2314|もう一歩深く伝わる何か

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レコードの音には、CDのそれにはない「もう一歩深く伝わる何か」がある。今年レコードデビュー(もちろん聴く専門)を果たした自分の感想のひとつ。

たとえば疲れている時って、たとえ大好きな音楽でもカラダが受け付けないというか、しんどかったりするじゃないですか。でもアナログには不思議とそれがない。詳しいことは分かりませんが、何かしらの聴き手へのノイズやストレスが少ないおかげで、歌い手や、演奏者の気持ちがストレートにダイレクトに伝わってくる。

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話は変わって、今年もMー1が終わりました。今年は「漫才」の定義が良くも悪くも混沌とし始めた年でもあって、前半は見方に悩んでかなり消耗こそしたものの、それでもやっぱり楽しかったです。結果はみごと錦鯉の優勝(個人的にはインディアンス推しでした)。決勝ラウンド3組の差はなんだったんだろうなと考えたら、レコードと同じで錦鯉にも「もう一歩深くカラダに伝わる何かがあった」ように思えてきて。

芸の中にも「まさのりさん」という人間がそこいた。他の人に置き換えられない唯一無二の芸。それが真っ直ぐ伝わっていたし、とどめの『ライフ・イズ・ビューティフル』が、完全に突き刺さってしまって。こんなにバカで真剣な『ライフ・イズ・ビューティフル』、自分は今まで聞いたことないですよ。そしてこれからも。DVDが出たら副題に付け足して欲しいくらい。

他人との距離を取らざるを得なくなった今の状況もきっと影響していて、そもそも単純に笑いたくて観ているMー1で、技術や理屈を感じさせない「人間そのもの」にこれだけココロを打たれるのは意外な副産物というか、それをみんなで泣いて笑ってできて良かったなーとしみじみ思ったのです。それでは、また。

Date: 21/12/22 Photo: SIGMA fp + Leica Lens