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calligraphy

書道を習い始めて1年と半年が過ぎました。月に一度のペースでまだまだ初心者もいいところですが、当初に比べたら少しは筆が動くようになってきました。

紙と筆と墨と自分の関係性。そんな風に捉えています。目の前にある紙の滑り具合やにじみ具合、握っている筆でどこまでの表現ができるか、磨った墨の濃度、そして今の自分の有り様。それぞれについての理解なくして上達はあり得ない。ごく希に気持ちよく筆が運べた時は、自分が消えている。書道に限らず、意識を続けた先にある無意識の域まで辿り着きたい。

a tree

今日で阪神大震災から25年。20代の友達の中にはまだ生まれていなかった子もいるかと思うと、何とも言えない複雑な気持ちになります。その子たちにとっては語り部の立場になったんだと自覚もしました。当時の被害を伝えるのも役割のひとつですが、当時の経験を活かして「できる備えはちゃんとしましょうね」の方がきっと大切。命を意識するって、もっと真剣にやった方がいい。意識しないと、雑にも丁寧にも扱えない。

話は少し逸れますが、20代の子に「40代って楽しいよ」って伝えると、大抵「ホ、ホントですか?!」みたいな返事が返ってきます。上の世代として申し訳ない気持ちにもなりますが、でも、その瞬間、ほんの少しだけパァっと明るい表情になるのが本当に好きで、誰のためでもなく毎日ただ機嫌よく暮らしていたら、実はそれだけで誰かに希望を感じてもらえるなんて、いいこと尽くし。そういうのがいい。

Date: 20/01/17 Photo: SIGMA fp + Leica Lens