2003
年末年始に佐藤卓さんの著書「クジラは潮を吹いていた。」を読んだ。彼の肩書きはグラフィックデザイナー。誰もが一度は目にしたことのある著名な仕事を数多くされていて、肩書き負けしているようにしか思えないのだけれど、どんな役割であっても原点のグラフィックデザインを展開・応用しているに過ぎないという理由で、そうしているらしい。素敵だなと思った。
この頃、クリエイティブ・ディレクターを名乗る人に出会う機会が増えた。なんだろう、急に増えた。デザインのチカラがより強く求められるようになっている現代に合わせて肩書きを変えているような、そんな違和感をおぼえる。まるで整体のお店がある日突然「カイロプラクティック」と看板替えするように。時代に合わせて変化するって、そういう事ではないように思う。
今の名刺では「アートディレクター」を名乗っている。その通りではある反面、しっくりきているわけでもない。モヤモヤはずっと消えない。シンプルに「デザイナー」がいいのかも知れない。つまるところ、肩書きは面倒くさい。
Date: 16/01/14 Photo: SIGMA dp3 Quattro