる師走2週目にもかかわらず26人も集まってくれて、本当にありがとうございました。楽しかったです。来年も続けるかは未定でも、他人事のように「あったらいいなあ」とは本気で願ってます。

AつMATAは「何もしない」がテーマ。よしみのココロのこもった料理、お店の空気、美味しいお酒、そして来てくれる人を信じたら、もうぜんぶ足りてますやん、ということが本当に実感できる。不安になると人はつい何か足したくなるけど、足さない。最後の最後に分かったのは、結局これは能であり浄瑠璃である、ということ。

◎翌日のこと

 たくさんの人が集まってくれた、その反動から来る虚無感も味わえるように。「孤独」という前提に帰ってきた感覚。AつMATAに共感してくれる人は、その前提を共有できる人なんだろうなと思う。京都まで行って中山珈琲を飲みながら少し話して帰って、余ったワインを飲みながら平野啓一郎の新作の続き。本当におもしろい一冊。読み終えたら、最近知り合った子が借してくれたオススメ本を読む。そういうのがいい。

寝る前に友達から突然の連絡。3年前の非を謝りたい、と。聞けば僕自身まったく気にしていなかったこと、でも本人はずっと後ろめたかったこと。苦しみ続けていたこと。その勇気と誠実さが言葉にできないほど嬉しくて、ずっと苛まれてきた自意識に対して僕ができることは、全力で許すことしかない。ちょうどそんなことを直前のブログにも書いた。怒ってないことと許すこととは、似てるようで少し違う。大切に思ってくれてるんだなあと、逆にこっちが救われる。

Date: 16/12/12 Photo: iPhone 5

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dragon

デザイン仕事に没頭している合間に書くブログは本当につまらない。今日がまさにそう。書くだけ書いて読み返すやいなや「これはイカン」となってすぐ却下。なんというか、焦がしバターならぬ「焦がし過ぎバター」みたいな苦みと重み。こんなときは言葉を必要としない写真でもUPしてお茶を濁すのが吉。そもそも書かない、が大吉、だけどそうもできない時期。

話は変わって、許し合える間柄って、すごくいい。一人だけでは成立しえない魅力がすごくいい。「できるようになる」の仲間にも、入れてあげて欲しい。

Date: 16/12/08 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

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brown rice

この間のM-1、特に決勝ラウンドが素晴らしかった。3組とも甲乙つけがたいおもしろさで、最後までどのコンビが優勝するかホント分からなかったほど。銀シャリは、安定感のあるしゃべくりスタイルはずっと大好きだけど、だからこそこの賞レースで優勝は難しいだろうなと勝手に分かったつもりでいたら、もう一段上を登って見事に優勝。これにはもう感動しかない。芸を磨くっていいなあと、ココロから。

挫けずに磨き続けると、ちゃんと光るね。ザイマン最高です。

Date: 16/12/07 Photo: Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D