不便っていいね

Heavens Cloud ver.3

この間「ときドキどきドキ」で書いたことは他にも当てはまって、例えばホテルの予約でも、ネットで検索して空室がゼロだったら、それでもう諦めてしまう場合があります。ホテルに電話して確認、んー、まぁそこまでは別にいいや、という具合に。他にも、本来なら面と向かって話さないといけないことも、メールで済ましてしまったり。つまりはコミュニケーションを省いたり、簡略化してしまう。

この間、東京から京都に遊びに来てくれた友達と一緒に飲んでいた時に飛び出した名言をひとつ。一人旅の途中でiPhoneのバッテリーが切れてしまい、たいそう困った、と。でも「切れてからの時間が一番面白かった。」って。めちゃくちゃ分かる。僕にも経験があって、ものすごく的を得た一言。てのひらサイズのコンピュータは安心と便利をくれるけど、同時にコミュニケーションの機会を奪ってしまうこともある。それに気付いてはいるけど、ついつい頼ってしまう。怖いくらいに便利ですからね、本当に。自由を与えてくれているように思えて、実はかえって縛られているような。

ランニングする時でも「Nike+」という、ルートや走行ペースを記録してくれるアプリが便利ですが、iPhoneを身につけて走ることがあたかも束縛されているように思えてやめました(その代わりiPod nanoで代用)。誰とも繋がっていない開放感は、時々必要なこと。

だから、例えば旅をする時なんかは、アプリを使わずに前もって時刻表をプリントアウトするとか、行きたい場所のアクセスを調べておくとか、その場でコンピュータに触れる機会をなるべく減らすように工夫したい。腕時計もそのひとつ。手間はかかるけど、その旅は記憶に残る。不便でも、記憶に残る方がいい。全部が全部そうするのは無理でも、自分で決めたことだけは不便を楽しみたいなーと思います。

次回「オリーブオイル乱用禁止のアイコンを考えよう」ご期待下さい。

Date: 12/09/20