2016

jacaranda

スタッフの話。

去年から、家族にバレンタインチョコをあげるようにしたんだそう。でも、実際の反応は今ひとつどころか今ふたつで、正直「思てたんとちがーう!」だったみたい。せっかく選んで買ったのに、よかれと思ってのことなのに。その事実を受け止めて、今年は相手が喜びそうなものをそれぞれリサーチしてプレゼントしたところ、それはそれは喜んでくれたそう。「喜んでくれたのはすごく嬉しい、でも、自分の満足度としては去年の方が高かった」と。ははは。

この話、数年前までの自分にも思い当たる。

自分のデザインに満足している節が多々あった。その分きっと、お客さまの期待に応えることに集中できていなかったと思う。とあるきっかけがあって、今ではそんな気も消え失せて、どうしたら期待に応えられるか、そんな風に考えるようになりました。心境が変わってからというもの、仕事ひとつ納めた時に喜びは感じなくて、期待した効果を得られた時にはじめて「あぁよかった」と思えるようになる。料理人がお客さんに「美味しい」と言われてはじめて喜ぶ、あの感覚みたいに。品質も昔より上がったように思う(※個人の感想です)。

自分が褒められるより、認められるより、相手に喜んでもらいたい。その気持ちが「自分なくし」へと繋がる。僕も根っこは、我が強いから。

そうは言っても人間だから、どこかで褒められたいし、満たされたい。ベテランのお坊さんみたく生きられない。それをどこでやるかと言うと、誰かと呑んでる時だったりSNSだったり(一緒にいるだけで満たされる、ありがたい人もごく稀にいます)。笑いを取ろうとすることに関しては、お子さまだろうがパイセンだろうが誰だろうが、ここぞとばかりにエゴ全開なのが自分。それもたぶん、過去のコンプレックスとも関係あるんだろうなあ。

人それぞれいろいろあるから、飽きることがありません。

Date: 16/02/17 Photo: SIGMA dp3 Quattro