モヤモヤを取っ払う

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最近ではお任せして下さることが多くなりましたが
お客さまからデザインのご要望をいただくこともあります。

そのご要望は本当に様々で十人十色。
大まかなイメージだけを伝えて下さる時もあれば
具体的に「こんなデザインにして欲しい」と仰ることも。

もちろんお客さまですから
ご要望を最優先するのは当然のこと。

でも求められる結果と
そのための表現がずれている時もあります。
そんな時は迷わず「きっと伝わりにくいですよ」と伝えます。

お客さまの求める結果と
表現の回路を繋ぐのが僕たちの専門領域。
いわばプロの仕事が求められます。

だからといって
無下に否定するのは失礼だし
理論を引っさげ言葉巧みに説得を試みたとしても
大抵は納得して下さりません。

理由は明らかで
「イメージを見たい欲求」が解消されていないから。

仕事やデザインにかかわらず
日常でもこれと似たようなことはあります。

例えば誰かに時間をたずねた時
自分が予想していた時刻と大きく違っていたら
自分の携帯や時計を取り出して見直したことはありませんか?

今どき時間の狂った時計を持っている方が珍しい。
だから相手を疑っているワケではないんです。

疑っているのではなくて
もう「どうしても自分で見ないと解消できない」心境。
これは誰もが持つ「人間の性」だと思います。

その性に基づくと
もし言葉だけでは足りない時は
たとえそれが陽の目を浴びない表現だったとしても
カタチにすることは実は省けない時間。

長いお付き合いが前提となる僕たちのような仕事では
そこで信頼関係が築けることだってあります。

何が言いたいかというと
それも立派な仕事なんだと思います。

Date: 12/03/30