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wave

先々月、いきなり仕事場を訪ねて下さった方がいる。

電話番号もメールアドレスも、サイトには載せてない(おまけに色さえもない)。真剣味に欠ける依頼や営業メールが煩わしくて、数年前からそうしてる。不毛な時間をなるべく減らすのも、時間を生み出すために欠かせないデザイン。セオリーにこだわらずに、今に馴染むカタチを追求すればいい。そんなスタンスに共感して下さる方が、わざわざ足を運んで下さった。連絡先がないから、ダメ元で来てみました、と。なんてありがたい。。

一見、非常識なアプローチでも、そこに考えがあれば、伝わる方にはちゃんと伝わる。セオリーも選択肢のひとつに過ぎない。セオリーに期待しすぎるあまり、麻痺していることって、結構あるんじゃないかな。どうしたいかを考えず、闇雲にセオリーに頼るのは、何も考えてないに等しい。頼りないけど、頼らないのが、実は一番の近道だったりする。

きのう、その案件を無事に終えた。

最後は「お願いしてよかったです」とご丁寧に電話まで下さった。“冥利に尽きる”って、きっとこういう時の慣用句。そこまでして下さった方の期待には、なんとしても応えたいと自然に思えて、いい関係性が生まれる。いい関係性ができたら、仕事の半分は終わってる。そんな方々からの案件をすでにいくつかいただいていて、今から楽しみだし、同時に怖くもある。

Date: 18/03/07 Photo: SIGMA dp3 Quattro