2023

Aeron HermanMiller

アーロンチェアが壊れた。

買ったのは26歳の頃。若いくせに「一生モノの椅子を買おう」そんな大人びた意気込みで、お金を貯めて。26歳にとっての15万は、100万円以上の値打ち(※個人の感想です)。そのアーロンチェアがついに壊れた。左の肘掛けが、突然ポキッと折れた。使い続けたことで、金属が悲鳴を上げてしまった。

ネットで調べたら、修理に3〜4万かかる。ちょっと悩んだ。一生モノのつもりでいたけど、これを機に買い変えるのもいいかも知れない。ふと、そういえば10年保証があったことを思い出す(でかしたぞ自分)。すでに11年以上経っていて、やるせなくなって凹む(でかしてないぞ自分)。

とにもかくにも修理の問い合わせ。実は12年保証だったことを知る。挫折の先に差し込んだ、ひとすじの希望の光。購入から11年7ヶ月。まさかまさかのギリギリセーフ。めでたく無償で修理してもらえることに(やっぱりでかしたぞ自分)。その上、ついでに他のパーツも新しく交換してくれることに。なんということでしょう。「レザー部分も傷んでますが、どうしますか?」そんなご提案までいただき、さすがにそこは有償だったけれど、すぐにお願いした。

たとえば革靴でも、同じ悩みがある。ソールの張り替え代で新品が買えたりする。でも、今回思ったのは、使い続けることは愛着だけじゃなくて「捨てない」にも貢献してるんだなって。特に椅子なんてデカいもの。捨てるにもたくさんエネルギーを使う。そう考えると、また違う価値が芽生えて、お金の捉え方も変わる。なんというか「えっへん」という気持ちが生まれる。自分がしたくてしているだけのことが、何かの役に立つのはすごく幸せ。

関係を保ち続けることは、無駄を少なくすることかも知れない。何でも無駄が良くないとは思わないし、保ち続けるにもエネルギーはいるけど、どっちがどの範囲で幸せか考えてみるのは、いいことだなーと。

Date: 16/03/30 Photo: SIGMA dp3 Quattro