2208

Liquor

さくらももこさんのエッセイ「もものかんづめ」があまりにおもしろくて、当時とんでもなく衝撃を受けたことを、今でもよく覚えてる。本を読んでいる感覚とはまるで違う、そこに「ちびまる子」がしゃべっているような、本の上で躍っているような、活き活きとした痛快さがそこにギュッと詰まってた(あ、だからもも子の缶詰ってことなのか)。

Liquor

小論文が原因で大学受験に失敗したり、文章に対してかなりコンプレックスを持っていた自分が文章を書こうと決めたきっかけは、この一冊に出会ったから。あんなに伸び伸びとした語り口に、本当に憧れたから。そんな“恩人”とも言える人がこの世を去るのは、やっぱり悲しいですね。数日経っても、まだ悲しい。

ずっと写真を撮り続けているのは、31歳の若さで亡くなった幼なじみのフォトグラファーSayoの影響がある。そして文章はさくらももこさん。奇しくも、2人とも乳がん。いったい何だっていうんだろう。自分に置き換えると、53歳まであと13年。あっという間だよ。

Date: 18/08/30 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

2207

stampbook

ときどき年の離れた子が気持ちを伝えてくれることがある。その純粋さや真っ直ぐさがとても好きで、清々しいとはこういうことだと、あらためて教えてくれる。

stampbook

きのう、自作の水槽(アクアリウム)をただ見てくれと、友達から動画が届いた。ドヤ感こそあれ、これはこれでピュアで清々しい。褒めて欲しい時だって、悩みを打ち明けるのと同じくらい慎重に相手を選ぶものだし、そう考えると素直に嬉しい。褒めて欲しくて困ってるんだし(笑)、助けるのが友達というもの。こういうのがいい。

怖さや不安、あるいは照れくささや後ろめたさで覆い尽くされた言葉や態度は、誤解を生みやすい。もっとシンプルに言ってしまえば、信じにくい。そういう機会に触れるたび、どこかうんざりし始めている自分がいる。もちろん、自分の言動までも含めて。

なるべく純粋でありたい。なるべく信じて欲しいし、なるべく信じたい。それが根底にあって、どうにも剥がれそうにない。

Date: 18/08/25 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2206

2018-08-18-19.57

佛光寺の盆踊り。今年も最高でした。あのフワフワと溶けていく時間、なんなんだろう。まるで自分の魂まで鎮めてくれるような。

少し慌ただしくて、お盆は予定を入れずコツコツ働くことにしたのに、そんな時に限っていろんなお誘いをいただいた。帰省中のパイセンから飲みのお誘い、仲良しのお客様から食事のお誘い、別のお客様からは五山の送り火を観ながらのパーティのお誘い(ドタキャンが出た、ということで繰り上げ当選)。ばんがって働くと決めたご褒美かな。あきらめても、そこで試合終了じゃない時だってあるね。皆さんありがとうございました。

2018-08-21-18.48

少し暑さも落ち着いてきた、とはあんまり思えなくて、今は今で分かりやすく体力を奪われる感じがある。連休明けで気が抜けたのか、周りも結構コホコホ咳き込んでるし、秋とはまだ少し距離を置く。効き過ぎるエアコン、それだけが悩ましい。。

Date: 18/08/21 Photo: iPhone 5

2205

Japanese calligraphy

書師・秀蓮さんに書道を学ぶ。ご婦人方の中に混じって、黒一点で。

いわゆるひとつの、習い事。これがおもしろい。なにせ、下手すぎて。いざ筆を運ぼうとすると、いろんな自意識がまとわりつくのがよく分かる。どう書こうか、どんな太さにしようか、どうすれば美しく見えるのか、などなど。ココロの声を聞いてるだけでもおもしろい。

「自由でいいよ」なんて言われても、理論を駆使する仕事のクセはそうやすやすと抜けるはずもなく、がんじがらめになる。で、結局、どこかデザイン的な考えに頼ってしまう。書いた文字に、まるごと自分が投影される。「ぬたあん」には遠い。

Japanese calligraphy

昔の自分なら、人から習う時には、少なからず我流を持ち込んでた気がする(それが成長の足枷になるとも知らずに)。今は「どうせ下手なんだし」という諦めの気持ちで、素直に耳を傾けられる。上手くなろうとするより、なるべく余計な意識を持ち込まずに書けるようになりたい。そういう心づもりでやってます。

その人らしい字を書く人って、きっと素直だ。

Date: 18/08/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro

2204

kamiyama

いつもお世話になってる京都のカフェでナカヤマコーヒーを飲んでいて、無意識に水の味を感じ取ろうとする自分がいた。善し悪し、ではなくて、あくまで水の性格。この頃の仕事の影響がもろに出ている。何を食べて育ったか、ほどではないにしても、どんな水で育ったかでも違いは出ると思う。

kamiyama

むかしninkipen!の今津さんと建材について学ぶ機会があって、材木を見ただけで産地を当てる職人がいると知った。その時は感動が大きすぎて、どこか特殊能力のように捉えていたけど、人間に本来備わっている力だと思うようになった。そういうものが、今とても大切なことに思える。五感を研ぎ澄ませるって、最高に楽しい遊びのひとつ。そればっかりじゃ、疲れてしまうけど。

kamiyama

さて、明日から15日まで夏期休業をいただきます(16日より再開します)。みなさんもよいお休みをお過ごし下さいね。酷暑で溜まったいろんな疲れが、少しでもなくなりますように。「疲れてたんだなあ」と感じるひとときも、幸せのひとつ。

Date: 18/08/11 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

2203

Tanzan Shrine

なんとな〜く感じる、「アツイ!」と言う元気さえなくなってきてる空気。悪い意味で慣れてしまったせいもあるけど、着実に蓄積されてる疲労が、もうどうにもとまらない。まるで疲れてはいるけどまだ気を抜けない「合宿の後半戦」みたい。リンダじゃなくても、こまっちゃうナ。

Tanzan Shrine

じっとしてたらしてたで、今度は気持ちの方が萎えてくる。自分が元気でいることも、なかなかに加減が難しい。そろそろフニャフニャしたい気分。

Date: 18/08/03 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

2202

Liquor

金継ぎ。

年末に、たしか晩酌しながら年越しでも、と意気込んだ矢先に片口を落として割ってしまった。テレビは紅白、でも目の前は真っ暗。処分しかないと一瞬あきらめて「そういえば」と、金継ぎを習ってる友達に相談したら快く引き受けてくれた。それがこの間、生まれ変わって帰ってきた。割れる前よりも美しさを増して。

Liquor

直せるって、嬉しい。

元通りにならなくても、カタチを変えてまた関われるから。直したい気持ちと、直せる技術があってこそ。直すのもまた、続けること。インスタントなものに囲まれていると、そんな気持ちさえ薄らいでしまう。もう直したくないものだって、ちゃんとあるけどね。

さて8月。「いろいろ直せる人」って、なかなか魅力的。

Date: 18/08/02 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art