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transmitted light

ひとつの仕事を納めるたび、肩の荷がひとつ下りる。その時はじめて「最後まで緊張を切らさず終えられた」と実感できる。すでにカラダが覚えている類の仕事や、何かしらの理由で緊張を維持できなかった時は、あまり実感がない。緊張を切らさなかったかどうかは、精度にも直結する。おまけに一週間くらい働きたくない欲求にまで直結する(ごく自然な感情です)。

支払って下さった分の役割を果たせたかどうかは、ほとんど、後になってしか分からない。お客さまが喜んで下さるかどうかは、ひとつの通過点。期待どおりの作用を生んでくれるかの方がずっと肝心で、そこクリアできて及第点。それ以上の「予想しなかった何か」まで起きてはじめて合格点。この基準で行くと、仕事を納めても、これっぽっちも満たされることがない。そういうものだから、仕方がない。

役目を果たせた時、もうひとつの荷がやっと下ろせる。そんな事をひとつひとつ繰り返すのがデザインの仕事。そんな事をひとつひとつ繰り返せたら、仕事が仕事を呼んでくれる。目の前のことに、自分の意志でどこまで真剣に向き合えるか、それだけだと思う。今日も長かったひとつの仕事を終えて、一週間くらい働きたくな

Date: 17/05/31 Photo: SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art