1508|東京オリンピック2020

魂|大斎原(おおゆのはら)|熊野古道

オリンピックの東京開催決定を知ったのは、気仙沼に着いた翌日の朝。僕を含めその場にいた全員が「うーん。。」と顔をしかめましたが、一人の女性の「でもこれを利用すればいいのよ」という一言に、腑に落ちました。なぁるほど。

お客さんが家に来ることになったら全力で部屋を掃除した。そんな経験は誰でも一度はあること。そう考えたら期待もできます。あと7年で世界中の人を安心してもてなせる可能性は限りなくゼロに近い。でも、国の代表の発言がハッタリかどうか議論したり、憂いをつぶやいて過ごす毎日よりずっと前向きな発想。

開催が決まったことで感情の変化はあっても、自分のやれることはこれっぽっちも変わりません。それに、オリンピックがきっかけで海外の人が被災地を訪れる機会が増えるのは喜ばしいこと。その流れで日本人の訪問もきっと増えます。そう考えたら気持ちがパァッと明るくなりました。

そんなわけでオリンピック開催が決まって喜ぶ声もあるし、その逆もある。僕はたぶん直前になって盛り上がり始める派。せっかくだし生で観てみたい気持ちだってあります。でもそれはそれ、これはこれ。勢いのある話題がドカッと押し寄せて一見ごちゃ混ぜ、だけどそこはきっちり線を引くところ。だって7年後の話ですから。

Date: 13/09/10 Photo: Nikon D300 + AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G