住むぞ都!

住むぞ都!|鈴木さちこ

このブログの題字でもおなじみ、すずきの姉さんの新著「住むぞ都!」絶賛発売中です。神社本、電車本の次はなんと「移住本」。東日本大震災の影響などで、移住を考えているけれどなかなか行動に移せない方々。そんな方達のために、すずきさん自身が実験台(?)となって日本の各地に“住んでみた”、リアルな情報がぎゅっと詰まったコミックエッセイ。

世の中のニーズに乗った単なる企画モノ?と思いきや、そんな薄っぺらい内容ではありません。いつものように、シンプルなイラストからは想像できない厚みのある情報。観光と暮らすことの違いを明確に分け、それぞれの土地に「しばらくの間」滞在しています。また、食生活では観光のように外食だけで済まさず、実際にその土地のスーパーで食材を調達し自ら料理するなど、できるかぎり生活者の視点に近づいてもいます。もちろん実際に住むことを想定しているので、不動産屋巡りだって外していません。

東北のまとめでも触れましたが、やっぱり観光と「暮らす」は違います。この本では観光の「浮かれ感」もしっかり伝えながら、「暮らす」ために必要な実質本意の情報にも触れてあり、すごくバランスがいいなぁと思いました。どっちの目線でも読めます。いつもそうだけど、読みやすい。

それによく考えたら、これって旅が好きな人なら誰でも持つ願望。

ひととおり観光地を回り終わったら、次は「その土地のことをもっと知りたい!住んでみたい!」って。でも、貴重な長期のお休みを、エンターテイメント性の少ない土地で過ごす選択肢を取る人は残念ながら少ない。でも、そうしたい願望は心の底に持っている。そんな「できたらいいな」の思いを、僕たちに代わって実現してくれています。だから、面白い。すずきの姉さんの本の中で、僕は断トツに好きです。

冒頭では移住の方を対象に〜なんて書きましたが、それは半分正解で半分間違い。純粋に旅が好きな方にとってもこの本はきっと楽しめます。訪れている場所は以下の7カ所。

  • ①高知県高知市
  • ②熊本県熊本市
  • ③岡山県倉敷市
  • ④愛媛県内子町
  • ⑤長野県上田市
  • ⑥宮崎県日向市
  • ⑦北海道札幌市

ちなみに滋賀県も掲載したかったそうですが、締め切りの都合で実現せずだそうです(残念)。その代わりと言っては何ですが、お呼ばれしている出版記念パーティーでトークショーの時間をいただいたので、滋賀県について少し語ってこようと思います。姉さん自身のブログで少し中身が見られますよ。

Date: 12/07/20