1479|東北(19)東北の旅まとめ

今回の旅では、震災を経験しながらもその地に残って生活する方と接することが出来ました。前回も何人かの方とお話することは出来たけど、立ち話の延長線上で、時間もごく短め。今回はそれぞれの場所でお酒を交わしながら、じっくり聞くことができました。本当にありがとうございました。この場を借りて改めて感謝します。有意義なだけじゃなく、とても楽しかったです。

住んでいた家や環境を失ったり、身内や仲の良い人を失ったり。自分に置き換えて想像するも、どうしてもイメージできない。自分の想像力の乏しさを悔やむ。いわきでお世話になった旦那さんに「それでいいんじゃないの?」と言われて少しラクになったと同時に、経験したことからしか想像力は働かないことを痛感しました。でも今回、この地に住む人ひとりひとりに痛みや恐怖、悲しみ、苦しみがあることは、身にしみて感じることができました。昔、北野武が「被害を一括りにして考えない方がいい。ひとりひとりにとっての事件が何万件もあるんだ」みたいな事を言っていて、それは頭では理解していたけれど、やっと身体でも理解できました。それだけでも行ってよかった。

僕が出会った人は皆、前を向いていて、きっと見えないところでは苦しみや悲しみを背負っているに違いないのだけれど、眩しいくらい前を向いているようにも見えました。「生きていることは当たり前じゃない」という事実を、心の底から分かっている人たち。生きることに対しての覚悟やそれぞれが信じるもの、それがまっすぐ伝わってくる。未来に対して向けられた強い線のようなものが。そんな人には自然と惹かれます。だからどうしても関わっていたい。少しでも力になりたい。それこそ「東北」に対して何かすることが出来なくても、そこに住む一人に対してなら、僕にだって出来ることはある。だったらそれを続ければいい。何ひとつ難しいことなんてない。

気仙沼の復興屋台村に行った時、「みんなで来たいなぁ」と思っていました。みんなって具体的に誰?なんですけど、とにかくみんなで。大勢で。今回もいろんな所で言われました、「来てくれてありがとう」って。行っただけで喜んでもらえる場所、ないですよ。逆に元気をもらえる場所なんて、そうないんだよ。

残念ながら仕事での関わりを持つことはまだ出来ていないけれど、今度は春にでも3度目の旅に行こうと考えています(6月は仕事が忙しすぎるので変更)。体力も使うし、もう長いレポートはやめようと思っていたけれど、懲りずにまたやってしまいました。伝えたいことが多すぎて。

明日からまたいつも通りのブログに戻ります。すべて読んで下さった方、時々読んで下さった方、ひとつでも読んで下さった方、ありがとうございました。

こちらのリンクから19回分のレポートをまとめ読みできます。

Date: 13/07/26 Photo: iPhone 5