2018

sizzle

かつくら(とんかつ屋)好きでよく食べに行くんですけど、注文して待っている間に、ソースに混ぜるゴマをじぶんで摺るシステムになってるわけです、すり鉢でゴリゴリと。分からないなりに、じぶん好みの摺り加減にするわけです、ゴリゴリ、ゴリゴリと。

この間、脳科学について書かれた池谷裕二さんの本を読んだら、生き物って、同じ食べ物でもひと手間かけた方が価値を感じるんだそう。全く同じ味のラーメン屋があったとして、家の近所よりも、離れたところにあるお店の方が美味しく感じるんだそう(時間をかけた手間を脳が正当化するから)。

そんな事実を踏まえると、ゴマをゴリゴリする行為にもしっかり価値があるわけで、単に摺りたてがフレッシュだからとか、美味しさの理由はひとつだけではないみたい。やるなあ、かつくら。ゴリゴリ。

バルミューダのトースターもそう。リベイクの前に、毎回必ず5ccの水を入れる。庫内をスチーム状態にする目的はもちろんのこと、ここにも「ひと手間」があります。冗談でも何でもなく、最近は食べたいより「焼きたい」が先に来ることもあるから、愛着ってきっとそういうことなんだろうなあ。いろいろ知ると、おもしろいです。

↓池谷裕二さんの著書はこちら。

Date: 16/02/27 Photo: SIGMA dp3 Quattro