2028

a man

自分の声が好きじゃない。

人前で歌うのは大の苦手。それなのに歌のテストは、名字のせいで大体トップバッター(シンガー)だった。最初はみんな静かに聴いてくれるもんだから、それはもう、地獄で。たぶん、それが原因で、声そのものが好きになれなくなってしまった。だからカラオケも、人生で数えるほどしか行ったことがない。そのうえ声量もないから、向かい合って座ると声が届かなくて、何度も聞き返してくもらうのが申し訳なくなる。カウンター好きなのはその理由。声のよく通る人が羨ましい。

それなのに「いい声だね。」とは言われる。たぶん人並み以上に言ってもらえてる。お世辞でないのは分かるし、本当に不思議だなあと思う。何がいいかは分からないけど、褒めてくれるなら、大きな声は出せない代わりに、せめて伝わる努力はしようと思う。伝わりやすい言葉を使おうと思う。

知る人ぞ知る、ものまね好き。自分の声に興味が持てなくて、人の声を借りたくなったのかも知れない。そう考えると、おもしろい。クオリティを求めるのも納得。最近はナダルを少々。

一人で歩いてる時に歌うのは好き。ただし誰かとすれ違おうものなら、即、一時停止。通り過ぎたら、再生開始。今、そんな自分を克服しようと小さな勇気を振り絞ってる。タワレコの試聴スペースでノリノリになれるDJ風の男性や、ヨドバシカメラに置いてるスタンウェイを全力で弾ける大切な人や、自信がないとか言うクセに人前で歌えてしまうhelloのハッシーが、とにかく羨ましかったから。

すれ違う人を気にせず(気になるけど)、一時停止しない。なんかちょっと、気持ちいい。もちろん、その人は、微塵も気にしてない。こうやって冷静に書いてみると、本当にどうでもいいことで長いこと悩んでたなーと気付かされる。

毎日コツコツ、こんな事やってます。まだまだ絶賛、成長期。

Date: 16/04/09 Photo: SIGMA dp3 Quattro