東北(27)〜まとめ 02〜

宮城県登米市

現実を見れば見るほど「で、僕に出来ることって何だろう?」と悩んでばかりでした。その答えを探しながら過ごしていたわけでもありませんが、やっぱり探してしまうのが同じ日本人としての性であり、本能です。今思えば現地に行こうと思ったのも、あれこれもっともらしい理由をつけず「日本人だから」の一言で良かったかもしれません。

こうして伝えることは、回り回って何かに影響するかも知れませんし、そうなればいいなという想いや期待は少なからずあります。でも、できれば変化球ではない、もっと真っ直ぐな何かが欲しい。自分の中で確かに納得できる何かが。

そのヒントになったのが、3日目に行った石巻で声をかけて下さった2人の方。仮設住宅で暮らす方と、石巻から30分の所で暮らす、僕に読みかけの本をくださった方。土地柄のせいかお二人とも人なつっこく、そのせいなのか現況のせいなのかは分かりませんが、とにかく話し相手を欲していたように感じました。僕は現地に対して何かしたいと思うし、もっと話を聞きたいとも思っています。向こうは向こうで、話し相手が欲しい(たぶん)。

それなら二人にまた会いに行く行動は「出来ることのひとつ」だと自然に結びつきました。「出来ること」なんて堅苦しいものでなく、面白かったから単純にまた会いたい気持ち。当時は仮設住宅に訪れる事は失礼だという気持ちでしたが、いい意味で事情は変わりました。

幸い、一人の方とは連絡先を交換していて、「次来る時は10日前に連絡して!」と言われています。このご縁を無駄にせず次回に繋げていけば、ボランティアともまた違う、自分なりの協力ができるような気がします。それに、被災地すべてを見て回ることはできません。同じ場所へ繰り返し足を運ぶ方が、きっと復興状況を感じやすい。だから石巻を自分にとっての出発点とし、少しずつ根を生やしていけば、そこからまた何かが生まれそうで楽しみです。

すべては全くの偶然ですが、行動しなければ何も得ることは出来ませんでした。その価値は、本当に大きいです(続きます)。

Date: 12/07/12